徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

関西フィルの第九のために大阪へ

久方ぶりに年末の第九に出向く

 今日は大阪に関西フィルの第九を数年ぶりに聴きに行くことにした。昨年はコロナ禍の真っ最中でパス、その前の年は「もう第九は聴きに行く気がしない」とチケットを人に譲った記憶がある。しかし今回はとにかくコンサートの頻度自体が減っていることだし、とりあえず会員になるとチケットが付いてくるのだから行ってみようかということになった。なお会場はザ・シンフォニーホールだが、その前に立ち寄るところがあるので午前中に家を出る。

 しかし途中の阪神高速の状況は私の予想を超えていた。どうもコロナ一時沈静化の報が出てから、異常に道路が混雑していることは感じていたが、とにかく道路が流れない。その結果として予定が大きく狂うことになる。

 立ち寄り先に考えていたのは小林美術館。大阪南の高石市にある文化勲章受章画家の作品をコレクションしているという美術館である。コンサートは2時半からなので本来なら12時過ぎぐらいには到着したかったのだが、神戸市内で阪神高速がほとんど動かない状態になってしまって、現地に到着したのは何と1時前。この後ホールの駐車場に移動する時間を考えたら全く余裕がない。

 

 

「日本画の最高峰 文化勲章作家展」小林美術館で12/12まで

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 3階展示室に軸装作品で、2階展示室に額装作品を展示。文化勲章を受けた作家の作品を集めるというのがこの館の方針らしいので、並ぶ作品は蒼々たる面々のものが多い。

 ただその割には強烈なインパクトを持つ作品は今ひとつなかった印象。一発で作家が分かるような典型的な作品、例えば東山魁夷の蒼い絵とか、奥田元宋の赤い絵などのようなものがなかったせいか。作品を見ただけで一目で「らしいな」と感じたのは、私の見たところでは上村松園と小野竹喬ぐらいか。

 それと展覧会のタイトル通り、各画家の作品を1点ずつぐらい並べていくというような展示だったので、展示自体に一貫性もなくバラバラだったということも印象が弱くなった感がある。

 もっとも私の見方の方も時間不足のためにザッと眺めていくというレベルのものにならざるを得なかったので、深いところまで鑑賞するというところに至っていないので、あまりに偉そうなことは言えないところではあるのだが。


 完全に時間不足だったので、実際に私が鑑賞に費やしたのは10分ちょっとという状態ので、まさにマーキングである。これでは確かに深いところまでは分からない。次回展の際にはもう少しゆっくり鑑賞できるようにしたい。

 なお当初予定では昼食もここの喫茶でとろうかと思っていたのだが、異常な渋滞のせいでとてもそれどころではない状態になってしまった。とりあえず慌てて大阪にとって返す。

 

 

ホールに駆けつけると昼食にラーメンをかき込む

 幸いにして大阪への移動ルートは渋滞もなくスムーズに到着できた。タイムズで予約した駐車場に車を置くと、ホールに向かって移動。ホールに到着した時点で辛うじてラーメンをかき込む程度の時間はありそうだったので、いつものサバ6製麺を訪問、鯖ラーメン(750円)を注文する。

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いつものサバ6製麺

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鯖ラーメン

 例によってややしょっぱめの味のハッキリしたラーメンである。ただ前回よりもしょっぱさが身に染みるということがなかったのは、私の体調のせいか(心身共にかなり疲労困憊している)、それとも味が少し変わったのか。

 ラーメンをかき込むとホールに飛びこむ。例によって厳戒態勢のホールでは観客がゾロゾロ入場中。なお場内がガラガラだった前回と違い、さすがに第九は日本の必須行事なのか観客は9割方は入っていた。

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大量に入場中

 

 

関西フィルハーモニー管弦楽団 「第九」特別演奏会

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[指揮]大友直人
[ソプラノ]並河寿美
[アルト]福原寿美枝
[テノール]藤田卓也
[バリトン]与那城 敬
[合唱]関西フィルハーモニー合唱団
[管弦楽]関西フィルハーモニー管弦楽団

 指揮が予定していたマルディロシアンから、コロナによる入国規制の影響で大友直人に変更。

 大友の指揮は例によって滑らかで無駄がなく、比較的アッサリしたもの。解釈も特に奇をてらわずにオーソドックスで比較的陽性な演奏である。だから第一楽章なども、指揮者によってはかなりおどろおどろしい緊張感漲るものになる場合があるが、大友の場合はもっとあっさりしてむしろ強奏の間のメロディを軽やかに歌わせるようなタイプの演奏。第二楽章なども重々しさや張りつめるものはあまりない。第三楽章に関西フィルらしい弦の美しさが少し出ていたか。

 合唱は間隔をとるためにP席まで使用しての閑散配置だが、マスク着用で歌っていたせいもあってやや高音が籠もりがちでいささか精彩を欠くものになったのは時世柄仕方ないとは言うものの少々不満はある。

 全般的にオーソドックスという一言に尽きた。つまり特別な難もなく、強烈なクセはないので万人ウケする演奏ではあるが、残念ながら強烈に心に残るというものでもない。この辺りが大友らしいと言ってしまえばそれまでだが。


 コンサートを終えると帰宅だが、この帰路も大変だった。神戸市内で事故渋滞とのことで京橋辺りでまたも車がストップ。結果として自宅に帰り着くのはかなり遅くなり、疲労困憊することになってしまった。こういうことがあるので「年末の第九はもういいかな」という気になってしまったりするのだが。