徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

週末お出掛け初日は、「安彦良和展」と芦屋交響楽団のコンサート

アマオケコンサート連荘に出かけることに

 この週末は阪神間地区のアマオケのコンサート連荘をすることにした。芦屋交響楽団と宝塚市交響楽団、共に実績もある実力派のアマオケである。会場は両方共に西宮の兵庫芸文なので一泊二日。宿泊は・・・大阪だといかにも遠いので三ノ宮で宿泊することにしたが、このご時世はとにかくまともな価格で泊まれるホテルがないということで、この界隈で初めてのカプセルホテルで宿泊することにした。

 土曜日の午前中に家を出るとJRで三ノ宮へ。ここから阪神に乗り換える。コンサートの開始は午後6時とかなり遅いので、当然のように神戸地区の美術館に立ち寄るつもり。最初は兵庫県立美術館に立ち寄る予定。当初の考えではこの阪神への乗り換えの際にどこかの店に立ち寄って昼食のつもりだったのだが、いざ店の前をウロウロと散策したら、全く腹が減っていないことに気付いた。そう言えば今日はやや寝過ごして朝食が遅かったんだ・・・。とりあえず昼食は美術館見学後に立ち寄ることにする。これだったらわざわざ阪神に乗り換えずにJRで灘に行けば良かった。金の無駄である・・・。

 岩屋から美術館までキャリーをゴロゴロさせながら移動。この微妙な距離が列車移動の時は嫌だったりする。今日が初日なので混雑を警戒していたが、会場は普通の入りでゆっくり見学できる状態。なお入場券は事前に前売り券を購入済み。昨今はアホノミクスのせいで美術展の入場料まで高騰しているので、少しでも節約しようと私も必死である。

 

 

「描く人、安彦良和」兵庫県立美術館で9/1まで

 機動戦士ガンダムのキャラクターデザインなどでアニメーターとして有名で、近年は漫画家としての活動がメインとなっている安彦良和の創作活動を振り返ろうという企画。

 北海道生まれの安彦は、大学時代に当時のある程度以上意識が高い学生のお約束コースである左翼活動に入れ込んだんだが、学生運動が本格的に政府に弾圧される過程で逮捕されて弘前大学を除名される。ここで学生運動に限界を感じたこともあって、以前より考えていた漫画の世界を目指して上京、結局は虫プロに入社したという。後々の作品を見ると、こういう経歴も微妙に特に若い時期の作品に反映されているように思われる(若者の純真な想いが、汚い大人の思惑で蹂躙されるというパターン)。

 その後、虫プロの倒産などもあった頃に創映社(のちに日本サンライズに発展解消)に移籍、そんなときに西崎義典に見いだされて宇宙戦艦ヤマトなどの制作にも参加する。一方「勇者ライディーン」「コンバトラーV」「クムクム」などの作品に携わってその能力を発揮していく。そして富野由悠季と組んだ「ザンボット3」ではそれまでの定型化していたロボットもののパターンから踏み出した作品を製作、その流れから富野の「機動戦士ガンダム」に参加することになる。

 結局ハードな製作スケジュールに過労でぶっ倒れて、ガンダムの終盤から離脱することになるが、一応その分は劇場版でフォローしている。ガンダムは社会的現象とまでなり、その後にZ、F91に安彦は参加している。その後の安彦は自ら作品を手がけることになり、原作付きである「クラッシャージョー」から、オリジナル作品の「アリオン」「ヴィナス戦記」「巨神ゴーグ」などを手がける。

なかなかの力作だった「アリオン」

 しかし自身が製作する作品と、当時のアニメファンが求めているものとのズレなども感じたことから、大プロジェクトであるアニメよりも、自身の作家性が自由に発揮しやすい漫画の場をメインにして今日まで活動が続いているとのこと。

 展覧会では各作品の資料や絵コンテの類いが展示。また作品の一部映像が流されており、その完成映像を見ながら絵コンテをチェックなんてことができる仕掛けになっているので、コアなアニメファンや安彦ファンなら堪能できるところか。もっとも私はそういうディープなアニメファンではないので、その辺りは「なるほどね」って感じ。もっとも当時から感じていた「この作品ってかなり凝ってるよな」と感じた感覚が正しかったことは、綿密な資料で裏付けられた印象。

