徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

セミプロオケの神戸フィルの演奏会は華麗なるブラスの世界

久しぶりに神戸フィルを聴きにいく

 この週末は神戸に出向くことにした。目的は神戸フィルの定期演奏会。神戸フィルは1983年に結成されたアマチュアオケだが、当初からメンバーをオーデイションで選ぶなどレベルが高く、東北地域でのコンサート実施などセミプロとして他のアマチュアオケとは一線を画していると言われている。私も発足当初からよく知っており、学生時代に何回かコンサートに出向いたこともある(学生にとってはプロオケのチケットは高すぎるので)。

 どうもやはりコロナで活動休止状態だったのだが、最近になって活動を再開した模様。その定期公演がこの週末にあるとのことなので、予定も空いていたことだし久しぶりに神戸にまで繰り出した次第。神戸まで出るならついでに美術館にも立ち寄ろうかと思ったが、ちょうどは今は端境期で何もなかったので、昼頃に出てホールに直行することにする。

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大倉山に到着

 現地には開場時刻の1時間前ぐらいに到着する。週末渋滞で市内に入ってから動けなくなる事態も想定していたのだが、予想外にスムーズに走行できたようだ。大倉山の駐車場に車を入れる。

 

 

昼食は神戸ラーメン

 昼食を取るための店を探すが、近くに「神戸の中華そば もっこす」があるのでそこに入店することにする。もっこすという店名からは熊本ゆかりかと思えるのだが、それがなぜか神戸の中華そばである。有名店らしく既に待ち客が10人程度いたが、ラーメン屋は一般的に回転が早いので大丈夫だと見積もる。入店までは20分強。注文は事前に取られた通りチャーシュー麺

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もっこす

 一言で言えば懐かしい味と言うべきか。もっとも私は神戸の出身であるが、この店には来たことがないので初めての味である。にも関わらず「懐かしい味」と表現するのが一番マッチする。

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メニューはシンプル

 一口で「美味い」と唸らせるような凝った味ではない。むしろシンプルでストレート。いかにもコクがありますというタイプではなく、ワザとらしさや嫌味がない。

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チャーシュー麺

 麺は細麺のストレートで、これをかなり硬めに茹でてある。時折粉感もあるので、これは好みが分かれそう。

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麺は細麺ストレート

 一番感動したのはチャーシューか。今時はハムのようななんちゃってチャーシューも少なくない中で、これこそまさに正統派の神戸のチャーシューである。肉の味がしっかりして柔らかい。私にとってはまさにソウルフード。ラーメン自体よりもこれがむしろ一番感動的だった。チャーシュー麺で正解。結局はチャーシューで結構腹が膨れる。

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神戸文化ホール

 昼食を終えるとホールへ。開場時刻の5分前ぐらいだが、数十人の行列ができている。それが最終的には100人程度の行列に。ゾロゾロと入場するとホール中央付近の席を取る。最終的に観客は200~300人ぐらいと言うところだろうか。

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既に数十人が待っている

 

 

神戸フィル第82回定期演奏会「輝かしきブラスセクション」

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指揮:朝比奈 千足
トロンボーン:村井 博之

Z.コダーイ:ハンガリー民謡「孔雀」の主題による変奏曲
F.ダヴィット:小協奏曲 変ホ長調 作品4
L.ヤナーチェク:シンフォニエッタ

 最初はコダーイがハンガリー民謡を元にした曲。ハンガリー人は元々は東洋系だと言われているが、そのせいか節回しに日本の民謡と共通する情緒が感じられ、日本人にはむしろ懐かしい感を受ける。

 神戸フィルの演奏はオケのカラーとして元々ブイブイと元気の良い管楽器が強めのオケであるから、やや派手目の演奏である。朝比奈千足の解釈もこれという特別なものが感じられないオーソドックスなもの。所々アンサンブルのは甘さやホルンがヘロッたりなんてのは散見されるものの、これはプロオケでも結構ひどいところがあったりする。

 2曲目のトロンボーン協奏曲は村井の演奏がなかなかに聴かせる。情緒タップリの演奏であり、結構染みる。哀愁を帯びたトロンボーンソロに、バックのオケがしっかりと合わせてまずまずの演奏。

 20分の休憩の後は、バンダ金管群を加えてのシンフォニエッタ。最初のファンファーレでやや危ないところが見られたりもしたが、その後は意外に安定した演奏を繰り広げた。この曲の場合はとにかくブラス陣が派手派手にぶちかまして、弦楽陣がしっとりとやれば格好がつくのでその線に沿った演奏であった。オーソドックスに結構まとまっていたというところ。

 相変わらず神戸フィルはアマチュアオケとしては安定感は高い。やや弦の弱さを感じるが(そもそも10編成なので弦楽陣が少ない)、音色自体は悪くない。プログラムを見たところ、弦楽陣は半数ぐらいがバンダのようなので、弦楽陣の補強が今後の課題のようである。