結局は昼までゴロゴロしてしまった
翌朝に一旦気付いたのは朝の5時。しかしそこから二度寝して、次に気付いたのは7時。ここで一旦起きだして朝風呂で体をほぐす。しかしやはり昨日のダメージが残っているのか何かをするという気は全く起きない。結局はそのまま朝食に出かけることもなくチェックアウトの11時前までゴロゴロと無為に過ごす。
チェックアウト時間が迫ってきたところで追い出されるようにホテルを出る。さて遅すぎる朝食だが、なぜか気分はうどん。そこでさんちかまでプラプラと出向いて地下の「丸亀製麺」できつねうどんを頂く。
何か麺は以前と変わらない気がするのだが、最近はここは出汁の味が落ちている気がする。ステルス値上げで材料を落としたのではないだろうか。近年はセブンの上げ底弁当などが話題になっているが、物価高騰と貧困化の二重攻撃で、あちこちの商品のレベルが低下している。これもアホノミクスの悪影響。あの貧乏神は日本をとことんまで破壊した売国奴である。
朝食を終えて表に出ると向かいの「亀井堂」が気になる。結局はここで宇治金時ドーピングすることにする。
最近は夜には涼しさを感じるようになってきたが、まだまだ昼間はかき氷が清々しいという微妙な季節である。とりあえず氷で体内からさっぱりすることにする。
さて今日の予定だが、メインは西宮の兵庫芸文で開催されるグリーン交響楽団のコンサート。ただそれまでに若干の時間の余裕がある。そこで今まで訪問したことのない美術館に立ち寄ることにする。阪急に飛び乗ると芦屋川まで移動。向かうのはここの北にある滴翠美術館。
美術館はいわゆる山手の高級住宅街の中にある。ダラダラと続く登り坂なので、地図で見る距離よりは身体にキツい。若干疲れた頃に現地に到着する。
「千利休〜今に残る茶聖の美学〜」滴翠美術館で12/8まで
茶の湯を大成させた千利休。彼の佗茶のスタイルを現す茶道具などを展示すると共に、彼と交流のあった茶人達ゆかりの茶道具を紹介する。
利休の茶道具に関しては明確に彼のスタイルを伝えるものが多い。余計な飾り立てがなくてシンプルにして味わい深い。そしてやはり黒系が中心。精神的な深さを感じさせるものではあるが、私のような下品な人間にはいささか説教臭さも感じられなくもない。
利休周辺の茶人達となれば、やはりもう少し多様になってくる。やはりそれぞれに好みというものがあるのだろう。利休に感覚が近い人物もいれば、明らかに遠い人物もいる。そのような多様さが目を楽しませてくれるところがある。
とは言うものの、やはり私の場合は利休の直系の弟子にして利休とは全く異なる感性を示した織部のものが一番面白く感じるのは事実。自由にして奔放。現代アートにも通じるその感性はある意味で桃山の奇跡とも感じさせるのである。
美術館は山の手の斜面にあるので、ベランダに出ると市街の風景が見える。向こうの丘の上に見えるのはフランク・ロイド・ライトが設計したというヨドコウ迎賓館。一般公開もあるようだから立ち寄って見ることも考えたが、今からだと時間不足のようだし、あの斜面を登っていく体力もない。ここから真っ直ぐ飛んでいけたら良いんだが・・・。
滴翠美術館見学後は、芦屋川駅の南にあるという俵美術館を訪問・・・したのだが、何やら入口が閉まっていて休館している模様。確か今日は休館日ではないと認識していたのだが・・・。私の事前調査が甘かったか。
仕方ないので西宮に移動することにする。とは言っても西宮に到着した時にはまだ開場時刻前だったので、朝からうどんだけでやや腹が寂しいこともあってケンタに立ち寄って、チキンフィレサンドと名乗っていた頃からは見る影もないぐらいに小型化したチキンバーガー(これもアホノミクスの産物か)を腹に入れて凌ぐことに。
ケンタを出た頃には開場時刻になっていたのでホールに向かう。ホール内はそこそこの入り。グリーン交響楽団は初めてだが、どうやら社会人集団から結成されたオケの模様。創立が1988年とのことだから、歴史はそれなりにあるようである。
グリーン交響楽団 第36回定期演奏会
指揮:安野英之
出演:グリーン交響楽団
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 op.74「悲愴」
メンデルスゾーン:交響曲第4番 イ長調 op.90「イタリア」
ロッシーニ:歌劇「セミラーミデ」序曲
一曲目はロッシーニだが、正直なところかなりキツい曲だ。というのもこのオケについては最初の音合わせを聞いた時から「?!」という印象を抱いたんだが、最初に懸念したように管楽器がかなり弱い。まあ管楽器でもホルンなんかはプロでもしょっちゅうしでかしがあるぐらい難しい楽器らしいからアマなら仕方ないとも言えるのだが、やはりこのホルンソロが極めて不安定で正直かなりしんどい。また不安定なのはホルンに限らず管楽器全般に及び、弦楽陣なども旋律が錯綜してくるとアンサンブルがやや怪しくなる。そのせいで全楽器が微妙なズレを抱えたような状態になり、いささかガチャガチャしたうるさい印象の演奏になってしまった。
二曲目のイタリアは、管楽器の人数を絞り込んだのが幸いしたのか、先ほどよりは安定感が増した。また弦楽陣も分かりやすい旋律に乗せて演奏する場合には安定性が増す。特に二楽章、三楽章などはそれなりに美しく聞かせることが出来たように感じられる。
最後の悲愴だが、それにしても難しい曲にチャレンジするものだ。このオケの場合、アマオケにはありがちなのだが、どうしてもピアニッシモをピアニッシモに絞りきれないところがある。そのために全体のメリハリが薄くなって一本調子の演奏になりかける局面が多々。さらに一曲目でもあった各楽器の微妙なズレというものも感じられる。特に金管陣がやや先走りしようとする傾向が見られ、それが何となく全体の不安定感につながる。そして強音になると先ほどの微妙なズレからどうしてもやかましくなってしまう。
今回の公演でもっとも安定して良い演奏だったのは、アンコールで演奏された「白鳥の湖よりワルツ」であろうか。ノリの良い曲をノリに乗って演奏する時が、このオケは弦楽陣を中心にグッと安定性が増すようである。ノリで演奏するタイプのオケということだろうか。この曲に関してはまずまずの演奏だった。
以上で今回の遠征は終了である。疲労もかなり溜まっているし家路につくことにする。
今回の遠征の前日の記事