徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

大フィルで再びデュトワが圧倒的なパフォーマンスを披露する

週末遠征はMETと大フィルのダブルヘッダー

 この週末は大阪・滋賀方面への遠征。まずは大阪での大阪フィルのコンサートだが、その前にMETのライブビューイングに出向くことにする。

 まずはMETのために三宮へ移動する。大阪ステーションシティシネマという手もあったが、上映開始が11時と遅すぎるために、15時開演の大フィルに駆けつけるのが開演直前になってしまう。三宮のキノシネマは上映が10時からなので、大阪までの移動時間を考慮してもこっちの方が早いという計算。

 早朝から朝食も摂らずに飛んできたので、三宮に着くとまずは劇場近くのドトールで朝食を摂っておく。これから長丁場である。ガス欠になったらシャレにならん。

朝食は劇場近くのドトール

ドトール朝食

 朝食を摂ると劇場へ。観客は10人程度で毎度の予想通り場内はガラガラ。さて確保していた席に着こう・・・と思ったら、なぜか隣の席に観客が。昨今はガラガラの駐車場であえて隣に止めてくる奴を「トナラー」などと呼んで迷惑がる者がいるが、まさか映画館にまでトナラーが出現か? このインフルが大流行しているご時世に意味不明である。とりあえず適当な空いている席に座ることにする。

キノシネマ神戸国際

 ところで作品開始前のインタビューでMETのCEOが「我々は芸術の自由を守るために戦う」という趣旨のことをかなり激しく言っていたが、これってトランプが自分の気に入らない人物がNY市長に当選したら軍隊送ると言っていたことに対してだろうか。あのアメリカの王気取りの馬鹿も早々に追放しないと、アメリカがどんどんとおかしな国になる。

 

 

METライブビューイング ベッリーニ「夢遊病の娘」

指揮:リッカルド・フリッツァ
演出:ロランド・ビリャソン
出演:ネイディーン・シエラ、シャビエール・アンドゥアーガ、シドニー・マンカソーラ、アレクサンダー・ヴィノグラドフ

 スイスの山村で結婚式を迎えようとしていたカップルに起こったドタバタ劇。ベッリーニの「ノルマ」と並ぶ代表作であり、イタリアのベルカントオペラを代表する作品にも挙げられている名作。

 音楽は結婚式を表す祝典的な明るい曲で始まるが、その後にアミーナの恋敵であるリーザのやや邪悪さを含んだソプラノの独白が若干空気を変える。しかしその後、アミーナのと婚約者のエルヴィーノの登場で音楽は再び祝祭的雰囲気に。この両者の二重唱がいかにも美しく、なるほどこれがまさにベルカントオペラかと納得。現在最高峰のソプラノの一人シエラに、スターテノールであるアンドゥアーガの超高音が圧巻である。

 もっともここまでの出演者3人が全員高音歌手であるので、やや頭がキンキンしてくる感がなくもない。正直なところバスであるロドルフォ伯爵のヴィノグラドフが登場してようやくホッとする感がなきにしもあらず。いくらベルカントオペラと言っても音楽全体がややハイ上がりにすぎる感がある。それとリア充カップルののろけと恋敵の恨み節の内容はいささかしんどい。

 中盤から後半にかけて、夢遊病であるヒロインのアミーナが、眠ったまま伯爵のベッドに侵入してしまったことで、両者を引き裂こうと画策するリーザの陰謀などで、エルヴィーノがアミーラの裏切りを疑って婚約解消を言い出すというドタバタの大混乱がこの後に起こるわけであるが、ストーリー的には悲劇とも喜劇ともつかない中途半端な感がある。

 一番驚いたのは、元々の作品はアミーラの夢遊病が証明されたことで疑いは解消、二人はめでたく教会へという展開のはずを、束縛が強くてモラハラ気味のダメ男エルヴィーノに愛想をつかしたアミーラが、彼を振って自立するといういかにも今日的な展開にしてあること。中間でのインタビューでの演出のビリャソンの「田舎の抑圧的な空気がアミーラを拘束して、そのストレスが夢遊病につながっている」との発言や、エルヴィーノについてアンドゥアーガが「未熟なダメ男で個人的には全く共感できない」とかなりのネガティブ発言をしていたことが伏線として回収されることになる。

 もっともかなり強引な結論変更であるために、それまでのアミーラの描写その他などとの不整合を感じずにはいられない。とはいうものの、演出の範疇としてはありではあろう。今日的価値観ではむしろ納得いく結論かも。

 作品自体はとにかくベッリーニの音楽の美しさが際立っていた。まあ「ノルマ」を連想させるような節回しも見られ、彼らしさが全開だった感がある。ガンガン歌うイタリアオペラらしい作品でもある。

 

 

 上映が終わるとカーテンコールもそこそこにさっさと移動を開始する。とりあえず大フィルの開演には間に合いそうだが、昼食を摂っている時間的余裕はなさそう。

 今日の公演は指揮者がデュトワ。今年の目玉と言ってもよい公演で大フィルファンなら1年間お待ちかねというところ。大フィル会員以外もかなり押しかけているようで、場内はあからさまに普段よりも観客が多い。

本日の出し物

 ところで既に来年度のプログラムが公開になっているようだが、正直なところ本年度のデュトワのような目玉が何一つない。招待する指揮者もどうにも小粒感が強い。やはり高市円安でユーロに対する円の価値が大暴落しているので、そういうことも影響してそう。これは来年度は来日オケがほぼなくなるか、とんでもない価格になりそう。二重三重の意味で来年度は私はコンサートから遠ざからざるを得なくなりそう。私の遠征費用をサポートしてくれるスポンサー募集中(笑)。「私のこの苦境を救うことを期待できるのは愛国者たる高市さんしかない」とこういうことでも書いていたら、政府宣伝系インフルエンサーに起用されて、官房機密費からバイト料でももらえないだろうか。

