今日も元気だ朝飯が美味い
翌朝は目覚ましをかけた8時まで爆睡していた。起きだすとまずはとりあえず朝食である。おかずには豚バラ大根なんかもあってガッツリ食える(昨日の昼食も豚バラ大根だった気はするが)。これもこのホテルのポイントの高いところである。

朝食を腹に入れるとルーマの湯へ。朝から露天風呂が心地よい。アルカリ天然水の男前の湯で朝から男っぷりをあげておく。
さて今日の予定だが、メインは西宮でのPACオケの定期演奏会。PACオケは今月からが新シーズンだから、新体制でのお披露目コンサートになる。後は西宮に行く前に一か所立ち寄り。
コンサートの開演は15時からなので、立ち寄り先が一か所であることを考えるとそう急ぐ必要はない。入浴を終えるとしばしネットブースに立て籠もって昨日仕上げた原稿をアップ。なんかやっぱり私の日常って休暇先でも仕事のことを忘れられない猛烈サラリーマンみたいなんだよな・・・。「仕事は遊ぶように、遊ぶ時は真剣に」というのが私の座右の銘でもあるが、確かに必死で仕事しているときは「暇そうですね」と言われて、遊びまわっている時は「お仕事ですか」と言われる。
伊丹に立ち寄る
ホテルをチェックアウトしたのは10時半ごろ。昨日よりは体調は良くなっているが、やはりこの暑さはなかなか堪える。荷物を抱えて京都河原町まで移動すると、そこから特急で西宮方面へ。ただし途中で塚口で乗り換えて伊丹ミュージアムに立ち寄るのが今日の予定。
塚口から伊丹までは起終点含めて4駅の盲腸線。一応複線のようだが、この時間帯は四両構成の一編成がピストン運転されているようである。沿線は住宅街のただ中で、終点の伊丹駅はビルの3階に入っておりちょっとしたターミナルになっており、利用客も結構多い。なおこの路線、私は以前に全国鉄道乗りつぶしの時に乗車しているはずなのだが、それがとにかく前であるので記憶に全く残っていない。


伊丹駅前で名店発見
伊丹駅に到着するとここから荷物を引きずりながらミュージアムへ。しかしもう昼時なので途中で昼食を摂ることにしたい。店は事前にいくつか候補を絞っていたが、気分に合わせて「ハンバーグ&ステーキ LOG's」に入店する。

4人掛け席が10席ほどの店内にはそこそこ客が入っている。私が注文したのは「和牛ハンバーグ150グラム(1180円)」。ライスとサラダにスープは付属するらしく、私はライス小を注文。
しばらくしてサラダとスープが出てくる。特別に凝ったものではなく、オーソドックスであるが意外に悪くない。

その後にハンバーグが到着。切ってみると圧力をかけた際に肉汁が滲み出るが、中までキチンと火が通っている。これには感心する。というのもどこかの馬鹿が肉汁が出てくるハンバーグが至高のように触れ回ったせいで、肉汁を出すために中身が赤いままのハンバーグを出す店が増えていたからである。ステーキ肉ならともかく挽肉であるハンバーグでこれをされると食中毒の危険さえある。また要は肉汁が出れば良いんだろうと、つなぎをたっぷりと入れて肉汁ならぬ野菜汁が滲み出てソースがベチャベチャになってしまうようなハンバーグも少なくない。昨今の私はこんな出来損ないハンバーグの氾濫に閉口していたのである。

ここのハンバーグは過剰な肉汁が流れ落ちることもなく、それでいて肉汁十分なのでパサパサせずに柔らかいハンバーグである。ただこういうシンプルなハンバーグは、シンプルさゆえに肉質がもろに味に出てしまう。だからオージーなんかを使うチェーンレストランではこのタイプのハンバーグにしたら味も素っ気もなくなって誤魔化しがきかなくなるので敬遠するもの。このタイプのハンバーグで勝負するということは、肉質に自信があるということだろう。伊達に和牛を名乗っていないということか。確かにシンプルでありながら肉の旨味が良く出たハンバーグである。それでいて良心的価格であるのだから驚き。この価格は駅ビルのテナント店とかでは不可能だろう。

思わぬ場所で思わぬ名店に出会って満足というところ。こういう出会いがあると気分も上向くというものである。暑さが身に染みるものの気分は軽やかにミュージアムまで移動する。

「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」市立伊丹ミュージアムで10/13まで

タビオ・ヴィルカラはフィンランドモダンデザイン界の大物である。1946年にイッタラのデザインコンペで優勝して同社のデザイナーに起用されてから、ガラスに限らず磁器、銀食器、宝飾品、照明、家具、紙幣、グラフィックなどあらゆるジャンルと素材を活かしたデザインを生み出してきたという。ちなみに彼の妻はやはりこれもフィンランドデザインを代表する作家として有名なルート・ブリュックである。

