仕事を終えてからホールに直行する
翌朝は勤務開始時刻の1時間前ぐらいまでガッツリ寝る(これが在宅勤務の一番のメリットである)。昨日の移動の身体的疲労に加えて、仕事の精神的疲労が相まって疲労がかなり溜まっており体が重くて仕方ない。本来なら早朝からやっている喫茶にモーニングを摂りに行きたいところだが、今日はそれだけの気力と体力がない。ざっとシャワーを浴びて体を温めると、昨日に買い込んでいたパンを朝飯代わりにかじってから、リモートワークを開始する。
リモートワーク環境は快調。web会議も問題なく出来る。このホテルは新今宮安ホテル内最速のネットワーク環境を装備していることを謳っているが、嘘はないようである。
----((((((((※))))))))----
午前中の仕事を終えると、昼食は近くの「らいらいけん」に繰り出す。日替わり定食(850円)を注文。飯もおかずも普通に美味い。相変わらずCPが良い。普段使いの店としては最強である。


昼食を終えるとファミマでミネラル麦茶を仕入れてからホテルに戻る。リモートワーク午後の部である。
----((((((((※))))))))----
夕方になると業務終了。かなり疲れたという感がある。今日はこの後に関西フィルのコンサートだが、移動距離が短いのは助かる。
開演までに夕食を摂りたいが、まだ時間的に余裕があるので聖天通りをプラプラ。久しぶりに「イレブン」に立ち寄ることにする。豚の天ぷらである「珍豚美人」にご飯のセットをつける。

やはりここの豚の天ぷらは美味い。またこの独特のタレも絶妙なものを感じる。この体調で揚げ物はどうだろうかという一抹の不安もあったのだが、一口食べればそんな懸念は消し飛んでしまう。ご飯が美味い。


久しぶりに満足の出来る夕食を堪能するとホールに向かう。やはり美味い飯は心を豊かにする。ホールまでは嫌な距離があるが、今日は荷物の大半をホテルに置いていて身軽だし、もう慣れた道のりなのでそう長くは感じないという心理学の応用。やはり人間は初めての行程に対しては警戒心から遠く感じるようである。

ホールに到着したのはまさに入場が始まる直前。入場待ちの行列の最後尾に付くとゾロゾロ入場。とりあえず開演までに時間があるので、久しぶりに喫茶で堕落コーヒー。今日はアイスにする。そして今、一服しながらこの原稿執筆。

今日はアレクセイ・オグリンチュクという初めて聞くロシア人指揮者・・・と思ったが、バックナンバーを繰ってみると以前にデュメイと共演しているのを聞きに行っている。オグリンチュクは40代の中堅指揮者だが、オーボエ奏者として活躍しており、近年に指揮者としてあちこちを振っている模様。ちなみに当時の私の評は「かなりロマンティックな演奏をする指揮者」というもの。
協奏曲は上野のチェロでヴァインベルクという私には初物。ヴァインベルクはナチスのポーランド侵攻で故国を追われ、ソ連に亡命して作曲を学ぶが、親類が逮捕されたとばっちりで自身も逮捕されて命を落としかけるという苦難の人生を歩んだようだ。それでも154曲もの作品を産み、交響曲は第22番(未完)まで残しているとか。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第361回定期演奏会

[指揮]アレクセイ・オグリンチュク
[チェロ]上野通明
[管弦楽]関西フィルハーモニー管弦楽団
プロコフィエフ:古典交響曲 op.25
ヴァインベルク:チェロ協奏曲 ハ短調 op.43
ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調 op.88
一曲目はプロコの比較的有名な交響曲。プロコは単に古典的な交響曲のスタイルをまねしたというわけでなく、スタイルは古典的でありながら近代的な音色をかなり入れている。プロコによると「もしハイドンが現代まで生きていたら作曲したような曲」とのことである。温故知新とでも言うべきだろうか。
オグリンチュクはオーボエ奏者であるので、流石に管楽器についてはその音色の出し方まで気を使っている感がある。いつにも増して関西フィル管楽陣に冴えが見られる。その一方で弦はおざなり・・・かと思ったらそんなこともない。しっとりねっとりとなかなかに関西フィル弦楽陣の特性をよく把握して効果的な演奏をしている。
総じてメリハリが強くて、速度についてはやや早めで煽りが入るタイプの演奏。以前の時のようにやはり「ロマンティックさ」をかなり感じさせる演奏である。
ヴァインベルクは初めての作曲家。もろに20世紀作曲家になるので、奇々怪々な訳の分からない曲を警戒していたのだが、案に反してメロディラインもはっきりしている分かりやすい曲。重苦しい雰囲気の主題から始まるが、ここで上野の雄弁なチェロが非常に効果を上げる。音色に渋さと美しさがあって非常に表現が深い。なかなかに聞かせる演奏である。おかげで初めての曲でも全く迷わずに堪能できる。
曲自体は2部構成の4楽章形式。最初はかなり重苦しさがあり、後半はチェロが縦横無尽に活躍する展開。ここでの上野の技の冴えもかなり。またチェロと管楽陣の絡みも美しく、特にフルートの椎名の演奏が冴えている。そして最後には陽転した冒頭の主題が極楽的雰囲気で復活して曲の統一感を持たせつつ、静かに終了する。
とにかく半端ない説得力のある上野の演奏に魅了された。アンコールでは一転してプロコの軽妙な曲を聞かせてくれたが、やはり表現の幅がなかなかに広い。
後半はいわゆるドボ8。オグリンチュクの演奏はというと、初っ端からかなりのハイテンポ気味にグイグイとくる演奏。弦楽陣はねっとりと糸を引くように粘り強い音色を聞かせてくれる。ハイテンポであって軽快ではあるが、決して軽薄ではない音楽である。第一楽章は見事に自然の賛歌という印象の演奏となる。
第二楽章以降はこの曲に含まれている舞踊の要素を軽妙かつねっとりと濃厚に表現してくる。しっとりねっとりの弦楽陣も、いつも以上に音色に冴えが感じられる管楽陣も、見事に関西フィルの実力のすべてを引き出しているように感じられる。
とにかくテンポから強弱まで振幅の大きいロマンティックな演奏だが、不思議とそれが下品とか悪趣味というようには感じさせない。またなかなかに関西フィルのことを把握しているように感じられ、今後もオグリンチュクと関西フィルの組み合わせにはいろいろと期待したくなるところである。
コンサートを終えるとコンビニに立ち寄って夜食を購入してからホテルに戻る。部屋に入るといきなりダウンでしばし動けなくなる。結局はそのまま風呂に出向く気力もなく、二日連続で風呂抜きになってしまう。何のために大浴場付きのホテルに宿泊したのやら・・・。しばらく後に起きだしてきて原稿執筆を少しするが、やはり疲労はかなり濃い。適当なところで諦めて就寝することにする。
この遠征の翌日の記事
この遠征の前日の記事