徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

3日目は大野和士指揮の都響でマーラーの交響曲第7番

今日は都響のコンサート

 翌朝は8時に起床。体にかなりのだるさがある。睡眠時間は十二分のはずだが、老化による睡眠力の低下で睡眠の質の方があまり良くない。また正直なところ、大津から大阪まで突っ走り、その後は美術館を2軒回って挙げ句にホールで4時間座り詰めというのは、運動量としては話にならないのだが体へのダメージとしてはかなりある。これも若い頃なら一晩寝たらある程度回復したんだろうが、最早半分以上ジジイになっている私の体には、確実にダメージの蓄積がある。

 とりあえず今のままでは活動不能なので、まずは風呂に湯を張ると体を温める。ようやく体が温まって動けるようになったところで、昨日買い込んでいたおにぎりで軽い朝食。そのままチェックアウト時刻の10時まで、適当にテレビを見ながら一昨日の原稿を仕上げてアップ。ここのホテルはネットの回線があまり早くないので、記事のアップに時間がかかるのが難点。

 チェックアウトすると今日の予定を復習するが、実のところは14時開演のフェスティバルホールでの都響のコンサート以外何もない。仕方ないので、ホールに近くにAkippaで予約した駐車場に車を入れると梅田方面に向けてブラブラと散歩。

朝のフェスティバルホール

 

 

 堂島地下街は休業なのか完全にすべてがシャッターが下りていて単なる地下通路になってしまっている。そこを抜けたら西梅田を経由して大阪駅南に到着。ふと思い立って「ミンガス」に立ち寄ることにする。ミンガスはかつては阪神梅田の東改札の前にあったが、梅田駅の改装で西側に移転した模様。移転後は初訪問だが、店は綺麗になってやや広くなったのと、そばなどの新メニューが増えてカレー屋というよりも普通の駅前食堂になっている。そしてカレーメニューを見ると、若干価格が上がっているような・・・。モーニングカレー(530円)なるものがあったのでこれを注文する。

ミンガスは阪神梅田の西口の方に移転していた

 要するに朝食用の具なし廉価カレーである。さすがに一切の固形分が存在しないのはただの汁ご飯であっていささか悲しい。ただ確かに懐かしいミンガスのルーの味である。高級とかグルメとかとはほど遠い味なのだが、なぜか初めて食べた時から私にとっては妙に懐かしい味である。

モーニングカレーという名の具なしカレー

 

 

 ミンガスで少し執筆作業を行ってから、店が混雑を始める前に出る。プラプラとホール方向へ歩いて行くが、いささかデザートが欲しいのとしばしどこかで時間をつぶしたい。そういうわけで「つる家茶房」に立ち寄って久しぶりにわらび餅を頂く。

つる家茶房で一息つく

わらび餅が美味い(若干高いが)

 金欠の私には久々の贅沢な時間である。こういうここの潤いまでも排除しないといけないのが金欠の嫌なところである。人間、金に不自由し出すとギスギスとし始めるというが、理解できるところである。金がある奴が人格が良いということは全くないが、金がなくなると人格が歪みやすいのは事実。

 

 

 しばしマッタリとしてからホール方向に再びプラプラと歩く。当初目論見ではホール近くで昼食を考えていたが、ミンガスの具なしカレーが思いの外腹にズッシリきていて食欲が出ないので、昼食は結局抜きになる。

フェスティバルホールの赤絨毯

 することもないので開場時刻になるともうホールに入ってしまう。ホールはかなりの大入りで、昨日に続いて本日もほぼ満席。都響といい、読響といい、やはり在京オケは人気ということだろうか。なお都響は曲目もあって16型大型編成である。

16型編成なので椅子が多い

 

 

東京都交響楽団 大阪特別公演

指揮/大野和士
管弦楽/東京都交響楽団
曲目/マーラー:交響曲 第7番 ホ短調

 マーラーの交響曲の中では比較的演奏機会の少ない7番を取り上げている。7番の演奏機会が少ないのは内容的に不可解な部分が多い曲なので、人気が今ひとつ劣るからとか。確かに一筋縄ではいかない曲である。

 大野の演奏はその一筋縄でいかないこの曲を、かなり整理して明快に表現しているように感じられる。またとにかく金管が重要な役割を果たす曲なのであるが、さすがに都響の金管陣は安定感があって良い音を出す。さすがにこの辺りはまだ大フィルなどももう一歩及ばない感がある。

 グイグイと進む第一楽章に、静けさを感じさせる第二楽章、そして悪魔的なスケルツォである第三楽章。マーラーの曲はメロディが交錯する場合があるが、特にこの曲はそれが顕著。下手すれば放って行かれそうになる可能性がある曲であるが、そこは大野が適度に交通整理をしているように感じられ、とにかく聴衆を取りこぼさない演奏になっている。

 かなり甘美な第四楽章を経て、ドンチャン騒ぎの最終楽章に突入。しかしこの楽章はあまりに脈絡のないドンチャン騒ぎなので、何の考えもなく演奏してしまうとわけが分からなくなる事が多い。その点、大野はしっかりとメリハリやアクセントをつけて、音楽の本筋がズレてしまわないように配慮していたのが覗えた。また都響の演奏の方も十二分な安定感があって精度が高い。おかげで旋律の奔流に振り回されることなく最後まで音楽を堪能することが出来たのである。

 これは久々に名演ではと思ったのだが、演奏終了後のホール内の盛り上がりはやはりすごかった。昨日の尾高に続いての連日の大盛り上がりとなったのである。流石に都響、やる時はやるというところか。

 本公演はマーラーの7番の1曲のみということで、比較的早めに終了となったので、それが幸いしてか帰りの阪神高速はいつになくスムーズで、想定よりも早く自宅に帰り着いたのである。いつもこの程度の混み具合なら助かるのだが・・・。

 

 

この遠征の前日の記事

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