徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

大フィル定期でレイランドによるモツレクを堪能する

大阪フィルの定期演奏会へ

 この週末は大阪フィルの定期演奏会である。週末の仕事を早めに終えるとJRで大阪へ。大阪到着は予定通りで、これから夕食を摂る必要があるのだが、そこではたと困る。今日は体調激悪で昼食以降ずっと胸がムカムカしていて食欲皆無。かといって何も食べなかったら、公演中か公演後に空腹になるのは確実。そうなってからだと時間的に飲食店は開いていないだろう。

 何か食べられそうなものはないかと大阪駅周辺をウロウロするが時間が過ぎるだけ。諦めて肥後橋まで移動してしまったが、そうなるとさらに選択の幅が狭まる。そうこうしているうちにとうとう開場時刻になってしまったので、諦めて入場してしまって、結局は喫茶で高級サンドイッチを腹に入れることに。今、私の喉を通るのはこの程度のものである。

結局は喫茶で高級サンドイッチ(700円)を食べることに

 特に風邪を引いたとか何かがあるわけではないが、とにかく今週は体調が悪い。この体調の悪さが間接的に響いたのか、数年ぶりに腱鞘炎が再発して右手の薬指がばね指になってしまい、つい先日にステロイドの痛い注射を手のひらに打ったところ(いつもこの注射を打つたびに、磔になったキリストの受難を想像する)。最近はこういう謎の体調悪化が起こりやすくなるのもひとえに老化が原因だろう。もしかしたら私のお迎えも、思いのほか近くまで来ているのかもしれない。

現在は右手薬指にサポーターをはめている状態
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 ホールの入りは8~9割というところか。レイランドの名前が記憶にあったので、私のバックナンバーを調べたところ、以前に一度大フィルを振ったことがあるようで、その時に私も聴いている。ピリオドのかなりカッチリした演奏だったとか。今回はロマン派のシューマンにモツレクなのでどういう演奏が出るか。

シューマンは14型、モツレクは12型+合唱団

 

 

大阪フィルハーモニー交響楽団 第596回定期演奏会

指揮:デイヴィッド・レイランド
ソプラノ:七澤結
メゾ・ソプラノ:小泉詠子
テノール:糸賀修平
バリトン:加藤宏隆
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団(合唱指導:福島章恭)

シューマン:交響曲 第2番 ハ長調 作品61
モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626

 一曲目はシューマンだが、レイランドはピリオドとまでは言わないが、ヴィブラートの少ないややシャープな音色での演奏をする。さらに管を結構鳴らさせるために、ドンガンとかなりけたたましい印象の硬質な演奏となる。全体的に音楽が整然としており、ロマン派のシューマンというよりも、古典派の流れを汲む音楽に聞こえるところがある。あえて言うなら「にぎやかさを増したハイドン」とでも表現したくなる。

 それがいささか私にはしっくりとこない。やはりもっとロマンチックさや甘さがあってこそのシューマンだと思うのだが、そういうところがスッパリと削ぎ落とされた演奏は、私としてはいささか物足りなく感じずにはいられなかった。

 しかし悪い演奏というわけではなく、あくまで趣味の問題なんだろう。私は首をかしげていたが、終演後には熱狂的な声援も飛んでいたから、こういうのがツボの人もいても不思議ではない。

 休憩後の二曲目はいわゆるモツレクだが、これになると先ほどと一転してレイランドのピリオドによるクールな演奏がピタリとはまる。前回にレイランドのモーツァルトを聞いたときは交響曲の40番だったこともあって、やや窮屈で自由度に欠ける印象を受けたが、今回のような格調高い音楽となると、レイランドのクレバーで整然とした演奏が音楽を引き締めるのである。

 しかも先ほどのシューマンでは単調で一本調子にさえ感じられた演奏が、こういう曲になると逆に変化と膨らみがあるように感じられる。節度の効いた適度な感情表現が加わっているようにさえ聞こえてくるから驚きである。また非常にシャープな音場が聴いていて心地良く、おかげで私にとっては「怒りの日」以外はどうも退屈という印象を持っていたこの曲を、最後まで興味深く聞き入らせてしまったのだからこれが一番の驚き(ちなみにその一方で「怒りの日」に関しては妙に淡泊で印象に残らなかったりするんだよな・・・)。

 というわけで今回の公演ではシューマンとモーツァルトで私の評価は完全にひっくり返ってしまったというところ。レイランドは定評のあるモーツァルトだけでなく、現代音楽なども含む幅広いレパートリーを持っているとのことで、前回もシェエラザードでモーツァルトとは対照的な演奏をしている。正直なところ、どうにも捉えどころのない指揮者である。

 

 

宿泊は数年ぶりの元定宿

 コンサートを終えると明日に備えてホテルに移動することにする。今日宿泊するのは南方のホテルクライトン新大阪。かつて私が活発に全国遠征していた頃には大阪方面の定宿としていたホテルの一つだが、その後のインバウンドの影響によるホテル価格の高騰、さらにはそれと対照的な私の経済状況の急激な悪化により、今や高嶺の花の高級ホテルとなってしまって永らく足が遠のいていた。しかし今回、会社の福利厚生による宿泊補助と溜まったじゃらんポイントを行使することで、ほとんど実費負担なしに宿泊が可能となったことから、明日の動線を考えてこのホテルを選択することにした。

 地下鉄で西中島南方に到着するが、駅を出るとかなり本格的な雨である。こんな時のために折り畳み傘は常備しているが、三つ折りタイプは小さいうえにキャリーを引きずっていたらある程度濡れることは避けられない。駅から決して遠いホテルではないが、この行程は結構気が滅入る。

雨の中をようやく目的のホテルに到着

 ホテルにチェックインすると部屋でようやくホッとする。部屋はツインルームのシングル使用の模様。広さは十分だが、別にベッドが2つあっても意味がない。私と一緒に宿泊してくれる美しい女性でもいれば・・・というところだが、もう私も年齢も年齢なので生涯叶わぬ夢であることは分かっている。

今回はツインルームのシングル使用

 とりあえずようやく腹が減ってきたので、ホテルへの道すがら立ち寄ったコンビニで仕入れた間に合わせ夕食を腹に入れる。焼き鳥に肉まんにネギトロ巻き、内容がてんで滅茶苦茶である。それにしてもネギトロ巻きの寿司飯が異様にパサパサすぎる。昨今のコメ不足でコンビニやスーパーの弁当の白飯が著しくレベル低下していることが最近身に染みている。自分たちの中抜きを最優先にして、国民を貧困に追い込むことしか考えない連中に政治をさせている結果である。それにも関わらず、今回は日本人はさらに貧困に拍車をかける選択をした。つくづくドMな民族だと思うが、私のようなノーマルな者まで巻き込まないでほしい。

コンビニ食寄せ集めの間に合わせ夕食

 間に合わせ夕食を終えると例によっての早速の仕事環境構築。やはり高級ホテルは机が広めなのでこういう時に楽である。今日の原稿を軽く執筆しつつ、明日のライブビューイングのチケットの確保を行っておく。

 ひと段落着いたところで入浴に行く。このホテルは男性用大浴場完備であり、これこそが私が以前に定宿にしていた最大の理由の一つ。大浴場でしっかりと体を温め、風呂上りにはマッサージチェアで体をほぐしておく。ああ、やっぱり高級ホテルは良いな(どこかから、「そこは高級ホテルでなく安ホテルだ」という声が聞こえてくる気がするが)。

 入浴後はしばし原稿執筆作業の後、眠気が襲来してきたところで就寝する。