徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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青天を衝け 第27話「篤大夫、駿府で励む」

徳川家の財政のために大活躍の栄一

 栄一は民部公子の元に戻ろうと思っていたようですが、強引に引き留められる。未だにかつての尊攘派の残党が残っている水戸で民部公子に取り立てられたら、いずれは平岡円四郎と同じ運命を辿ることになり兼ねないという配慮。全く、水戸はいつまで修羅の国なんだ。水戸では栄一に振られた民部公子が「やはり栄一さんは兄の方が良いのね」・・・じゃなくて「やはり渋沢と兄のすぺしあるな関係か」と嘆いております。パリに行って以降、民部公子は常に栄一に熱烈なプロポーズを繰り返しているのだが、結局は振られ続けるという悲しい運命。

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 駿府に残った栄一は勘定方に任命されるが、徳川の禄を受けるつもりはないと「農民の矜恃」なる不可解なものを持ちだして抵抗。まあ徳川が困窮しているのは分かっているから、その徳川から金をもらうわけにはいかないという気もあるのだろうと思われる。しかしあまりの財政の火の車に、結局は栄一が陣頭に立って建て直しに邁進する羽目に。とにかく幕臣に金の勘定が出来る者が絶望的にまでいない。

 栄一が打ち出した策は駿河藩と商人が金を出し合って「コンパニー」を設立して利益を上げるという方式。いわゆる民間企業の立ち上げで、パリで見た会社組織がベースになっている。しかしやはり無意味にプライドだけが高く、商いは下賤と教え込まれている武士の価値観が邪魔をする。栄一の最初の障壁はこの「意識改革」になった模様」。武士の無駄なプライドはどうにもならないが、同様に商人の方は武士に対する不信感が強いのでこれも問題。栄一にしたら「俺の時代来たーーっ!!」ってところだが、パリでも感じていた「武士って使えねぇ」って思いもさらに強くなったところ。それにしてもここで再び三井が抜け目のない悪役として登場。さすがに商売人はチャッカリしてる。

 

 

すべてが順調に回り出したら新政府の横槍が

 一方の函館では幕府残党が風前の灯火。最後の覚悟を決めるイケメン土方。成一郞も同行しようとするがイケメンに「生きろ」とまるでもののけ姫のようなことを言われて送り出される。結局はこれで成一郞は生き残ることになり、明治になってから財界に入ることになります。イケメンはその後、華々しく散って歴史に名を残し、今ではあの5分の紹介にあったように五稜郭タワーのところにイケメン像が立って、未だに腐女子が多く訪れます。成一郞がこの時に土方と一緒に散っていたら、結局彼は名前は残らないでしょうが。

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五稜郭タワー内に立っているイケメン像

 武士と商人がギクシャクしていたコンパニーの方ですが、何だかんだ言っても事業が軌道に乗って利益が出始めたら動き始めます。武士の方も協力するしか自分の食い扶持を稼ぐ手はないし、商人の方も「これ、結構儲かりそう」と取り組み姿勢が変わってくる。

 で、順調に利益が上がりだしたら、それが新政府のド下品な大隈重信に目をつけられることに。それにしてもこの番組って、岩倉具視と言い、新政府方の人材ってド下品な奴らしかいないな。伊藤博文も何となく性悪なアホっぽかったし、五代なんて真っ黒そのもの。描き方が露骨すぎるというものだ。この作品ではとにかく栄一と敵対する立場の連中はとことん腹黒の根性悪として描かれるから。まあそれはともかくとして、ド下品大隈にしたら、そんな有能な人材を駿府に置いておくのは危険と、新政府に引き抜かれることになるんだろう。そもそも新政府って絶望的なまでに人材不足だし。で、栄一はいやいや新政府の役人になるという展開だな。

 

 

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