徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

関西フィル定期でデュメイのフランス・スペインものを堪能する

週末ライブ連荘に繰り出す

 さてこの週末は三連休だが、この間に私は三泊四日で大阪ライブツアーに繰り出すことにする。初日の金曜の夜は関西フィルの定期演奏会である。先週はデュメイのセレナードというやや変則的ないずみホール公演があったが、今日はデュメイ指揮の関西フィル正規編成のコンサートになる。

 金曜の仕事を早めに終えるとJRで大阪へ。毎度の事ながらこれが一番疲れる行程だ。予定通りに大阪に到着するとホールに向かうがその前に夕食。と言ってもこの界隈、「サバ6製麺」が撤退し、「イレブン」は移転、「ぶっちぎり寿司」が閉店と相次いで、結局のところは残っているのは毎度の「福島やまがそば」ぐらいしかない。明らかにゴルゴに行動パターンを読まれて待ち伏せでチュドンされるパターンである。

あまりに毎度過ぎる「福島やまがそば」

 何を注文するかに少し迷うが、結局は無難に「親子丼+冷そば」にする。それにしても、ここは元々からあまりボリュームのある店ではないが、さらに一層ボリュームダウンしたような気がする。所謂アベノミクス効果か。死してなお日本に祟る。とんでもない貧乏神である。

親子丼のセット

 

 

 夕食を終えるとホールへ。ホールにはゾロゾロと観客が向かっている。それにしても9月も終盤だというのに未だに以上に暑いが、それでも日が暮れるのは確実に早くなってはいる。

辺りは既に夕闇が迫りつつある

開演までにまだ時間があるので、久しぶりに喫茶でアイスコーヒーを飲みながらマッタリする。贅沢ではあるが、たまにはこういう命の洗濯をしないと精神が持たない。

喫茶で久しぶりにマッタリ

 さて今日のプログラムだが、デュメイ指揮でフランス・スペインものである。ギタリストを迎えてのアランフェス協奏曲もプログラムに入っている。最近は高齢による健康不安もあってか、デュメイのヴァイオリン演奏がなくなっているのはやや寂しい。

 

 

関西フィルハーモニー管弦楽団 第349回定期演奏会

今日は関西フィル正規編成になる

[指揮]オーギュスタン・デュメイ
[ギター]大萩康司
[管弦楽]関西フィルハーモニー管弦楽団

フォーレ:パヴァーヌ op.50
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
ビゼー:「カルメン」組曲〔前奏曲/アラゴネーズ/間奏曲/セギディーリャ/アルカラの竜騎兵/闘牛士〕
ラロ:スケルツォ ニ短調

 先週の編成ではフルートと金管抜きだったので、フルートの椎名さんを久しぶりに拝見することになる。一曲目はその椎名が大活躍の曲。冒頭から物憂げで美しい旋律で魅了する。流石に「怒りの日」抜きのひたすら美しいレクイエムを作曲した人物だけあって、美しくて煌びやかな曲である。それを関西フィルのアンサンブルはシットリと聞かせる。

 二曲目はギタリストの大萩をソリストとして迎えてのアランフェス協奏曲。大萩の音色はテクニカルであり、その演奏には独自のアクセントなどの結構なクセがある。一方のデュメイも結構クセのある演奏をすることで知られている。もしここでそれがかみ合わなかったら悲惨なことになる危険があったが、そこはお互いにシッカリと協調を取っており、エキゾチックムード漂う見事な演奏。

 ソリストアンコールではタンゴ曲だったようだが、こういう曲はまさに大萩の本領発揮何だろう。テクニックを前面に出したなかなかに聞きごたえのある演奏。

 後半はドビュッシーから。ドビュッシー初期の有名曲で、初期作品だけに後の作品のような取っつきにくさはない。印象として普通に美しい曲であり、こういう曲調になるとデュメイに鍛えられた関西フィルの弦楽陣を中心としたアンサンブルが非常に冴える。

 そして次は金管陣まで総出演で華麗なるカルメン。これがただの軽いドンチャン騒ぎにならないところがデュメイたる所以。この曲にあるラテンムードをこれでもかとばかりに正面に押し出してくる。派手なところだけでなく、合間の静かな部分に聴かせ処を持ってきて、関西フィルアンサンブルの見せ場を作るところは、流石にデュメイは心得ている。

 最後はラロの知名度やや低めの曲。スケルツォだけあって展開の速い曲調なのであるが、なかなかに盛り上げる。こうして華麗なる南方の夜は終了である。


 今までドイツ系正統派の演奏が多かったデュメイが、本来の出身地であるフランス情緒を前面に押し出した演奏会。先のいずみホールシリーズといい、デュメイがここに来て関西フィルのアンサンブルを完成の域まで持ってこようとしているのが覗えたが、今回のコンサートなどもそれをもろに感じさせた。終始一貫していたのは関西フィルのアンサンブルの精度の高さ。今まで弦楽陣中心だったそれを、管楽陣も含めたオケ全体に広げようとしているデュメイの意図が何となく感じられたように思える。

 

 

 コンサートを終えると宿泊ホテルへ。例によって新今宮の定宿ホテルサンプラザ2ANNEXである。フローリングの和室を確保している。

新今宮の定宿

 例によってシンプル極まりないが意外に機能的な部屋である。早速仕事環境を構築して原稿執筆・・・と思ったが、そこで力尽きてダウンしてしまう。完全に体も頭も活動を停止してしまっている。

フローリングのシンプル和室

極めて簡素な装備

仕事環境を構築したところで力尽きる

 布団の上でボンヤリとしながらテレビをつけたら、大谷翔平の写真と共に49,50,51とかいう数字が出ている。もうすぐ50-50の偉業を成し遂げると聞いてはいたが、まさかカウントダウンでもしようというのか? テレビは相変わらずだな・・・しかし50でなくて51なのは何でだ? と考えていたら、何と大谷が今日は盗塁2のホームラン3で50-50ならぬ、51-51を一挙に達成したとか。流石にこれには唖然。こいつ本当に人間か? あまりに常人離れしていて、最近は「日本すごい」をしたい奴が作り出したAIキャラなんではないかとさえ思えてきた。あまりにすごすぎてリアリティにかけ、ほとんど漫画の世界だが、実際に大谷翔平の実話を漫画にしたら「いくらなんでも今どきご都合主義が強すぎる」と逆に酷評されそうだ。

 しばしダウンしていたが、やはり汗をかなりかいたので入浴はしておきたい。しばらくゴロゴロしたところで一念発起でようやく立ち上がって大浴場で入浴だけは済ませる。とにかく体のあちこちがガチガチなので浴槽内で丹念にほぐしてから部屋に戻ると、そのま何もできずに完全ダウンする。

 

 

この遠征の翌日の記事

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