今日は生憎の雨
昨夜は加齢からくる睡眠力の低下もあってかあまりよく寝れたとは言えないが、それでもいつもの起床時刻と同じぐらいに自動的に目が覚めるという、永年のサラリーマン生活で刷り込まれた悲しい習慣。どうやら今朝は結構な雨のようである。どうもこれはいかん。太陽光エネルギーで動いている華奢ーンこと私は、これでは気分が重くなって仕方ない。
手早く着替えるととりあえずは朝食のために1階に。このホテルは簡易朝食があるというが、確かに簡易である。トーストに小型のチキンラーメン(スープ代わりか?)にコーヒーという内容。まああるだけマシってところか。とりあえずは腹に燃料を入れておく。

簡易朝食を終えると部屋に戻ってとりあえずシャワーで体を温めて活動準備。まずまず悪くないホテルだったが、近くに朝食を出す店があったら朝食は外に行きたいところでもあった。なおPCは使えない状態だし、部屋に長居しても仕方ないので9時過ぎにはチェックアウトする。
今日の主目的は京都市響の定期演奏会だが、その前に立ち寄るところがある。まずは嵐山の福田美術館が最初の立ち寄り先。京都駅から地下鉄で四条に移動。そこで機動力を削ぐキャリーはコインロッカーに預けて、阪急で嵐山まで移動する。


到着した嵐山は生憎の雨天で周囲が煙っている。そのせいかいつもよりは若干観光客が少なめだが、それでもインバウンド勢を中心に結構な混雑。そこをかき分けて福田美術館へ。

「京都の巨匠・木島櫻谷 画三昧の生涯」福田美術館で7/6まで

京都に生まれた木島櫻谷は、16才から花鳥画を得意とする今尾景年に師事、さらに歴史画を得意とした菊池容斎に私淑し、洋画家の浅井忠と交流するなどして自らの画業を深めていったという。第一会場にはこれら関係ある画家たちの絵と、櫻谷の絵が展示されている。






さらには画壇で頭角を現した若き時代の作品などを展示。



数々の受賞などで巨匠となった櫻谷だが、他人との交流をあまり好まず京都の外れにある衣笠に移住しての隠居生活を送りながら、画家としての活躍も行うという状況になる。第二展示室には巨匠としての櫻谷の作品を展示。






また岸竹堂との共作で、100年ぶりに発見されたという「嵐山清流」も展示してある。


福田美術館の見学を終えると、第二会場である嵯峨嵐山文華館も訪問する。こちらには衣笠で隠居した櫻谷の元に集結し、「絵描き村」を形成した若手画家たちの作品が展示される。








二階展示室には「画三昧」の生涯を送った櫻谷の様々な作品を展示。





なかなかに見応えのある内容で堪能した。これで嵐山での予定は終了である。さて京都市響のコンサートは14時半開演、現在の時刻は11時過ぎ。もう一箇所ぐらい立ち寄ることは可能だろう。ここで立ち寄ることにしたのは相国寺。相国寺と言えば承天閣美術館だが、今回の目的はこれではない。現在相国寺で法堂などの特別拝観をしているとのことなので、これが目的。
相国寺の見学前に、学生街の食堂で昼食
嵐電から地下鉄へ乗り換えて、今出川に到着した時にはちょうど正午頃。そこで相国寺の拝観前にまずは昼食を摂ることにする。以前にも訪れた「柳園」に立ち寄り、以前に気になっていた豚汁定食を注文することにする。

しばし待った後に到着した豚汁を見て絶句。これって豚汁か?・・・ 豚汁と言うよりは豚肉入り野菜炒めの味噌煮という趣。とにかく野菜タップリでボリューム満点。流石は学生街の食堂か。味付けがややしょっぱめに感じるのがやや難点だが、白ご飯と合わせるとバランスは極端には悪くない。とにかく腹一杯になる定食である。

相国寺を見学
満腹になったところで相国寺の見学へ。今回特別拝観で公開されているのは法堂と方丈と開山堂だという。

法堂は相国寺が足利義満によって建立されて以降、戦乱などで何度も焼失しており、現在のものは徳川家康が命じて豊臣秀頼に再建させたものだとのこと。狩野元信による鳴き龍が最大の売り。残念ながら堂内撮影禁止だが、とにかく圧倒的迫力なので百聞は一見にしかず。また堂内の特定のポイントで手を叩くと、それがビンビンと反響するという仕掛けで、これがいわゆる鳴き龍。実際に試してみると良く鳴いている。またこの龍は八方にらみと言って、本堂のどこにいても龍が睨んでくるんだとか。確かに威圧感は半端ない。さらには花天井といって草花を描いた60枚の天井画があり、これはこの度初公開だとか。なかなかの見物である。


