週末大阪遠征
今週はなかなかに疲れた・・・と言いつつ、週末になると遠征に繰り出す業の深さである。今回は日本センチュリーの公演と大フィルの定期演奏会。金曜の仕事を早めに切り上げるとJRで大阪に移動する。電車の中では録画した「ガイアの夜明け」などを見ながらぼんやりと過ごす。
大阪で乗り換えて福島に到着したのは17時半頃。とりあえずはホールに行く前に夕食である。果たして何を食べるかだが、今日は気分的にはそばか。というわけでいつもの「やまがそば」に立ち寄ってそばセットを注文する。

うーん、どうやら今の私は自覚している以上に体調が悪いようだ。どうも最近は何を食べてもしょっぱいだけで美味しくない。確かに味が落ちた可能性も否定できないが、それよりは私の体調のせいで舌が変わってしまっている可能性の方が高い。それにしても食べ物が美味くないというのは想像以上に精神に影響を及ぼす。生きる活力自体が落ちている感じである。最近はお迎えが来るならさっさと今のクソのような人生をリセットしてやり直したいなんて妄想が頭を過るようになっている。今から振り返れば「ここで私の人生は決定的に誤った」と思えるポイントが複数あるのだが、そこで別の選択肢を選んでいたらなんていう取り返しのつかないことも頭に過るような不健康な精神状態になっている。実際はもしやり直しできたとしても、何の情報も与えられていなければ結局は同じ間違った選択を繰り返してしまうだけなんだろうが・・・。

夕食を終えてホールに向かうと開場5分前に到着。しばし入口前で待ってから入場。例によって堕落しきった私は喫茶に直行。さすがに夕食直後にサンドイッチセットを食べる気もしないので、アイスコーヒーにドーナツを付ける。

ドーナツをつまみながら原稿作成。電池交換をしたpomeraは極めて快調である。ちなみに電池交換に至った経緯だが、Windows10のサポート打ち切りのためにWindows11搭載のニューPCを導入した(かなり痛い出費を強いられた)のだが、Windows11が私が予想していた以上の欠陥OS(マイクロソフトのいつもの仕様である)で、今までの周辺機器が軒並み動作しないというトラブルに直面したのである(恐らくUSB周りに致命的な欠陥を抱えている)。pomeraもPCリンクができない(USBが接続された音はするんだがドライブが見えない)というトラブルが発生、対応策をキングジムのサポートとやりとりする羽目になったのである。私としてはキングジムがトラブル事例を把握していることに期待したのだが、どうやらこのトラブルは環境要因にも支配されるようで、先方では再現せず結局は迷宮入りになった次第。なおこの時にハードトラブルの可能性排除のために先方から本体を送るように求められ、案の定ハードに問題はなかったのだが、どこかネジが外れている音がするからと有償修理を勧められたので、それならついでにバッテリーも交換してくれと依頼した次第。

なおその後、私のPCはWindows11の再インストールまで実施したが事態は解決せず、現状はpomeraとはSDカードの抜き差しでデータを交換しているという次第。もうこうなると残された改善の可能性はマイクロソフトがそのうちにサイレントデバックをすることぐらい(何か不都合があった場合はマイクロソフトは常にバグについて公表はせずに、密かに次のアップデートにデバックを加える)。つくづくPCには振り回される。なお若い頃ならともかく、年齢とともにこういうトラブルと付き合う精神力がなくなってきており、今回のこのトラブルには相当に精神を消耗させられた。
ウダウダやっているうちに開演時刻が近づいてきたので座席の方に向かう。今回確保しているのは2階正面席の奥。日本センチュリーや大阪交響楽団など非会員のオケの場合によく取る席である。ややステージが遠いのが難点。なお会場の入りは8~9割というところで結構入っている。なおP席は合唱団が来るために空けてある。
日本センチュリー交響楽団 第292回定期演奏会