第一展示室には彼の工業デザイン製品が展示されている。確かに驚くのはその素材の多様性。彼はあらゆる素材を活かして洗練された製品を設計したようである。そのためには彼自身が素材を手にして様々吟味したらしい。彼のデザインはいかにもフィンランドデザインらしく、シンプルにして機能的、それでいて高度に洗練されているという特徴を持つ。







第二展示室は実用デザイナーとしてではなく、芸術家としてのオブジェを展示。ここでも彼は職人の技巧を駆使して斬新で芸術性の高い作品を制作している。これは彼自身も素材に対して通じていることが必須であるのは明らかである。なお以前よりフィンランドデザインは日本人と感性の近いものがあるように感じていたが、今回はさらにそれを濃厚に感じることになった。








第三展示室は彼がヴェネチアのガラス工房のデザイナーとして、ヴェネチア職人を使って制作した作品。保守的なヴェネチアの工房が外部のデザイナーを迎えることは極めて異例だというが、彼はミラノ・トリエンナーレで2回連続の3冠を成し遂げるなど、イタリアでの活躍もそれ以前にあったのだという。色鮮やかなヴェネチアンガラスを駆使しての彼のデザインセンスがさらに冴えわたっている。





以上、フィンランドデザインには以前よりシンパシーを感じていたが、それをさらに深めた展覧会であった。
なお伊丹ミュージアムではタピオ・ヴィルカラ展に併せて戸田勝久展も開催されていたので、そちらも併せて見学した。

戸田勝久は1954年生まれで、アクリル画、銅版画、南画などを学び、1978年に挿絵画家としてデビューしてから、各地で個展などを開催して活躍してきたという。また彼は与謝蕪村の書画に傾倒して、句と書と画が一体となった俳画の世界に憧れてきたという。
とにかく多彩で何でもやる人物という印象だが、そのアクリル画はかなりしっかりとした作品であり好感を持てる作風。そこに流れる幻想的で独特の詩情が蕪村に触発されたというものだろうか。また銅版画についても完成度は高い。
蕪村に傾倒したというように、いかにも蕪村的な作品まで描いている。とにかく多彩であるという印象。もっともそのように多彩な人物は、往々にして単なる器用貧乏に落ちてしまいがちであるのだが、その点では彼は全てにおいて一定レベルをクリアしているのは驚きではある。ただいずれは彼が本当に目指すべきものに向かって、収斂していくことになるのではと感じてはいるが。
美術館の見学を終えたところで、PACの開演時刻が気になってきたのでホールに直行することにする。
PACオケの新シーズンは欧米流で9月からになる。元々奏者の育成を目的としているこのオケは、メンバーは最長で在席が許されるのは3年であり、それを過ぎると各々が独立した演奏者として巣立っていくことになる。今年も10数名のメンバーの卒業及び新規加入があったらしい。

PACオケ第162回定期演奏会 佐渡裕 渾身のオール・ブルックナー!