 今日は既に朝にコーヒーを飲んでいるので、コーラを頂きながら開演までの時間をつぶす。どうも繊細に過ぎる私の胃は1日にコーヒーを1杯までしか受け付けない模様。まあコーラでもかなり胃にはキツいが。

今はコーラにしておく

 開演時刻が近づいたところで座席に着く。場内は見渡したところほぼ満席状態。やはり相当に観客が多い。

 

 

大阪フィル第593回定期演奏会

ラヴェルに備えて打楽器が増量されている

指揮:シャルル・デュトワ
ピアノ:小菅優
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団(合唱指導:福島章恭)

モーツァルト/ピアノ協奏曲 第22番 変ホ長調 K.482
ラヴェル/バレエ音楽「ダフニスとクロエ」

 一曲目は12型編成によるモーツァルト。それにしてもいきなり大フィルの音が普段と違うことに気づく。以前からデュトワが指揮すると大フィルの音が一変するのだが、それは今回もである。また以前のハイドンでもあったのだが、デュトワが指揮すると古典音楽がなぜこうも艶っぽくて色っぽくなるんだろうか。今回のモーツァルトもやけに色っぽさを秘めた音楽として始まる。

 ここでピアノソロがメロドラマ出来たら、いささか収拾がつかない事態になりかねないのであるが、小菅のピアノは例えるならば軽業師である。軽妙かつ高速タッチで圧倒してくるタイプ。力強くはあるがやや色気は欠ける。これが音楽全体で微妙なバランスを保つことになる。

 第1楽章などはあまりにピアノの音符が多いので、はてモーツァルトってこんな音楽だったろうかと疑問を感じたところもあったのであるが、私は22番はあまり聞いたことがないのでその辺りは定かではない。いささか絢爛豪華で派手気味な音楽となる。

 第2楽章以降も抒情を歌うよりは軽妙さが前面に出た感があるが、これはこれでなかなか圧巻ではあった。

 さて後半は大規模な合唱団を迎えて16型オケでのラヴェルの大曲となる。合唱団は特別な歌詞があるわけではなく、あくまで楽器の一つとしてオケに絡むのであるが、これが想像以上に音楽的に効果がある。

 またオケの音色の艶っぽさや煌びやかさは先ほどのモーツァルトよりも倍増しており、ラヴェルのキラキラしたオーケストレーションをさらに際立たせる圧倒的な演奏である。

 流石にデュトワ節健在というか、圧倒的な名演に満員の場内は大いに沸いたのである。帰り道でもあちこちで「これは良かった」という声が漏れており、今更ながらデュトワの圧倒的なパフォーマンスに圧倒された次第。来年度も是非と思っていたのだが、来年度はないんだよな・・・。デュトワもN響への復帰も果たしたようだし、もうこれで大フィルへの義理は果たし終えたってところだろうか。

 

 

 コンサートを終えると今日の宿泊ホテルに向かうことにする。明日はびわ湖ホールでのコンサートなので今日は京都に宿泊することにしている。確保したのは祇園のルーマプラザ。今まで何度か利用したサウナ付きのカプセルホテルである。京都河原町が近くの駅になるので阪急で移動することにするが、その前に大阪で夕食を摂っておくことにする。

 立ち寄ったのは梅田の地下の「グリル ロン」。大昔に一度行った記憶があるが、内容についてはもう既に忘れている。ただし悪い記憶が残っていない(もし悪い店なら二度と行ってはいけない地雷として記憶に刻まれる)ことから悪い店のはずがない。実際にその後に何度か通りかかったが、いつも大行列なのでパスしていた。今回は珍しく待ち客が数組だったのでしばし待つことにする。

いつも待ち客がいる「グリル ロン」

 20分ほど待ってカウンター席に通される。注文したのはエビフライとカニクリームコロッケとハンバーグのCランチ(1470円)。合い挽きハンバーグをビーフハンバーグにグレードアップする。

なかなかの内容である

 エビはプリっとしてまずまず。クリームコロッケはいわゆるドロドロクリームと違ってしっかりしていて私好み、そしてなにより肉汁でベタベタしないハンバーグが一番。

 なるほどなかなかに美味い。正直このレベルの洋食店は他にも思い浮かぶところはあるが(例えば「ダイニングキノシタ」とか)、この場所でこの価格というのは貴重であり、いつも行列ができるのも納得ではある。

 

 

 夕食を終えると阪急で河原町まで移動。ホテルに入ろう・・・と思ったが、その前に閉店直前の「祇園都路里」に飛び込んで「特選都路里パフェ(1750円)」を頂いてマッタリする。まさにこれぞ至福の瞬間。安いパフェではないが、やはり京都に来るとこれは食っておきたい。ごくたまにだけ許される命の洗濯というやつである。

「都路里」は7時半でオーダーストップ

この圧倒的なパフェよ

 

 

 ようやく落ち着いたところでホテル入り。今日もここは満室の模様。やはり場所柄大人気の模様。とりあえず荷物を置くと入浴へ。屋上露天風呂に直行しようとしたが、流石にこのシーズンになると寒すぎて風邪をひきそう。先に内風呂で体を温めてから行くことにする。体を温めると露天風呂のルーマの湯で再入浴。信楽の天然水を温めたという湯は、ヌルっとしたアルカリ泉で「男前の湯」とのこと。これでまた私の男っぷりもあがるというものである(笑)。

ルーマプラザは今日も満室

 入浴を終えるとインターネットブースにお籠りして夜まで作業である。眠気が襲ってきたころにカプセルルームで布団に潜り込むことにする。

夜までネットブースでお籠り

 

 

この遠征の翌日の記事

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