豪雨の中を車で西宮へ
先日に続いて今日も外出。今日は西宮でのPACのコンサートである。ただそれだけだと味気ないと思って調べたところ、ポートアイランドの日本芸術会館でミュシャ展が開催中との情報が。とは言うものの今更ミュシャである。これまで散々ミュシャ展の類いは行っているので、今更初見の作品なんてほとんどなかろうし、それに大抵はミュシャ展と名乗ってもポスター数点なんてのが多い。ただ私はこの日本芸術会館なる施設を全く知らなかったこともあって、そこに興味を持って立ち寄ることにした。
午前中に家を出ると今日は車で移動することにする。西宮ならJRと阪急なんだが、もう電車に乗るのに疲れたのと、今日はかなり激しい雨が降っていることからのチョイス。
阪神高速を突っ走る。ポートアイランドと言えば京橋出口なんだが、カーナビは生田川で降りてトンネルを使用するルートを指示、京橋出口まで到着したところで出口渋滞の案内が出ていることから、カーナビに従うことにする。とは言うものの、生田川は生田川で出口の信号でやたらに待たされるという難点を抱えているので、どちらが早かったかはよく分からない。
日本芸術会館はポートライナーの北埠頭駅の南西にある。地下駐車場もあるのだが、なぜか入口ゲートが閉まっていて、電話で連絡を取ってシャッターを開けるという奇妙な方式。元々は入口脇に警備員詰め所があることから、恐らくそこに常駐していたと思うのだが、利用者が少ないことからリストラしたか。実際に駐車場に車をおいて入館すると、中は閑散としていて人気が少ない。
展示室は4階から吹き抜けを挟んだ両側に展示室が並ぶ形式。洒落てはいるが、この展示室間をつなぐ橋を渡るのは高所恐怖症の私にとっては苦痛。やはりこういう「板子一枚下は地獄」感が私には非常につらい。

展示室は人がいないこともあって非常に落ち着いた雰囲気。そこに具象画の美麗な作品や彫刻が並んでいる。作者については私の全く知らない無名作家ばかり。それどころか時々ネームプレートが落ちたのか作者不明になっている作品も多数。

ただ作品自体は技術レベルは高く美麗。こうやって眺めていくと、一体著名画家って何がどうなんだろうという気がしてきた。と、思っていたら妙な絵があると思ったらローランサンにダリ。なるほど、著名画家というのは上手い下手の次元でなく、個性が立っているんだと思い至った。


展示室をフラフラと回っていたら、金は使っていないがやけにクリムト臭い絵があると思ったら、クリムトの模写だった。やっぱり私でも分かるぐらい個性が立っているのか。


上から下まで一回りしたが、当のミュシャ展がどこにもない。そこで再びHPを調査。その結果、3階展示室の奥が怪しそうだという結論になる。そこに行ってみたらそれが正解。小さな展示室2つほどにミュシャのリトグラフポスターをかけてある。大体私が予想していたレベルの最低限をも下回っているレベルの展示であった。もっとも最初からそれが目的ではなかったので問題ないが。


ここにレストランがあるとのことなので昼食を摂っていくことも考えていたのだが、いざレストランに行くと誰もいなくて開店休業状態。それにそもそもこんな環境でまともな飯が食えるとも思えない(下手したら冷凍パスタをチンして出てきそう)。そこで昼食は別のところに立ち寄ることにする。
これで芸術会館を後にしたのだが、まあ私としては収穫はあったが施設自体は正直なところ「完全に終わっている」感が強かった。
昼食は洋食レストラン
さて昼食をどうするかだが、西宮方面で車で立ち寄る店というと私には一軒しか浮かばない。西宮の「ダイニングキノシタ」に向かうことにする。カーナビは高速道路を指定するが、それを拒絶して下道を走る。特に時間に追われているわけではないので、三宮から西宮までに高速を使用するほど私は金持ちではない。どうもこのカーナビは富裕層設定がされているようである。
ダイニングキノシタの場合、車は目の前の道路に駐車するが、問題はそこに空きがあるか。店が前方に見えてきたが道路は満車の模様。「あちゃー」と思っていたら、信号待ちの間に一台が出て行く「ラッキー」とそこに車を置いた途端に前の車も出て行く。到着時が13時頃だったので、ちょうどお昼の客が入れ替わる時間帯だったようである。

入店するとハンバーグとエビフライにコロッケのライラックランチを注文。しばし待つ間に原稿執筆である。この店は料理が出てくるのに少々時間がかかることが多い。それが分かっているから時間に追われている時にはここには立ち寄らない。待ち時間が長いせいで原稿執筆が進む(笑)。
最初にカボチャのポタージュが。このやや甘めのスープが私の好み。そしてサラダは酸味のあるドレッシングが美味。この辺りを頂きながらpomeraで執筆。


