ゲーミングチェアが下がってしまう・・・
昨年PC作業用にGTRacingのゲーミングチェアをAmazonで購入したのだが、使用1年近くなってきたところでトラブルが発生した。高さ調整のガスが抜けてきたのか、使用している内に座面が徐々に下がってくるし、場合によっては座った途端にプシューッと一番下まで下がってしまうなんてことが発生したのである。
正確にはまだ1年経っていないんだから、さすがにこの辺りはメイドインチャイナである。もっとも私の荷重も標準体重よりはかなり多いので、荷重オーバーだと言われる可能性もなきにしもあらずである。まだ1年も経っていないので「製造不良だ」と騒いだら日本メーカーだったら保証対応の可能性もあるところだが、何しろ相手は売りっぱなしの中国メーカーである。やりとりだけでドタバタになることは容易に推察できる上に、もし相手が誠意を持って「交換します」と言ってきたとしても、こちらから物を送り返して、さらに向こうから送ってもらってなんてやりとりを考えるととてもそんなことしてられない。
そこで少し調べてみると同じような事例は結構多いらしく、GTRacingに限らず、各社の椅子でやはり同じトラブルが続出しているようである。対応としては「シャフトを購入して自力で交換した」というのが多い。そこで私もAmazonで調べてみたところ、あちこちから出ていて概ね3000円以内ということのようである。交換方法を見てみると、プラスチックハンマーでシャフトを抜いて差し替えるだけとのことである。なお問題は購入したシャフトの寸法がGTRacingのものに合致するかだが、これについてはほとんどの椅子が規格が決まっているのでメーカーはほぼ関係ないと言う話である。確かに購入時にゲーミングチェアを調べたら、ブランド名が違うだけで全く同じデザインとしか思えない椅子が山ほど出て来たのを覚えている。つまりは汎用型のパーツを組み立てて各社で自分達のブランドをつけているだけらしい。
そこで早速Amazonでシャフトとプラスチックハンマーを購入してみるとことにした。
いざ作業に取りかかるが・・・シャフトが抜けない
数日後、シャフトとプラスチックハンマーが到着したので早速トライしてみることにした。チェアをひっくり返すと座面裏のネジをはずして脚部を取り外す。
そして出っ張っている部分をプラスチックハンマーで叩くと簡単にシャフトが抜ける・・・はずだったんだが、ここでいきなり作業は暗礁に乗り上げる。いくら必死に叩いてもシャフトがビクとも動く様子がないのである。しかも叩いている内にシャフトは壊れてしまうし(どうせ捨てるものだから壊れること自体は問題ないが)、プラスチックハンマーのヘッドも壊れてきて、シャフトの尻の部分もへしゃげてくる。しかしシャフトが動く気配は微塵もなしである。私はシャフトを尻から数回「カンカン」と叩くと抜ける動画を見たので、こんなに難儀な作業とは全く想定外だった。
ここでしばし作業断念である。組立の時は単に差し込んだだけだったので、それがこんなに強固にはまり込んでいるとは予想外だった。そこで諸々調べてみたところ、やはり実際に作業を行うとこの部分で上手く行かなくて断念した例も少なくないらしい。オイオイ、ここまでやって椅子丸ごと買い換えかよ・・・と思いながらさらに調べていたら、潤滑油を使った方が良いという記述に突き当たる。ああ、そりゃそうか。確かに油使った方がいいよなとこの時に気付く。なおパーツがプラスチックなので通常の機械油だったら劣化の危険があるので、シリコンオイルを使用するべきとのことである。残念ながら私の手元にはシリコンオイルの持ち合わせはないので(普通の機械オイルならある)、Amazonで購入してしばし到着待ち。その間はパイプ椅子で急場をしのぐ羽目に・・・。
オイルを購入してから再度挑戦
2日後、仕事から帰ると玄関の前にAmazonからの荷物が置き配で放置してあるので早速開梱する。
これをパイプの周辺にビショビショになりそうなほど丹念に流し込んでやると再度のトライである。正直なところこれでダメならもう方法はない。プラハンマーで渾身の一撃をぶちかましてやったところ、明らかに感触が前回とは違う。かすかにではあるがシャフトが動いている気配がある。
しかし動いている気配はあるものの、いくらトンカンやっても抜けるというところまでなかなかいかない。ここで意を決してハンマーを持ち替え、いつも使用しているヘッドの重い金属ハンマーを出してくる。そもそもプラスチックハンマーを使用するのは、そうしないとシャフトを破壊してしまうからなのだが、私は前回の作業でもう既にシャフトを破壊してしまっており、今更手加減をする必要などない。もうこうなったらシャフトをへし折ってしまっても構わない。で、金属ハンマーで渾身の一撃をぶちかますと、コロンと呆気ないほどにシャフトは抜けてしまったのである。
後は反対側を抜くだけであるが、こちらは下に比べると問題がないという話である。実際に接続部に油を流し込んで、パイプの周辺をプラスチックハンマーで回しながら数回叩くと、こちらは呆気なくはずすことが出来た。
後は代わりのシャフトを差し込んで再度組み立てするだけである。私の購入したシャフトは元のシャフトよりも若干長さが長かったようで、一番伸ばした状態にするとやや座面が高いが、調整が利くので問題がない。座った感じもしっかりしていて、今までのような「いつ下がるか分からない」という不安感はない。
これでとりあえずチェアの修復は相成った。結局のところ重要なのは「機械類を動かすときは油を使え」という基本中の基本とここ一番の思い切りのようで、叩くときには「ぶっ壊してもいい」という覚悟で思い切りぶっ叩けということのようである。どうも慎重に過ぎて思い切りが悪いのが私の弱点である。