[指揮]久石 譲
[合唱]日本センチュリー合唱団※
[管弦楽]日本センチュリー交響楽団
久石 譲:シンフォニア ~室内オーケストラのための~ から 第3楽章 ディヴェルティメント
ベートーヴェン:交響曲 第1番 ハ長調 op.21
ラヴェル:ダフニスとクロエ 第2組曲 ※合唱付き
ラヴェル:ボレロ
一曲目は久石の自作。彼の曲はバリバリの現音ではないので比較的聞きやすい。同じ旋律をグルグルと回しながら多彩な音色で盛り上げるタイプの音楽構成となっており、これが彼が言うところのミニマル・ミュージックというもののようである。音楽構成はシンプルであるが、その音色は多彩である。
二曲目はベートーヴェンの最初期交響曲。後のロマン派につながる片鱗はあるものの、まだまだ古典派に近い曲である。久石は常にかなりアクの強い演奏をするが、この曲に関しては曲自体の性格からも結構オーソドックスな演奏となっている。あえて特徴的なものを上げるなら、以前から久石の演奏でしばしば現れる舞踏的なリズムが比較的前面に出てきているところか。リズムをカツカツと刻むようなところのある演奏となっている。
センチュリーの演奏は整然というところだが、一丸としてのまとまりはやや薄いところもある。室内オケよりはやや編成が大きく(12型2管)、一般オケでは比較的小編成という構成が中途半端に思える部分もある。
休憩をはさんでの後半は、12型4管にまで編成を拡大してのラヴェル。しかもこの曲については合唱まで加わる。もっとも合唱と言っても何か歌詞があるのではなく、あくまで楽器の一つとして加わっている(ホルストの「惑星」の海王星みたいなもの)。ラヴェルらしい多彩で鮮やかな音色をセンチュリーが頑張ってブイブイとやっているような印象を受ける。久石としてもさっきのベートーヴェンよりはこちらの方が本領発揮という感がある。オケをかなり色彩的に運用している。
ラストは有名なボレロ。同じ旋律を最後まで繰り返す曲であり、これぞまさにミニマル・ミュージックの原点だろうか。構成的に弦楽陣がブイブイといく管楽陣にやや押されている感もあったが、まずまずの演奏である。
久石ファンも多いだろう場内(ベートーヴェンの交響曲第1番の1楽章終了後に拍手が起こったのが、普段クラシックにあまり来ていない客が多いことを感じさせる)は大盛り上がりでアンコールが一曲。合唱も加えたやや哀愁を帯びた美しい曲。フォーレのパヴァーヌとのことである。流石にフォーレらしい曲だが、これをしっとりとまとめてきた。
久石には前回の公演での「超高速!田園」にはぶっ飛ばされたが、今回は総じてオーソドックスであった印象。まあ一曲目は自作だし、二曲目は曲想的にそう無茶をするべき曲でもないし、後半はいかにも久石向きであるので普通にやったらそれで上手くいくという曲のチョイスの関係も大きいだろう。
コンサートを終えると今日の宿泊ホテルへ。今日は新今宮のビジネスホテルみかどを確保してある。新今宮まで移動すると、途中のファミマで茶と夜食のパンを仕入れてホテルへ。

最近はカプセルづいていたのでこのホテルは久しぶり。やっぱり広い個室(通常のホテルの感覚から行けば異常に狭い部屋なんだが、それでもカプセルよりは広く感じる)は良い。なお今回の部屋はコネクティングルームに出来るタイプの模様。


とりあえずまずは仕事環境を整えると執筆・・・と思ったのだが、体調の悪さからくる疲労が半端なく、考えがまとまる状況でない。結局はそのまましばし、夜の入浴の時間までベッドでゴロゴロしながら過ごすことになってしまう。

大浴場でしっかりと体をほぐしてから部屋に戻ってくると、しばし原稿入力タイム。ただしやはり疲労がかなり濃いので、そう長時間の作業は出来ずに就寝となる。
本遠征の翌日の記事