徒然草枕

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白鷺館アニメ棟

久石譲指揮の日本センチュリー交響楽団定期演奏会with九州交響楽団

この週末はコンサート三連荘だ

 この週末には大阪方面にコンサートに出かけることにした。まず初日はザ・シンフォニーホールで開催される久石譲指揮による日本センチュリーのコンサート。

 金曜日の仕事を早めに終えてから職場を出る。今日はいつもより早めに出発することにする。というのも今回も新今宮で宿泊の予定だが、今回はホテルの駐車場が満車で確保できなかったから。周辺のコイン駐車場を確保するしかないが、いざ夜更けに到着してから駐車場が空いてなかったら悲惨なので、先に駐車場を確保して車を置いてからホールにJRで向かうつもり。

 それにしても毎度のことながら阪神高速の渋滞は慢性的である。昼であろうが夜であろうが常識的な時間帯にこの道路がスムーズに流れることはない。途中で何度も渋滞に引っかかって予定していたよりも時間を要して新今宮に到着する。

 今回宿泊するのはホテルみかど。最近はホテル中央オアシスの方が利用頻度が多かったが、今回はオアシスが満室だったのでこちらを使用。風呂トイレ共同の代わりに宿泊料がさらに安いホテルである。幸いにして駐車場は近くにすぐ見つかる。

新今宮のホテルみかど

 部屋はいつものシンプルなもの。例によって過不足のないところである。部屋に到着するとまずは仕事環境を構築。このホテルの難点は「高速Wi-Fi装備」と謳いながら、実際のところはネットが極めて遅いこと。元回線はそこそこのものにしていても、利用者が多いんだろうか。

例によって部屋はシンプルそのもの

まずは仕事環境構築

 部屋で一息ついたところでホールに向かうことにする。この時間帯の環状線は結構混雑している。どうやら既に日本ではコロナはなかったことにされているようである。

 

 

いざホールへと

 福島に到着したのは6時半ごろ。時間に余裕がないのだが何か腹に入れておきたいところである。途中で「やまがそば」を覗いたら客がほとんどいなかったので駆け込む。注文したのはいつものそばセットでなくて、時短メニューで「そば定食(750円)」

今回は速度重視でそば定食

 そばは6分で到着、それを6分でかき込む。長年のサラリーマン生活で培われてしまった早食いスキルの発動である(体にはめちゃ悪い)。15分もかけずに店を飛び出すとホールに向かって小走りで移動。もうすぐ開演だが、それでもホールに向かう人影は結構多い。

ホールに向かう人もまだ多い

 久石譲人気か、ホール内は満員御礼で補助席まで出ている状況。今回は九州交響楽団との合同演奏会ということで、ステージには大量の椅子が並んでいる。今回は16型の5~6管編成という超巨大編成となっている。

ステージ上は椅子で一杯

 

 

日本センチュリー交響楽団 第270回定期演奏会

[指揮]久石 譲
[管弦楽]日本センチュリー交響楽団
[合同演奏]九州交響楽団

久石譲:Metaphysica(交響曲 第3番)
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」
マルケス:Danzon 第2番

 一曲目は久石譲の交響曲。現代音楽的な不可解さは持っていてメロディラインが不明確なので、ややゴチャゴチャした感じはあるが、比較的聞きやすいタイプの音楽である。なお元々巨大編成用の曲のようで、久石によると「マーラーの巨人と同じ」ということらしい。曲自体も30分ちょっとなので、巨人と二本立てでというのを意識したという。

 演奏はとにかく16型という巨大編成のパワーを生かしてブイブイと盛大に演奏するという印象。ただどうしても急増巨大編成ということもあってか、アンサンブルに関しては完全に一糸乱れぬとまではいかないところもある。とは言うものの、崩れてガチャガチャということではない。これより小さい編成の単独オケでもアンサンブルがもっと悲惨なところはいくらでもある。第二楽章などは久石らしい抒情性を感じさせる音楽もあり、そういうところは美しさも感じさせる。

 休憩をはさんでの後半は巨人ならぬ「春の祭典」。この曲になると超巨大編成の増量管楽陣が牙をむいてくるという感じ。もっとも久石の指揮はそこのところは野生むき出しという印象ではなくてやや丸めている感じはある。個人的好みとしてはもっと野生むき出しの野蛮な緊迫感のある音楽でも良かったのではという気がする。

 ここから気分を変えて、次の曲はメキシコの現代音楽家のマルケスによるダンス曲。現代音楽と言われるとどうしても肩に力が入ってしまうが、そういう構える曲ではなく、普通にラテン情緒に満ちたダンス音楽である。エキゾチックでウィットに満ちており、久石指揮のセンチュリーにとってはこういう曲が一番相性が良いように感じられる。非常に魅力的な演奏であった。

 この曲で場内は結構な盛り上がりとなった。やっぱり久石とセンチュリーの組み合わせはバリバリクラシックよりも、ポップスオケとしての性格の方が強くなるようである。満場の歓呼に応えてのアンコールは、まあジブリ系が来るのは予想通りだが、これは私にも一発で分かる「トトロ」。茶目っ気に満ちた魅力的な演奏で、誤解を恐れずに言えば、今回のコンサートではこの曲が一番良い演奏だったのではという気がする。

 

 

この遠征の翌日の記事

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