大阪にコンサートに繰り出す
この週末はまたも大阪でのコンサート連チャンである。金曜日の仕事を早めに終えるとJRで大阪に駆けつける。私にとっては毎度のことだから全く変化のない通勤経路のようなものである。変わるとしたら目的地がザ・シンフォニーホールかフェスティバルホールかぐらい。
今回は関西フィルの定期演奏会なのでザ・シンフォニーホール。環状線で福島まで移動する。そしていつものようにまるで社食にでも入るように「福島やまがそば」に入店。今回は「ざる定食(750円)」を注文する。
さすがにこの季節になると温そばはしんどい。ざるそばの方がのどごしが良い。とは言うものの、実際には夕食がこれだけだといささか腹が不足気味なのも事実だが、今日は食欲が今一つなので、あまり重いものを食う気にもならない。
夕食を終えるとホールへ。今日も暑いが雨が降ったせいか先週のような灼熱地獄でないのは救い。もっとも屋外を歩いていると、嫌な汗が滲んでくる。
今回は高関健の指揮でブルックナーの5番。飯守が健在なら彼が振りそうなプログラムである。高関は広上淳一、下野竜也らと共に「日本三大風采の上がらない指揮者」の一角であるが、その一方で、彼らと同様にその実力は折り紙付きである。果たしてどのようなブルックナーを聴かせてくれるだろうか。
場内は9割方は入っている。開演15分前に高関が登場してプレトーク。今日は休憩なしの80分ぶっ続けなので、自信のない方は今のうちにトイレへという注意付きである。なおやっぱり今日のプログラムは元々は飯守が振るはずだったものを高関が代演することになった模様。
関西フィルハーモニー管弦楽団 第348回定期演奏会
[指揮]高関 健
[管弦楽]関西フィルハーモニー管弦楽団
ブルックナー:交響曲 第5番 変ロ長調(原典版)
今回は14型に金管3管を加えた拡大編成。いわゆるブルマラシフトという奴である。日頃中規模編成の関西フィルなどがこのような急増拡大編成をすると、往々にしてアンサンブルなどに乱れが生じるものであるが、そのような問題は見受けられず、高関の指揮下で統制の取れた演奏を繰り広げている。特に拡大した金管群がブルックナーに不可欠の重厚さとさらに華々しさを演出している。
第一楽章はそのパワーを生かしてかなりメリハリのある力強い演奏を行う。どちらかと言えばデュメイに鍛えられた繊細なアンサンブルが中心だった関西フィルが、最近になって示しだしている新方向とも言える。
第二楽章の「魔のアダージョ(ブルックナーがあまり得意ではない私はあえてこう呼ぶ)」は美しさを演出。もっともさすがにここになると会場内で落ちている観客も少なくなくなるのはブルックナーの常。私も遠のきかける意識をつなぎとめるのに苦労することに。
第三楽章以降は怒涛の音楽という雰囲気。今まで力強い演奏をしようとすると腰砕けになってしまうことが少なくなかった関西フィルが、一丸となってガンガン行っている印象がある。関西フィルの技量が上がったのか、高関の統率力によるものかは定かではないが、そのままラストまで大盛り上がりで押し切った感がある。高関は良い意味での煽りが上手い。
なかなかの熱演であるので場内の盛り上がりは結構なものがあった。日頃はかなりクールな感のある関西フィルの観客たちも、今回の公演には満足したのか結構声援も飛んでいた。私としてもまずまずの演奏だったと感じたところ。
いつものように新今宮で宿泊
一曲プログラムのためにいつもよりは30分ほど早くコンサートを終えると、いつものように新今宮に移動。この辺りはまるで寮か社宅に戻ような雰囲気もある。宿泊はいつもの定宿「ホテルサンプラザ2ANNEX」。
今回は和室を予約しているが、畳部屋ではなくフローリング改装済みの部屋。この方が掃除のしやすさなどでメリットはありそう。見た目は綺麗だが、床が硬いので布団を敷いた時に若干背中が痛い感がある。せんべい布団ではないのが救い。ただ何かの薬品っぽい臭いがするのがいささか気になる。長年の喫煙部屋を消臭処理でもしたか、それとも改装の時の接着剤か?
今日は実は朝から体調があまり良くなかった(仕事をしている時から食欲はイマイチだし、吐き気もあった)ことから、部屋に着いた途端にグッタリしてしまう。とりあえず布団を敷いて作業環境も構築したものの、何もできずにしばしそのまま布団の上でダウン。しばらく半失神状態の後にようやく起きだしてシャワーだけは浴びたものの、結局は何をする気力もなく、この日はそのまま寝てしまう。
この遠征の翌日の記事