徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

仙台フィル、山形響のライブ連荘のために東北へ。ミニマル展もあるよ

東北方面遠征に繰り出す

 コロナの状況がまだ気になるところではあるが、この週末に私は大型遠征に繰り出すことにした。時期的にGWは料金が馬鹿高い上にあちこちが混むからむしろじっとしているべきだと思うし、ちょうど現在は仕事的に一段落ついていて少々休暇を取ったところで大きな問題がないことなどがある。さらに一番の直接的動機は、この週末に東北において仙台フィルと山形交響楽団の定期演奏会が行われるということである。仙台フィルは金・土、山形交響楽団は土・日ということで、移動して両者を聴きに行くと言うことは可能。また仙台フィルも山形交響楽団も、共に本拠となるホールでの演奏を聴いたことがないということがあるので、是非とも一度本拠に乗り込みたいという意向は以前よりあった。それで実行に至った次第。

 山形交響楽団はこのコロナ下において、何度かライブ配信などで視聴しており、やはり本拠のホールでのライブを聴きたいという気持ちが湧き上がっていた上に、山形自体が今まで比較的あまり訪問していないので、山形の温泉や山城を巡りたいという構想は以前よりあった。

 また仙台フィルについては以前に一度だけ聴いたことがあるのだが、その時は本拠のホールが改装中とのことで、それよりもかなり器の大きいイズミティでのコンサートだった。この時はホールが広すぎるのに音響がイマイチなこともあって、やや音色に迫力や緻密さが欠けた印象が残っていた。そのためにやはり本来のホームグラウンドでの演奏を聴きたいという気持ちは強かった。そのような伏線があっての今回の決定である。

 出発は木曜の午後、仕事を早めに終えると車で神戸空港へ。今日はここからスカイマークで仙台空港に飛ぶ予定。私が東北方面に行く場合の常套コースである。年中慢性渋滞の阪神高速を突っ走ることになるので念のために早めに出発している。しかしこういうときに限って道路は極めてスムーズに流れる。結局は京橋周辺で小渋滞に出くわしただけで、予想よりもかなり早く空港近辺までやって来る。ここで空港に直行してしまっても空港内で何時間もつぶす羽目になる。中に入浴施設まである新千歳空港などと違い、何にもない神戸空港でそれはほぼ拷問。空港に行く前にどこかに立ち寄って時間をつぶすことにする。しかし思いつくのは近くの兵庫県立美術館ぐらい(神戸市立博物館のミイラ展は以前に訪問済み)。そこで県立美術館に向かうことにする。

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兵庫県立美術館に

 

 

「ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術」兵庫県立美術館で5/29まで

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 もう既にタイトル自体が「?」なのだが、ミニマル・アートとは1960年代のアメリカで流行した工業用素材や既製品を用いたアートだそうな。コンセプチュアルの方は同時代の作品のコンセプトやアイディアを作品自体より重視するという流れだそうな。で、ドロテ&コンラート・フィッシャー夫妻というのが、これらの同年代アートの紹介と収集に力を入れたコレクターだそうな。そして本展はその夫妻のコレクションに国内コレクションを加えて、これらの芸術潮流を紹介するという趣旨の模様。

 まあつまりはもろに現代芸術であるので、最初から私と相性が悪いのは明らかである。前半のいわゆるミニマルアートについては、幾何学形態への固執とかの傾向は実は私にも同じ志向があるので、芸術作品として感動するには至らないまでも私にも理解共感できる作品はある。切断した金属塊を並べているだけの作品とか、同じく鉛と亜鉛の金属タイルを敷き詰めただけの作品などは、芸術的感慨は皆無に近いとしても、私としては意外に面白さを感じることは出来るのである(恐らく私のセンスに近い)。

 しかし中盤以降のコンセプチュアルアートになると皆目である。作品自体よりもコンセプト重視と言うことは、作家本人の超独りよがり作品という意味でもある。作家自身にとっては意味がある行為なのかもしれないが、全く無関係の第三者である私にはそこに表現されてるものに何の価値も共感も見いだせない。そしていかにも現代美術にありがちの独りよがりの一発芸だけを延々と見せられることになってしまうのである。


 と言うわけで時間つぶしのつもりで立ち寄ったのが、30分もかけずに会場をスルーすることになってしまって、時間つぶしにもならずに単に予算を食っただけになってしまった。やはり現代アート系は最初から避けた方が無難か。残念ながら私が現代アート系の展覧会で「これは当たりだ」と感じる確率は、今年の阪神タイガースの勝率並みの絶望的な数字である。

 

 

一服後に仙台へ飛ぶ

 さらにどこかに立ち寄ることも考えたが、これという宛てもないし時間的には中途半端だし(少し離れたところに行くと今度は戻ってこれない危険がある)、仕方ないので美術館内の喫茶「フォルテシモ」に入店して、アイスココアを飲みながらボンヤリと外の風景(と言ってもハーバーハイウェイが見えるだけである)を眺めながら、この原稿を入力というまさに文字通りの時間つぶしをしばし行う(「しばし」と入力すると、いきなり「司馬氏」と変換してしまうのがさすがに私のpomera)。結局は原稿執筆したり、ネット検索をしたりなどで時間をつぶしてから空港に向かうことにする。