指揮・芸術監督:佐渡 裕
ソプラノ:並河 寿美
メゾ・ソプラノ:清水 華澄
テノール:小原 啓楼
バリトン:青山 貴
合唱指揮:矢澤 定明
合唱:ブルックナー「テ・デウム」合唱団
管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団
<オール・ブルックナー・プログラム>
交響曲 第0番
合唱曲「キリストは従順であられた」
テ・デウム
今回のプログラムはオールブルックナーという仕掛け。最初はブルックナーの番外交響曲。最初はこの曲はブルックナーが1番を書く前に習作として書いたものと考えられていたが、近年の研究では1番の完成後に2番の前に制作されたものらしいことになったようだ。ということは本来はこれが2番になるべきだったのだが、ブルックナーのどういった気の迷いか、この曲は発表されずにお蔵入りになってしまったらしい。とにかく人の意見を聞きすぎるブルックナーなので、誰かに酷評でもされて自信を失ったのかもとの説もある。ただそこで破棄せずに、スコアは残したまま後に「ヌルテ」と表紙に記したらしい。つま不採用とかそういう意味らしい。とはいうものの、破棄しなかった辺りにブルックナー本人としては本音としてはそんなに出来が悪いとは思ってなかったのかもしれない。
かくいう経緯があるのであまり演奏機会が多い曲ではない・・・はずなのだが、どうも私の場合は珍曲マニアの下野のコンサートなどに行くせいか、この曲は今まで数回聞いたことがある。で、この曲に対する私の正直な感想は「いかにもブルックナーらしい部分は多々あるが、曲としての完成度はあまり高くない」というものである。特に第一楽章などまとまりがなくて無駄に冗長であるように感じられる。
実際に今回の佐渡指揮のPACの演奏でもそのことが感じられた。演奏自体は悪くないが如何せん曲が退屈なのである。第一楽章などはひたすら冗長で散漫。第二楽章は美しいのだがインパクトがないせいで眠気を誘う。
曲としてらしいのは第三楽章。この緊迫した音楽は後のブルックナーの交響曲を連想させる。また長すぎないのも良い。最終楽章はなんか途中であらぬ方向に行きかけている感はあるがまあこんなものか。というわけで所詮ヌルテはヌルテというのが正直な感想である。
なお新生PACの演奏であるが、初っ端からなかなかまとまりが良いのを感じた。昨年のPACは初っ端はもっとバラバラだった印象があったが、今年の新メンバーは優秀なんだろうか。もっともまだ突き抜けた部分が見えてないので、その真価は未だはっきりしないが。
後半はブルックナーの声楽曲。まずはアカペラの合唱曲から。非常に美しい曲で、ブルックナーの本領は宗教曲だったのかと思わせられる内容。
そしてテ・デウム。荘厳で重厚でそれでいて激しさも含む壮大な曲である。いつものブルックナーの交響曲に声楽部を加えたという印象。実際に彼の交響曲で耳にしたブルックナーフレーズとでも言うべき節回しも聞こえてくる。ここで私は初めて、これこそがブルックナーの本領だったのだと気づかされた。教会のオルガン奏者だったブルックナーとしては、まさに彼らしさが発揮されるのはこういうジャンルだったか。実は今までブルックナーの交響曲を聞くたびに「何かが足りない」という感があったのだが、どうやらそれは声楽部だったのかもしれない。交響曲に声楽部を加えたというよりも、実は彼の交響曲は合唱曲から声楽を引いたものだったのかもしれない。
圧倒的なサウンドに圧倒されて感動させられているうちに終わってしまった。今回はオールブルックナープログラムで、ブルックナーとはいかなる作曲家かを伝えることが目的だったのか。何となく佐渡の策略にまんまと嵌められた気もするが、私としてはこれはこれで貴重な体験であった。
コンサートを終えると今日の宿泊ホテルに向かう。今日宿泊するのはJR難波駅近くのJ-SHIP難波というカプセルホテル。JR難波は他の難波駅からやや離れた位置にあるので、JRで行こうとしたら、新今宮で折り返しの乗り換えになる。難波に向かう本数が少ないせいでここでしばし待たされる。
難波駅もかつてはミナミの中心で、大阪の和歌山や奈良方面への玄関口だったはずなんだが、今はこれらの路線もキタの方に集約されてしまい、環状線から外されているせいもあって今では奈良方面行きの普通が1時間に4本だけというかなり寂れた駅の印象になってしまっている。まさに地盤低下が懸念されているミナミの象徴のような空気がある。
地下駅の地上にはバスターミナルの入るビルがあり、ここの5階にレストラン街があるとのことなので、夕食はそこに立ち寄ることにする。しかしビルを登ってみたらこれもまた活気がない。どの店も客がいないということはないが、夕食時にも関わらす満席からは程遠い状態で大繁盛とは言い難い感がある。これは下手したら遠からずシャッター街になってしまう予感もないではない。そんな中で見かけた中華料理店「中華酒家旺宴」に入店する。

オーダーはスマホオーダーシステムになっている模様。どうもその辺りは省力化か。その割には国籍不明(インド系?)の店員を見かけたりなど意味不明な店である。とりあえず酢豚の定食に単品で唐揚げを付ける(1580円)。

味は悪くない。しかしだからといって美味いわけでもない。つまりはあまりに可もなく不可もなくばかりなのである。細かく言っていけば全体的に味にインパクトがない。化調ギトギトの不快さもないが、かといって高級中華のような深みもない。そういうわけで、価格を考えるとCPが悪いとは言わないが、あえてここに入るべき魅力もないという結論になってしまう。
何とも中途半端な印象の夕食になってしまった。後は今日のホテルを目指して難波の駅地下を南口までトボトボ歩く。ホテル南口から地上に出たら見える場所にある。

このホテルを使用するのは初めて。見た感じはなかなか綺麗で、何となくインバウンド客を狙っている雰囲気が漂っている。

カプセルについては普通。というか、昨日止まったルーマプラザと良く似た仕様。こういうのも業界でパターンがあるようだ。なおロッカーがルーマプラザよりもかなり大きく、ルーマプラザでは私の最小キャリーも無理やり押し込む必要があったが、ここのロッカーは余裕どころか、もう一回り大きい私の連泊用キャリーでも入りそう。


一応大浴場付き。まずは汗を流すことにする。風呂はまずまずで規模としては一般的なルートイン大浴場レベル。豪華ではないが必要十分というところか。
汗を流してさっぱりすると仕事である。5階にラウンジがあり、そこが飲食及びネット可能とのことなので行ってみる。コンセントもデスクもあり、本格的に仕事をするのに十分。ここでしばし執筆作業に勤しむことにする。


執筆して疲れたら少しゲームをして気分転換などをしていたら夜も更けてきた。気が付くと結構客が増えてきている(買い込んできた夕食を摂りに来ているようだ)。そんな中で一人だけ仕事スタイル(実際は遊んでいるんだが)の私はどうも異様な存在の模様。そうこうしているうちに疲れも出てきたし、荷物をまとめるとカプセルに潜り込む。
この遠征の翌日の記事
この遠征の前日の記事