徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

遠征最終日は川瀬賢太郎指揮のアンサンブル金沢

疲労が溜まりすぎて、朝からダウン

 昨晩の眠りはあまり状態が良くなかった。とにかく上の部屋が異常にうるさい(部屋の中で秋場所でも開催しているのかというぐらい)というのもあったが、そもそも体調が良くなくて眠りが浅くなっている。結局は寝ているか寝ていないか分からないような状態で目が覚めたのが朝の6時半。とは言うものの起き上がる気力もなく、結局はそのまま布団の上で横になって朝食を摂りに出かける気力もないまま、延長したチェックアウト時刻の12時前までグダグダと過ごす。

 今日はアンサンブル金沢の大阪公演が14時から開催というのだけが予定。それにしても我ながら体力や行動力が低下したものだ。東京に遠征して美術館を1日に10箇所ハシゴした30代や、地方遠征して山城を1日に5箇所以上駆け回った40代とかの体力が懐かしくなる。やっぱり本人の感覚とは違って、確実に体はジジイになっているようだ。とにかく連日行動するというのがキツいし、一晩寝ても疲れがスッキリ取れることがなくなった。認めたくないものだな、加齢故の衰えとは・・・。

 12時過ぎにチェックアウトすると、会場であるザ・シンフォニーホールへ。さて問題となるのが昼食だが、正直なところこれと言って食いたいものもなければそもそも店もない(それでなくても少ないこの界隈の店の多くが祭日休み)。仕方ないのでかなり久しぶりに「上等カレー」を訪問する。

かなり久しぶりの上等カレー

 カツカレー(1000円)を注文。記憶にある味である。以前から不思議なのは、カレーに玉子は邪道と考えている私が、ここのカレーは玉子が合うことを認めざるを得ないこと。ただやはり今は体調が悪すぎる。カレーを完食する気力はなく少し残すことに。

このカツカレーが今の私には少々重かった

 

 

 昼食を終えるとホールへ。開場まではまだ十数分あるが、既に会場入口前で整列して待っている人が。これも日本人の奇妙な習性ではある。開場時間になるとゾロゾロと入場。

これが日本人の習性

 とは言うものの開演までは1時間ある。結局は喫茶でつぶすことにする。ドリンクだけでは寂しいが、サンドイッチを食べる気力もないのでケーキセットにする。

ケーキセットで一息つく

 アイスコーヒーでチーズケーキを頂きながら、この原稿を執筆しつつのマッタリタイム。かつての常に遠征を最小費用でクリアすることを考えていた私からすると、とんだ無駄遣いで堕落そのものなんだが、今の私にはあの頃と違ってすべてをパワーで解決する若さがもうなくなっている。高齢者というのは、自身で自身をいたわることも必須になってくるようだ。

 

 

オーケストラ・アンサンブル金沢 大阪定期公演

小型オケのアンサンブル金沢に合わせた配置になっている

[指揮]川瀬賢太郎
[ピアノ]三浦謙司
[管弦楽]オーケストラ・アンサンブル金沢

サン=サーンス:交響詩 「死の舞踏」 op.40
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
ブラームス:交響曲 第2番 ニ長調 op.73


 一曲目はサン=サーンスの「死の舞踏」。おどろおどろしいタイトルだが、実際にはユーモア溢れる軽妙な曲だ。お化けが夜に墓場で運動会しているような鬼太郎ワールド的な曲。コンマスのソロバイオリンが縦横に活躍するのがなかなかの見せ場。

 ところでコンマスは二台の楽器を用意してとっかえひっかえで演奏していたのだが、調べたところこの曲では独特の音の組み立てでソロバイオリンを目立たせるために、あえて調弦を変えたバイオリンを使用するそうだ。つまりソリストはその変調バイオリンと通常のチューニングのものをとっかえひっかえで演奏していたということか。こりゃ大変だ。

 軽妙な一曲目の次はピアニストに三浦謙司を迎えてのラヴェルのピアノ協奏曲。これもまた軽妙というか、ラヴェルらしいいかにもジャズ的な曲。三浦の縦横なピアノ演奏が冴え渡るが、曲調自体は私の耳にはやや下品に聞こえるところもある(もろにキャバレー音楽のような部分もあるし)。そのような世俗もすべてひっくるめて、テクニックで押しまくる演奏である。

 やや軽妙で俗な曲を軽快なタッチで披露した後は、アンコールではショパンの「雨だれ」をしっとりと。しっかり表現の幅を見せつけてくれる。

 休憩後の後半はブラームスの交響曲第2番。一転して重厚な曲なんだが、まあ重厚なブラームスの交響曲の中では比較的軽やかさもある曲ではある。そして川瀬とアンサンブル金沢はその軽妙で美しい部分に光を当てているタイプの演奏。とにかく美しさが際立ち、その名に恥じないアンサンブルを聴かせてくれる。

 もっとも川瀬自身のアプローチとしては比較的平凡なところもある。今時の若手にありがちのやたらに個性を主張するというところはなく、オケの技倆を活かして無難かつ手堅い演奏という印象。まだまだ若手の割にはやけに老成感のある演奏とも言える。

 以前にも感じたがアンサンブル金沢は8-8-6-5-4型の2管編成と明らかに小型のオケなのであるが、ホールの音響も味方に付けてパワー不足を一切感じさせないのは立派なところである。また小型オケの長所となり得るアンサンブルの良さも遺憾なく発揮していたようである。流石に北陸の雄。今後の更なる発展を期待したい。

 

 

 ところで能登では正月の地震の次には、今度の洪水と踏んだり蹴ったりの状態(にも関わらず政府の対応は非常に鈍い)であり、今回の公演でも休憩時間に川瀬自らがバケツを持って寄付を集めて回っていた。最終的には90万円以上集まったようであるから、来場者のほぼ全員が1人平均1000円を寄付した計算か。これは見ていた私の感覚とも一致。寄付をする人はほとんどが札を入れていたようだし、また寄付を無視する人もほぼいなかった。捨てたものでもない日本人もまだまだいるというわけである。なお私は平均的観客の一人。

なかなか集まったものだ

 これで三泊四日の週末遠征は終了。明日は仕事もあることだし帰途につくのである。それにしてもいささか疲れた感がある。明日の仕事は大丈夫だろうか?

 

 

今回の遠征の前日の記事

www.ksagi.work