 さて、私の安彦作品に関する関わりであるのだが、ガンダムブームはちょうど私が中学生ぐらいの頃だったが、私自身はガンダムに対しては当時はあまり強い思い入れはない。また当時の普通のアニメファンの一般教養的な感じで、「アリオン」「ヴィナス戦記」なども劇場に見に行っているのであるが、「巨神ゴーグ」を含めて見事なまでに印象に残っていないというのが事実である。非常に作り込んだ凝った作品であることは感じたのだが、安彦の作家性が正面に出過ぎていてやけに回りくどい能書きの多い作品と感じたことだけ覚えており、当時は個人的に趣味に合わなかったというのが現実。恐らく人生経験を積んだ今に改めて見れば感想も変わると思うのだが・・・。そう考えると当時安彦が感じたアニメファンとのズレというのは、単なる年齢のズレのように感じられたりする。実際に青春真っ最中の連中が感じる若者のイメージと、既に老いたものが回顧して抱く若者のイメージにズレがあるのは必然なので。


 安彦展の見学後はキャリーをゴロゴロと引きながら駅に向かって戻るが、その途中でもう一軒立ち寄ることにする。

 

 

「明日への出発 関西の作家たちの交差点」BBプラザ美術館で7/15まで

 同館のコレクションの中から、地元である関西の作家の作品を集めた展覧会である。展示内容は小磯良平や金山平三といったド定番どころから、私も名前を聞いたことのない現代作家まで玉石混淆のごった煮である。

 東山魁夷の作品まであったのには驚いたが、そう言えば魁夷は兵庫の出身だった。後は聞いたことがあるのは冨田渓仙、浅井忠、梅原龍三郎、安井曾太郎、石本正と言った京都画壇の面々に、大阪出身の佐伯祐三という辺り。

 メジャーどころも含めて意外と幅広い作品が展示されているのはそれなりに楽しめるのであるが、残念ながら個人的に強く響いてくるような作品はあまりなかったというのが本音。その辺りはこの美術館のコレクションのコンセプトが、私の好みとは微妙に合致していないということであろうか。

 

 

昼食は洋食を摂る

 これで本日の美術館メニューは終了。あまりの暑さに汗が滲んできたし、早めに今日の宿に入ってコンサートまでに一汗流して休憩したい。ただその前に昼食である。場所が場所だから「洋食SAEKI」に立ち寄ることにする。昼の部のオーダーストップが2時半なので結構ギリギリの時間帯。ただそれでも先客が既に数組待っている。

洋食SAEKIはこの時間でも待ち客のいる大人気

 なお物価高騰に付き本日より10%価格アップの張り紙が出ている。ここでもアホノミクスの悪影響が。つくづく日本を滅ぼす愚策であった。バカに権力を持たせたらろくなことにならないという端的な例である。

これもアホノミクスの悪影響

 回転の比較的速い店なので10分ほどで入店できる。前回にカツ類はいささかしつこさを感じたので、今回は有頭海老フライ(1300円+税)を注文する。

有頭エビフライ

 なかなかに食べ応えのあるフライである。目論見どおり、海老フライならしつこさを感じない。年々脂っこいものがしんどくなってきている私にも食べやすいメニュー。マニュアル通りに頭の中までしっかりと頂く。

 

 

三ノ宮のカプセルホテルへ

 満足して昼食を終えると阪神で三ノ宮へ移動する。今日宿泊するのは「カプセルホテル神戸三宮」。実は三ノ宮にはもう一軒老舗のサウナがあり、そこでの宿泊がイメージにあったのだが、先日設備の老朽化などから長年の営業を終了するとのアナウンスがあったので、やむなく次善の選択で選んだところである。なお三ノ宮にはもう一軒新しいお洒落なサウナがあるようだが、そちらは価格帯が私の予算よりもかなり高い。

ホテルは三ノ宮北の裏通りに

 ホテルは三ノ宮の裏手のいかにもの雰囲気の界隈に立っている。既に満室の表示が出ている。あっちが閉鎖した分の客も来てるんだろうか。内部は予想していたほどの怪しさはなく、まあ普通のカプセルホテルでさらに思っていたよりは綺麗である。

満室の表示が出ている

 カプセルは3階と4階で私は3階の上段。ロッカーはあまり大きくないので、私の小型キャリーとリュックを入れるとギリギリである。

ロッカーはこのサイズなのであまり大きくない

 

 

 荷物を置くと5階の休憩室に直行して、通りすがりにコンビニで調達したスイーツで一服(このホテルは飲食はこのコーナーに限られる)。

5階の休憩室へ

コンビニスイーツで一服

 PCも置かれている上にコインランドリーなんかも併設してあり、長期滞在にも対応している模様。なおここにはコミックも置かれているが、残念ながら私の読むようなものはない。

長期滞在者向けかコインランドリーも

 一服した後は2階の大浴場へ入浴へ。大浴場は私の貸切状態。とりあえず大きな浴槽で汗を流して体をほぐす。まあ何も特別なもののない単なる風呂であるが、大きな浴槽はそれだけで快適である。

