徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

2026年の初ライブは下野/大フィルでの珍曲プログラム

2026年度ライブ初め

 さて2026年に突入であるが、そろそろ今年のライブ初めと行きたいところである。この週末は京都方面に出張ることにした。

 金曜日の仕事を早めに終えると久しぶりにJRに飛び乗る。昨日は北陸方面が大雪で交通が大混乱していた模様だが、今日もなかなかに寒い。遠征には完全防寒で臨むことにする。

 流石に北陸と違って阪神間は積雪などはないので(数年に一度ぐらい、数センチの積雪があったらまさに大パニックになる)、予定通りに大阪に到着する。今日の予定はまずは大阪での大フィルの定期演奏会。

 その前に夕食の必要がある。フェスティバルホール近辺は良い店がないし、大阪駅の駅マルシェをプラプラ。だし茶漬けという気分でもオムライスという気分でもないことから、久しぶりに「利久」に立ち寄ってタンシチューの定食を注文する。

駅マルシェ内の「利久」

 最初に出てきたタンサラダはまずまず。しかしメインのタンシチューがどうもおかしい。何となく味に強い酸味を感じるのだが、ここのタンシチューってこんな味だったっけ? それに肉も硬くてパサパサしていてあまり美味くない。なんか味が落ちたよな・・・ということでやや不満の残る夕食に。どうも最近はこういうことばかり。飲食店全体がコストアップに伴う食材のレベル低下か、人手不足に伴う厨房人員のレベル低下かは不明だが、明らかに以前より味が落ちた店が多い。にもかかわらず価格は大幅アップなのだからたまったもんじゃない。アホノミクスの後遺症とそれを継承するといった経済ド素人の馬鹿総理のせいで日本は確実に衰退の道を驀進中である。

タンサラダはまずまずだったんだが

 

 

 夕食を終えるとホールへ。ホールに到着したのは開場の直後。とりあえず窓口で注文していた今後の公演のチケットを受け取ると、クロークに荷物と上着を預けて入場。開演までしばし余裕があるので喫茶で堕落コーヒーを頂く。どうしても年齢と共に体力がなくなるにつれて堕落するものである。かつてのような質実剛健な遠征は今の私には無理。やはり何事も基本となるのは体力とそれを支える若さのようで。

堕落コーヒー

 今回は珍曲マニアの下野らしいかなりのマイナープログラム。このプログラムだと入りはどうかなと少々心配していたのだが、一階から見る限りでは結構入っている。まあ下野が珍曲を扱うのは観客も想定内か。

かなりの大編成、右手奥には金管のバンダ席が

 

 

大阪フィルハーモニー交響楽団 第594回定期演奏会

指揮/下野竜也
青ひげ/宮本益光 ユディット/石橋栄実
曲目/小山清茂:管弦楽のための鄙歌 第2番
   大栗裕:管弦楽のための「神話」
   バルトーク:歌劇「青ひげ公の城」作品11(演奏会形式)

 

 前半は日本人作曲家によるマイナー曲で、後半はバルトークの歌劇といういかにも攻めたプログラム。まあ下野らしい個性の強い内容である。

 一曲目は天岩戸のエピソードを描いたという音楽。冒頭、アマテラスが天岩戸にこもるところから始まり、日の光を失って八百万の神々は困り果てる。そこで一計を案じて天岩戸の前で宴会をすることにする。アマノウズメが全裸で踊って宴は大盛り上がり。あまりのどんちゃん騒ぎに何事かとアマテラスが天岩戸の隙間を空けて覗いたところで、怪力のタヂカラオが天岩戸をこじ開けてアマテラスを中から連れ出してこの世は光を取り戻すという神話。

 曲は基本的にこのストーリーの流れに従っており、映画音楽のように映像とリンクしていることを感じさせるもの。なお天岩戸のエピソードは大昔に映画になっている(アマテラスが原節子でタヂカラオが朝潮というもの)が、その時の音楽は伊福部である。

 音楽としては分かりやすいというか、あまり現代音楽的でもなく、旋律もどことなく日本的であるので日本人としては違和感を全く感じないで済む音楽である。

 下野の指揮は音楽のツボを押さえているし、大阪フィルの演奏も各奏者の技に冴えがあってなかなかに鮮烈、音楽絵巻として大成功している。

 二曲目はさらに露骨に日本を感じる曲。基本的には民謡などから取材したと思われるいかにも日本的な旋律をモチーフに4部構成の音楽を形成している。

 和太鼓なども含む多彩な打楽器陣を中心にかなり派手目の音楽。管楽陣などもかなりバリバリやる必要があるので、昔の大フィルならまず間違いなくしでかしが起こるところだが、今の大フィルはそんなこともなく安定感抜群である。また下野の指揮もノリノリだが、キチンと押さえるべき要点は押さえて音楽を引き締めてくる。しっかりと確信をもって振っているのが分かる。なかなかの演奏である。

 休憩後の後半は一転してバルトークのステージ形式での歌劇。ちなみにこの作品、登場人物が2人しかいないという異色作であるので、ステージ形式でもさほど違和感がないというところがある。またいわゆる普通の青ひげの話とはかなり異なっており、ユディットが純粋に青ひげを愛しており、それ故に積極的に青ひげに全部屋を開けるように要求している。またラストの展開は何やら象徴的であってかなり不可解という難解な作品。

 音楽も作品に合わせてやや難解。ただかなりバリバリとしたやかましい音楽であるのはまあバルトークらしいと言えばらしい。

 ソリスト2人の掛け合いも安定感を感じるし、そのバックで鳴っているオケは、時にはソリストを追いやって正面に登場したりすることもある目まぐるしさ。ただ歌が入っているためか、バルトークとしては比較的聞きやすかったという印象も。

 今回のコンサートは見事なまでに初めての曲ばかりで、それも本来なら私があまり興味を持つ類ではない曲ばかりだったのだが、最後まで興味が尽きることがなく楽しむことが出来た。この辺りは下野と大フィルの力量が見事であったと言うべきだろう。これは私の予想外であったと言える。

 

 

 コンサートを終えると明日に備えて京都まで移動する。明日は京都市響の定期演奏会に行く予定なので、今日は京都に宿泊する。しかし京都で宿泊となるとどうしても高くつく。そういうわけで今回私が使用するのは、今時珍しいまともな価格で宿泊できるいつもの定宿京都ユニバーサルホテルである。

 満員の新快速に揺られることしばし、そこから地下鉄に乗り換えて一駅。ここからホテルまでのトボトボと歩く行程がいつものことながら精神に響いて鬱になりそうになる。ましてや今回は結構重いキャリーを引きずってなので余計にキツい。体力的には十分に余裕があるが、精神的余裕がギリギリになった頃にようやく目的のホテルに到着する。

ホテルに到着

 チェックインして部屋に入ると、とりあえず着替えてからいつものように仕事環境構築である。こういう作業環境構築がしやすいのが個室のメリット。やはりカプセルホテルだとこうはいかない。

作業環境構築

 環境構築が済んで一息ついたところで入浴をしておくことにする。このホテルは地下に大浴場があるのが特徴の一つ。ただこのホテルの構造はワンルームマンションの集合体のようになっていて、廊下が外にむき出しなので今日のような天候だと異様に寒い。ましてや今回の私の部屋はフロアの一番端。エレベーターに到着するまで凍死するかと思った・・・。

 大浴場で体を温めてくると、就寝までの時間でしばしの執筆作業。0時を回る頃になるとかなりの眠気が押し寄せるので就寝する。

 

 

この遠征の翌日の記事

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