さらに方丈もやはり何度も焼失しており、現在のものは天明の大火の後に開山堂などと共に再建されたものだという。実に見事な襖絵が圧巻であるが、裏手の庭園も見物。なかなかに荒々しい趣の庭園である。


開山堂には建立や再建に重要な役割を果たした人物の木像などがあり、足利義満像などもある。またここは白砂の庭園が美しい。


私は宗教的な部分は基本的に興味がないのだが、狩野元信の蟠龍図に方丈の襖絵など、純粋に美術品として堪能できるものが多数あり、また庭園なども楽しめた。これはなかなか訪問の価値ありである。
一息つくために「お茶」する
相国寺の見学を終えたがまだ時間に余裕がある。何やらお茶したい気分。というわけでそのものズバリのお茶をしに行く。この近くの俵屋吉富の京菓子資料館を見学、そして雲龍と抹茶を頂く。ああ、落ち着く。それにやっぱり雲龍美味い。




そろそろ開演時刻が近づいてきたのでホールに移動することにする。今回の公演は700回記念定期とのことで、ハインツ・ホリガーを迎えての公演となる。


京都市交響楽団 第700回定期演奏会

[指揮・ピアノ]ハインツ・ホリガー
ホリガー:エリス ―3つの夜の小品(ピアノ独奏版&管弦楽版)
ホリガー:2つのリスト作品のトランスクリプション ―「灰色の雲」「不運」
武満 徹:夢窓 (初演40周年/京都信用金庫創立60周年記念委嘱作品)
シューマン:交響曲 第1番 変ロ長調 op.38 「春」
一曲目はホリガーの自作曲をまずはホリガーのピアノ演奏で聴いて、次にホリガー自身による管弦楽版を続けて聴くという趣向。曲自体はいかにも現代音楽的で正直なところあまり私の興味が湧く曲ではないのだが、オケ版になった時に様々な楽器を使うことで音色が煌びやかになるのが興味深いところ。
二曲目はリストの晩年のかなり無調性に近い状態になった時期の曲をホリガーがアレンジしたもの。正直なところこれも私にはあまりよく分からない。印象としては一曲目と同じような曲に聞こえる。
ここで15分の休憩があり、この間にステージ上は大幅に組み替え。弦楽陣が対抗配置と言うよりも、コントラ、チェロが左右に分配された左右対称配置に組み替えられている。この状態で演奏されるのが武満。
武満も私にとってはあまり得意ではないジャンルなんだよな・・・。キラキラとしてフワッと一体化したオケが奏でる音色はそれなりに面白くはあるんだが、肝心の音楽が私にはあまり惹かれるものでない。もっともそれは場内の観客の多くも似たり寄ったりなのか、周りを見渡すとガックリと首が落ちている者が少なからず。
この後、再び15分の休憩があって、この間にまたステージ上は大幅な組み替えで、最終的にはオーソドックスな12型オケ配置になって、シューマンの「春」というようやくオーソドックスなプログラム。
しかしホリガーの演奏はオーソドックスに行かない。テンポやアクセントに独特のものがあるかなりクセの強い演奏。さらにはヴィブラートをあまり効かさないやや硬質な音色も特徴。速めのテンポでサクサクと進めるかと思うと、いきなりテンポをストンと落としてくるなど変化も激しい。正直なところ聞き慣れたはずの「春」が全く別の曲に聞こえる。
まあ違和感はかなりあるんだが、これはこれでありの演奏ではある。ホリガーは自身で作曲もしてるだけあって、相当の曲者のようだ。それにしても京都市響、記念公演にしてはかなりマニアックなのを持ってきたな・・・。
宿泊はカプセルホテル
コンサートを終えると地下鉄で四条まで移動。ここでキャリーを回収すると河原町方面へ地下街を歩く。今日の宿泊ホテルは実はルーマプラザというサウナを押さえてある。やはりカプセルホテルは少ししんどいことと、大昔にここに宿泊した時になぜかあまり良い印象が残っていなかったことから今まで避けていたのだが、昨今の特に週末の宿泊費高騰で選ぶ余地がなくなった次第。
それにしても四条から河原町は意外と遠くて疲れる。延々と地下通路を歩くのも気分的にツラい。これで人がいなかったら精神を病みそうだ。かといって恐らく地上は激混みでそれもツラい。
阪急河原町駅を通過して、鴨川を渡ってしばし歩くとようやくルーマプラザに到着する。カプセルルームのフロントは3階だが、既に全室満室の表示が出ている。なるほど、予約を取るのも一苦労なようだ。