とりあえず大浴場で汗を流す

 

 

 汗を流してから館内着に着替えると、カプセルルームに一休みに行く。私の上段カプセルはいささか登るのが大変。多分後10年経って足腰が今より弱ったら登ること自体が不可能だろう。なるほど、下段カプセルの方が料金が高かったのはそういうことか。

カプセルの上段に上がる時に年齢を痛感する

 カプセルに滑り込むと、しばし休憩。カプセル内にはライトや空調がついているが、空調が動いている気配なし。テレビは辛うじてつくが、音なしのNHKが映るだけなので使い物にならない。なるほど、さすがに設備はかなり老朽化している模様。

カプセル内は狭くはないが装備は老朽化が見られる

 なぜかコンセントがぶら下がっているのでそこにアダプタをつないでスマホの充電をしながらパッドで録画番組などをチェックして時間をつぶす。

なぜかコンセントがぶら下がっていた

 17時になったのでホールに向かうことにする。ホールまでは阪急ですぐである。入場客はかなりいて8~9割方は埋まっている様子。芦屋交響楽団侮りがたし。

兵庫芸文へ

 

 

芦屋交響楽団 第98回定期演奏会

芦屋交響楽団はかなりの大編成

指揮:松尾葉子

プッチーニ:交響的奇想曲
ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
R.シュトラウス:「ばらの騎士」組曲

 とにかく団員数の多いオケだということに驚かされる。弦楽編成は14型以上で、管楽器奏者などもかなりいるようである。演奏自体はその大編成を活かしてパワーで押してくる印象がある。

 ただ編成が大きい故の難点もある。それが弦楽のアンサンブルがやや精緻さに欠けるところ。また管楽器もとりあえず勢いでバリバリ演奏すれば良いというところがあり、力強くはあるのだハッキリ言って雑に感じられる部分がある。それ故に大音量でバリバリやられると全体的に音色が割れ気味でいささか耳障りに感じられることがある。

 一曲目からそのパワーで押す部分は良いのだが、正直なところいささかうるさい目の演奏。さらに火の鳥の場合はバリバリ部分は良いのだが、抑え目の細かいところになるとやや演奏に乱れが垣間見える。

 最後のばらの騎士などももっと弦楽陣の音色に色気が欲しいところなのであるが、そこがやや欠けていていささか無骨に過ぎる感がある。おかげでこの曲に特有の甘美さがあまり見えない演奏になってしまった。

 アマオケとしてはレベルは高い方なのであるが、それが故にもう一段を求めてしまうようなところがある。本来なら編成を縮小してももう少しまとまりがある演奏が好ましいのだが、それもそれで難しいところがあるんだろう(編成を落とそうとしたら、休演するメンバーを作る必要があるし)。

 

 

夕食は三ノ宮の居酒屋で

 コンサートを終えると三ノ宮に戻る。ホテルに戻る前に夕食を摂る必要がある。ホテルへの帰りの道すがらに見かけた「武蔵」に入店する。

ホテル途中の「武蔵」

 とりあえずウーロン茶を注文するとつきだしの枝豆を頂きながらメニューをチェック。3品ほど頼む。

枝豆をつまみながらメニューを吟味

 まずはベジファーストと言うことで温泉玉子入りのシーザーサラダ。居酒屋とかにはありがちのパターンのメニューだが、まあ普通に美味いサラダである。

定番のシーザーサラダ

 次はカニクリームコロッケ。意外に味が濃厚でなかなか美味い。

濃厚なカニクリームコロッケ

 そして三品目がメインの国産牛ステーキ。タレやらわさびやらをつけて頂いてみるが、それぞれなかなかに美味い。満足感がそれなりにあるメニューである。

本日のメインのステーキ

 かつての私ならさらに三品ほど追加するところだが、今の私にはそれは許されないこと(金銭面と健康面の両面から)。とか言ってさすがにこれだけだと夜中に空腹になりかねないから締めに白身魚の出汁茶漬けを注文。

この出汁茶漬けが絶品だった

 これがなかなか体に染みる美味さ。十分に満足して夕食を終了。以上で支払いは3330円。困窮化が著しい昨今の私にはいささか散財過ぎたか。まあたまの息抜きということにしておこう。

 夕食を終えるとホテルに戻って入浴する。固まっていた体をほぐしておく。あまり歩き回ったつもりはないのに、なぜか身体にかなり疲労が溜まっている。

 ゆったりした後は休憩室でクールダウンしながら原稿執筆作業。こうして就寝時刻までをつぶすことになる。23時前ぐらいにカプセルに滑り込んで就寝する。

 

 

この遠征の翌日の記事

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