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ぼんやりとアイスココアで一服

 空港にはトンネルをくぐってすぐに到着する。何だかんだ言いながらも空港は結構混雑している。荷物チェックを受けてゲートをくぐると出発まで1時間ほどあるので、またもこの原稿執筆(笑)。

 例によってのスカイマークの737は6割程度の搭乗率か。そのまま1時間ほどの空の旅。今日は天気があまり良くないので窓の外は雲が多いし結構揺れる。こういう時は毎度のようにさっさと寝てしまうに限る。結局は機中ではウトウトしながら過ごし、次に目が覚めたのは仙台空港にガツンと着陸した時。

 降り立った仙台空港はやや肌寒い。関西ではシャツ一枚でも良いぐらいだったのだが、気温の差に驚く。荷物になることを覚悟でキャリーの中に薄手のダウンジャケットを一枚押し込んできた自分の判断の正しさを今さらながら実感する。

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仙台空港に到着

 仙台空港からは空港アクセス線で仙台まで。仙台空港のメリットはこのアクセスの良さである。やはり空港たるもの鉄道アクセスは不可欠。ここに比べると青森空港とか新潟空港とかはアクセスが悪すぎる。

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仙台空港鉄道15周年

 久しぶりに到着した仙台は雨がぱらついている生憎の天候。仙台は数年ぶりだと思う

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小雨降る仙台駅

が、東北遠征のたびにここが拠点となっているので駅前の風景は既に馴染みがある。正直なところ懐かしいという気持ち。

 

 

仙台で宿泊は定宿ドーミーイン

 小雨の中をキャリーを引きながら(私は荷物が多いので大小のキャリーを2つ引いているという奇妙な姿)、今日の宿泊ホテルを目指す。今回宿泊するのはドーミーイン仙台AEENX。都合2泊するのでホテルはそれなりのところを選んだ。ホテルへは仙台駅から10分程度で到着する。

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ドーミーイン仙台ANNEX

 ホテルの部屋はドーミーインの最近の標準仕様。洗面が外に分離していて、トイレ脇に浴槽のないシャワーブースがあるというパターン。浴槽に浸かりたい人は大浴場を使用しろという合理的設計である。また明るいシーリングライトも仕事がしやすくて助かる(私の遠征先でホテルニーズはほとんどビジネスマンに近い)。

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デスク回りは機能的

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ドーミーインらしい部屋だ

 

 

夕食は近くのラーメン屋で済ませる

 一旦ホテルにチェックインすると夕食のために町に出るが、雨はぱらついているし牛タンを食べたい心境でもないし、近くの「ラーメン町田商店」に入店する。

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ホテル近くの「ラーメン町田商店」

 店内は結構密集している。一応アクリル板は設置してあるが、最近になって認められたように空気感染なら果たして意味があるのかはやや疑問。近くで厨房の換気扇が全開なのだけが救いか。注文したのはトッピングフルコースの「MAXラーメン(950円)」

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MAXラーメン

 麺は太目の平打ち麺でスープはかなりコッテリしたもの。横浜家系と名乗っているが、そもそも私は家系の特徴をよく知らない。スープがかなり濃いので太麺を使用しているのは正解だろう。ただやはり東北のご当地食なのか、全体的に味付けがしょっぱい。それが関西人の私には非常に気になるところ。

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麺は平打ちの太麺

 

 

こうして私のドーミーナイトはふけていく

 とりあえずの夕食を終えるとホテルに戻って入浴することにする。ドーミーイン仙台ANNEXは地下1200メートルから汲み上げたという自家源泉の温泉を持っている。含ヨウ素-カルシウム-ナトリウム-塩化物泉で湧出量167リットル/分、湧出温度50度というからなかなか本格的である。

 なかなかに肌にしっとりとくる良い湯である。体に染み入るというか、体がほぐれていく感触である。とにかくここのところ体にあちこち不調が現れているのでそれをほぐしておく。

 ここのホテルは風呂上り用のアイスキャンディーがあるのがありがたいところ。なんだかんだ言っても、やはりこの大浴場あってのドーミーインである。ドーミーインは経営会社が日帰り入浴施設も手掛けている会社なので、とにかく温泉施設のツボを心得ている。その辺りが私がドーミーインを高く評価する理由である。

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風呂上りアイスあり

 入浴後は部屋に戻って原稿執筆だが、やはり疲労が溜まっていてさっぱり考えがまとまらない。そのうちに小腹が減ってきたのでドーミー名物小腹ラーメンで一服。

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ドーミー名物小腹ラーメンで一服

 結局この日は早めに就寝することにする。

 

 

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