徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

medici.tvでチョ・ソンジンとラハフ・シャニ

2,3月のライブも壊滅的状況のようです

 さてどうやらコロナの影響で2月も外国人の入国禁止が続く模様(その一方で米軍はフリーパス)。そう言うわけで2月の来日指揮者等も全滅です。2月は九州交響楽団にポリャンスキーが登場する予定だったから、昨年にチケットを押さえていたのですが、先日指揮者が太田弦に変更との正式なアナウンスが出た。うん、正直なところ太田弦ならわざわざ九州までは出向いていない。九州交響楽団もライブ配信まで予定してるようだから力を入れていた模様で、これはかなり痛恨だろう。

kyukyo.or.jp

 私はポリャンスキーのつもりで休みもホテルも手配して、さらには九州北部の城郭巡りも組み合わせたプランニングをしてたのだが、正直なところどうしようかなと今悩んでいるところ。ここでキャンセルしたらホテルはともかくチケットと往復の航空券(スカイマーク)が丸々損害になってしまう。かといって、コンサートの件を抜きにしても、来月の上旬に九州をウロウロするなんて大丈夫か?という問題はつきまとうところである。

 

 

 なお2月のPACのカンブルランも買っているんだが、まだ正式なアナウンスは出てないがほぼ間違いなくこれも変更だろう。また3月のインキネンなんかも難しそう。ちなみに3月に来日がアナウンスされていたフィルハーモニア管弦楽団は正式に来日中止が決まった模様。 

avex.jp

 まあ私はこのWパンダの公演はそもそも行く気はなかったが。「尚、新潟、横須賀、大阪、兵庫では、同日同会場にて代替公演を予定しております。」とあるが、辻井君や三浦文彰にどこかの国内オケを引っ付けてコンサートをするのかと思ったら、どうやら東京フィルでやる模様。まあ私は興味は無いが。

avex.jp

 しかしこうなると3月上旬のスペイン国立管弦楽団も絶望的だろう(私はチケットを買えてないが)。

 さてこのようなご時世の中、今日も昨日に続いてmedici.tvを楽しむことにした。プログラムはチョ・ソンジンをソリストに迎えてのラハフ・シャニ指揮のロッテルダムフィルである。

 

 

ロッテルダムフィルハーモニー管弦楽団(2021.3.12 デ・ドゥーレンコンサートホール)

指揮:ラハフ・シャニ
ピアノ:チョ・ソンジン

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番変ロ短調Op。2
シューマン 「森の情景」から寂しい花
ベルリオーズ 幻想交響曲

 チョ・ソンジンのピアノは自在と言うよりもあまりに奔放。ロマンティックにネットリ歌うかと思えば、ガツンガツンと強奏したりで変化が激しい。それ自身は別に良いんだが、問題は演奏自体がかなりアクが強いこと。時々ストンとテンポを急変させたり、指が引きつったような雰囲気で音が変化したり、明らかに音が抜けたと感じられる部分があったりと、かなり荒馬な演奏である。おかげで後のオケが戸惑っている場面が多々。テンポの上がる第3楽章などになると、明らかに分かるぐらいオケとズレてしまったという局面さえあり。単独でショパンでも弾くのならロマンティックで情感溢れる演奏なのかもしれないが、協奏曲となるとやや問題がある。

 後半の幻想交響曲は新進気鋭の若き指揮者ラハフ・シャニの才気が溢れまくる感がある。とは言うものの、若気の至りでやや表現過剰に感じられるような部分も感じられなくもない。第一楽章からかなり起伏の激しいロマンティックな演奏であるのだが、ロマンティックというよりもより正確に言うと元気が漲って突っ走っている印象。ロッテルダムフィルも管を中心にブイブイと元気のあるオケなので、元気爆発という派手さが正面に立つ演奏になってしまって、この曲独特のおどろおどろしさとか怪しさが吹っ飛んでしまったきらいがある。おかげで聞いていて爽快ではあるのだが「はて、幻想交響曲ってこういう曲で良かったっけ」という疑問はいささかつきまとう。