親父さんが亡くなったが、とうとう正体を現し始める栄一
前回、栄一の親父が何やらおかしなこと始めたから、これはそろそろフラグが立ったかなと思っていたら、案の定でしたね。親父さんが亡くなりましたか。渋沢栄一の父として誇りに思うなんてことを言い残してましたが、いやいや、確かにあんたの息子さんは偉い人ですよ。そして案の定ど偉いこともしてました。
実は今回の話の一番のポイントが、とうとう栄一が本性を出すってところでしょうか。無類の女たらしといわれている渋沢栄一が本領を発揮しました。この番組では歴史捏造して栄一を愛妻家のように描いていましたから、どうにも唐突な印象があります。しかしくにを最初に見た時から栄一が「獲物を狩る目」になってましたからね。今回のサブタイトルは「栄一、ムラムラする」の方がピッタリ。
栄一の女性関係はどこまで描くのやら
で、早速その夜に部屋に引き込んでしまっている。なんとまあ手の早いこと。まあ渋沢栄一ってこういう男なんですが、どうにも今までのこのドラマでの描き方と落差が激しいので、かなり戸惑う節は多いんじゃないかな。NHKとしてはあまり触れたくないのが本音でしょうが、この後で彼女を東京に連れてきて、結局は妻妾同居なんてことまでやっちゃいますから、渋沢栄一を描く以上避けて通るわけにも行かないでしょう。ちなみに後に千代は若死にして、その後で後妻にまた別の女性を連れてくるから、最低限でも栄一を取り巻く女性としてそれだけは登場させる必要があるでしょう。ちなみに現実には愛人と隠し子の数は二桁のようだが、詳細は不明とのことです。
ところで今回のくにを演じている女性も、決して不細工ではないのにそもそも現代的な顔立ちの人ですから、ああいう格好をすると眉毛だけ目立って非常に不細工に見える。おかげで栄一があっと目を奪われるのがどうもピンとこない。千代にしても綺麗とはとても見えないし。おかげで栄一がブス専に見えてしまう。前から朝ドラなどで「美人をブスく使う」と言われることのあったNHKだが、このドラマは特に極端だな。まあ今時日本髪が似合う若手女優なんてのがいないのかもしれないが。
ブラック職場に耐え、チャッチャと廃藩置県を済ませる
そして仕事の方は何かドタバタと廃藩置県を済ませてしまいました。井上馨の無茶ぶりに対して不眠不休の作業で対応するブラック職場物語ですが、精一杯前向きに描いております。しかしこんなことやっていたら、その内に精神がぶっ壊れる・・・そうか、ぶっ壊れて性欲に走ったって展開か?
呆気なく廃藩置県が終わってしまいましたが、その後に出てきた画面分割の演出がどうにも安っぽくて感心しないな。今時風を出したつもりなんだろうか。タブレット持って出て来た家康といい、どことなく若者に媚びようとしてはずしているという感が強いんだな。NHKは前からそうなんだが、若者を意識すると急に内容がお馬鹿になって軽薄になるんだな。恐らくNHKが抱いている若者像というのがそういうものなんだろう。
しかし「異常に器量の小さい」大久保利通に睨まれる
どうにかこうにか廃藩置県を実現させて出世した栄一ですが、前々から栄一のことをこころよく思っていない異常に器量の小さい大久保利通にものの見事に睨まれて、改正掛は解散させられることに。それにしても見事なほどに栄一以外の人物は超小者として描くのがこの作品だ。特に敵対する人物はボロクソ。尊皇攘夷の志士の連中はほとんどキ印ばかりだったし、新政府の面々もアホ揃いという描き方。主人公アゲは大河には付きものだが、この作品は主人公を上げるだけでなくて回りを落とすんだな。特に大久保利通は最初に登場した時から、脚本家が何か恨みがあるんだろうかというほどひどい描き方してるな。
新政府は相変わらず中はガタガタです。西郷は愛想を尽かしかけているようだし。栄一も愛想を尽かしかけているが、まだ銀行作っていないのでしばらくは大蔵省勤めが続きます。この後の展開は西郷がとうとう挙兵して敗北、さらには大久保がテロで倒れるってとこか。そして栄一は五代から誘われていたように民間に立場を移す。もっとも五代も三井も、栄一にはどちらかといえば敵の立場になるはずだが。
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