お籠もりの日のライブ配信
再びコロナの感染再爆発で、先週辺りからお籠もりを余儀なくされているが、このお盆休みもお籠もり続行中である。もう政府も大阪府も「コロナはなくなったことにしたい」という現実逃避に入っていて、無策どころか積極的に感染拡大を推進しているとしか思えず。この機会に年金払う必要のある年寄りは抹殺しようという悪意さえ見える。
私の方はまだ年金をもらえる年まではかなりあるのだが、いわゆる持病ありの高危険群で、それでなくても気管は普段から弱いことから、感染したら棺桶直行の可能性がかなりある。こうなると自主的お籠もりを余儀なくされのである。
テレビを見れば完全に世間ではコロナは過去のこととして緩みまくっているので、盆明けからは大惨事が予測されるところである。こっちとしてはなるべく巻き込まれないようにするしかない。とは言うものの、私の職場でもあちこちで欠員が発生しており、一寸先は闇である。
さてそういうお籠もりの週末のライブ配信であるが、先々週に続いてmedici.tvでネゼ=セガンとラナのコンサートを。今回の曲目はシューマン妻ことクララのピアノ協奏曲とブラームスの交響曲第1番である。
ヤニック・ネゼ=セガン指揮ヨーロッパ室内管弦楽団
(バーデン・バーデン、サマーフェスティバル 2022.7.8より)
指揮:ヤニック・ネゼ=セガン
ピアノ:ベアトリス・ラナ
クララのピアノ協奏曲は初めて聞く曲だが、女性作曲家の曲ということで優美な曲を予想していたら、案に反して序盤から結構ゴツい曲である。旦那のピアノ協奏曲に負けないぐらいゴツンガリガリと重々しく来るので、雰囲気としてはブラームスを連想させるところがある。
で、ベアトリス・ラナの演奏であるが、以前に聞いたウルトラセブンと同様で、こちらは予想通りの超ロマンティックな演奏。揺らすは溜めるわで場合によってはバックのオケを放ったらかしにしかねない調子。特に叙情性の強い緩徐楽章などはメロメロドラマである。
第3楽章は快速でガンガン行くのであるが、快速にすっ飛ばしつつも、所々で溜が入るのはベアトリス調とでも言うべきだろうか。終始ロマンティックでアクロバチックであった。
さて後半はブラームスの交響曲第1番。この曲はかなり重々しく始まって、そこから重層的に音を積み重ねて盛り上げていくのであるが、ネゼ=セガンとヨーロッパ室内管弦楽団の演奏はそれとは対称的。音色については思わず「軽っ!」という声が出てしまったぐらいに軽快。そしてやや快速なテンポでブイブイと行く。
確かに規模が小さめの室内オケなので、どうやっても重厚な音色にはならないのは分かるが、そういう次元を越えての軽さである。ネゼ=セガンはかなり早めのテンポで煽りまくる。
結局はその快速テンポはあの重厚な最終楽章ではさらに輪をかけてターボブースト状態。この曲のここまで快速な演奏は私の記憶にはない。何やら曲のイメージを変えてしまうぐらいの演奏だったのである。
と言うわけで、正直なところ違和感満載の演奏であり、私の好みとはかなり違うなというのが正直な感想。まあいろいろな解釈が登場するのがクラシックの醍醐味ではあるが。