エレベータで3階に到着すると、何やら以前にかすかに残っていた記憶による印象と雰囲気が違う。ありゃ?記憶違いかな?などと考えつつチェックイン手続きを済ませると、ロッカーに入らないキャリーは預けて、館内着に着替えるととりあえず入浴して汗を流しておくことにする。
サウナの受付は6階。サウナと言いつつ浴槽も多い。そして屋上に展望露天風呂が出来ている。確か以前に来た時にはこれは無かったように思う。それで何となく浴場が狭くて陰気くさい印象が残っていたようだ。
浴槽に浸かってしばし疲れを抜く。屋上には信楽の湧出水を使用したという「ルーマの湯」なる浴槽がある。要は地下水の沸かし湯のようだが、これが実に心地よい。肌がヌルヌルするところからアルカリ冷泉のようである。男性専用サウナらしく「男前の湯」との表記があるが、まあこれは一般的に「美人の湯」と言われる泉質である。最近は腰の具合が怪しいので主にそこを中心にほぐす。「ああ、極楽」というジジイ臭い言葉が出そうになる。しかし体の調子があちこち悪くて、マジで極楽が近くなってきた(地獄の可能性もないではないが、地獄に落とされるほどの悪事をした記憶はない。今頃阿鼻地獄に落ちている安倍じゃあるまいし。)昨今では洒落にならん。

入浴してくつろぐとそろそろ腹が減ってきたが、夕食のために着替えて外出するのも面倒である。そもそも夜の繁華街は「飲む打つ買う」のいずれもやらず、歩く道徳教科書と言われている品行方正な私(笑)には相性が悪い。ここに来る途中で覗いた飲食店もことごとく京都価格というかボッタクリばかりだったし、面倒くささが極まったので館内のレストランで済ませることにする。
レストランでメニューをパラパラと繰っていると、カツ丼(1100円)があったのでこれを注文。まあこういうところのお約束で、美味くも不味くもない。CPが良いとは言えないが、ボッタクリでもない。添えられているのが一応豚汁というのも何気にポイントが高い。

カツ丼だけだと寂しいので冷や奴(300円)も追加注文。しっかりした豆腐は私好み。

とりあえずこれで夕食は終えたものの・・・どうにも満足感がない。何かお茶したい気分だが、ここのレストランには生憎とデザート系が皆無。そこでザッと検索したところ、まだ開いている喫茶店がある模様。そこで外出することにする。それにしても外出が面倒だからここで夕食を摂ったのに、一体何をしているのやら・・・。
出かけて都路里に立ち寄ることに
館内着から着替えるとフロントに鍵を預けて外出。さあ、目的の喫茶店へ・・・と歩き出したところで数軒隣の「都路里」が目に入る。まだ営業している模様。喫茶室は・・・営業中。それも時間をはずしているせいか待ち客もいなさそう。急遽ここに入店することにする。

注文は「特選都路里パフェ」。いわゆるてんこ盛りメニューである。しばし待った後にパフェ登場。そうそうこれこれ。自然にテンションが上がる。今まで何度か京都駅ビルの都路里を訪ねたが、その度に行列で断念してきていたのでようやくの巡り会いである。

流石に美味い。これこそが都路里のパフェ。ようやくここ最近の懸案の一つ解決である。パフェを堪能するとしばしマッタリと落ち着く。
ようやく人心地つくと、ホテルにインターネットコーナーがあったので、そこに引きこもってPC抜きの簡易仕事環境構築。しばしはそこで執筆作業に打ち込む。

一渡りの原稿作成が終了すると、再度入浴をして体を軽く温めておく(ここで温めすぎると寝付きが悪くなるので程々に)。そしてカプセルに潜り込むとゴロンと横になる(ここでも昨晩と同じチェックをしたのは言うまでもない)。ゴロゴロしながらタブレットを操作していると、強烈な眠気でタブレットを顔面に何度か落下させる状況になったので、日付が変わる前に就寝する。
この遠征の翌日の記事
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