ここまでの原稿がほぼ書き終わった頃にメイン料理が到着する(笑)。エビフライのエビが私の記憶よりも若干大きくなっている印象を受ける。エビがプリッとして美味い。また肉汁が過剰にならない肉々しいハンバーグも美味(私は肉汁がベタベタしてソースを薄めてしまうタイプのハンバーグが嫌い)。そして美味だったのが、全然クリームらしくないエビクリームコロッケ(笑)。かじっても中身がしっかり固まっているのでポテトコロッケかと思ったらエビクリームコロッケだった。すぐに破裂するようなヘナヘナコロッケよりもこの方が私の趣味である。

正直、昨日の昼が焼き肉(ちなみに朝はモスバーガーだった)ので洋食の気分ではなかったのだが、こうして食べてみると食べれるものである(笑)。
満足して昼食を終えるとホールまで急いでも仕方ないので、しばしマッタリしてからホールに向かう。しかしこの行程がガーデンズ入りの車列に妨害されての渋滞などで散々、その挙げ句に雨のせいで車客が多かったのか、駐車場入口に満車表示が出ていて入庫不可。結局は近くのコナミスポーツセンターの駐車場に車を止める羽目になって、これだけで大損害である。今から思えば店でマッタリせずにさっさと退店するべきだったか。調べてみたところ、今日は中ホールと小ホールでもイベント開催で、その時間が大ホールよりも早い。どうも危険予知が不十分だったようで、己の読みの甘さを呪うばかり。
雨に降られながらホールに到着するとちょうど入場時刻直前の大行列ができている。それの末尾に続いてゾロゾロと入場する。会場内はまずまずの入りである。

PACオケ第164回定期演奏会

指揮:サッシャ・ゲッツェル
ピアノ:河村 尚子
モーツァルト:交響曲 第1番
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番
ブラームス:交響曲 第1番
一曲目はモーツァルトの最初期交響曲。なんと作曲時にはモーツァルトは8歳とのこと。これだから天才という奴は・・・。もっとも天才らしきひらめきは感じるのだが、まだまだ未熟というか、後の作品のような深さはない。またゲッツェルの指揮も中庸というかやや地味な感がある。PACオケのアンサンブルには問題がないのだが、残念ながらまだ音色に味がない。というわけでやや淡白な印象が残る。
二曲目は河村らをソリストに迎えてのベートーヴェン。冒頭から河村がかなりしっとりと色っぽい音色を出すなと思っていたが、演奏のテンポが上がってくると河村の演奏はかなりガツンガツンとした荒っぽい印象のものに変わる。その変化の激しさというか、落差の大きさにいささか戸惑う次第。
ゲッツェル率いるPACは無難に伴奏に徹していたところがある。結局この曲は河村のかなり目立つピアノ演奏を中心にまとめてきたというところ。盛上がるとかなりガツンガツンと弾いていた河村が印象的。
河村のガツンガツンはアンコールのクープランの墓のトッカータで極まる。始終高速店舗に徹するこの曲では最初から最後まで河村はガツンガツンとかなり激しくて硬質なタッチで叩きつける。こうやって聞いていると、かなり腕力もありそうな印象。
後半はブラームスの1番。この曲に関してはかなり重厚にテンションの高い演奏もあり得るのだが、ゲッツェルのはその対極。そのクネクネとした腕遣いの独特の指揮姿からも想像できるように、音楽自体もしなやかに流麗であることを優先。第1楽章から緊張感よりも弦楽を中心とした滑らかさを正面に出してきた。
その一方で煽るときには徹底的に煽る印象。興が乗ってくるとかなり露骨にガンガンやる。ただPACは最強音でガンガンやり続けるとアンサンブルがやや雑になってくる傾向があるようで、ところどころ破綻寸前に聞こえる局面もあった。
その調子でクライマックスには煽りまくりの大盛り上がりでラストまで。場内は大いに沸いていてゲッツェルもノリノリ。このコンサートはカーテンコール後の写真撮影が許可されていたが、ゲッツェル自身が「さあ、撮って」というよなジェスチャーまで。


盛上がりまくったところで珍しくもオケアンコール。ゲッツェルが「No1」と言ったことしか私には聞き取れなかったんだが、ブラームスのハンガリー舞曲の第1番ということだったようだ。しかしこれが始まった途端に、ゲッツェルのクネクネした指揮ぶりが腕だけでなく全身にまで及び、ひざは曲げるわ腰は振るわのハンガリアンクネクネダンス状態に。どうやらゲッツェルはノリまくっているようだが、見ているこっちは正直笑いをこらえるのが必死。PACのオケメンもよくもこんな指揮の前で真面目に吹いていられるものだと感心。これは広上のタコ踊りと双璧ともいえる。
結局はゲッツェルのハンガリアンクネクネダンスもかなりの好演。場内はさらにヒートアップして、ゲッツェルも場内に「はい、写真どうぞ」という感じで盛上がっていたのである。
