第1回 ビビりながらの最初の一歩

とりあえず経験を・・・まずは定番のNISAから
さてNISAに取り組むぞと宣言したところで、そもそも投資の知識が皆無の私にはNISAとは投資の収益に税金がかからない制度という程度の認識しかなかった。そこで調べたところ、NISA(これはいわゆる旧NISA)にはつみたてNISAと一般NISAがあり、これのどちらかを選ぶ制度(新NISAでは両方併用できるようになっている)である。一般NISAは明らかに今まで株式投資を行っていた人が、その一部を非課税で行えるようになる制度というニュアンスが強かった。そこで私は積み立て貯金という感覚でまずはつみたてNISAを始めることにする。
NISAをするのに必要なのはまず証券口座。そこで証券口座をひらくことにするが、またこれをどこにするか悩む。どうやら一般的にメジャーなのは楽天証券かSBI証券だとのことで、とりあえず名前を聞いたことのある楽天証券の証券口座を申し込む。さらには楽天証券を使うなら、併せて楽天銀行にも口座を作った方がポイントが付いたり連携など諸々便利という話があったので、楽天銀行の口座も開設することにする。
とはいうものの、何を買ったらよいか分からない。そこで色々調べたところ、とりあえずは投資信託をするのが無難という話。それで投資信託について調べてみると、証券マンが売買を行うアクティブ投信というものと、広い範囲の売買を機械的に行うインデックス投信というのがあるとの話が出てきた。優秀なプロが売買するならアクティブ投信の方が儲かりそうなものだが、どうやらそんな簡単なものではなく、実際は専門家でも大きく勝つというのは難しく、結果としては指標に基づいて機械的に売買するインデックス投信とさして変わらないか、下手したら下回る成績というのが多いらしい。そうなると手数料としてプロの人件費が乗るアクティブ投信よりも、手数料が極めて低いインデックス投信の方が長期的に見ると有利だというのが昨今のトレンドだという。
一体何を買えばよいのやら・・・
ただインデックス投信と言ってもさまざまある。その中で具体的に何を選ぶかが次の重要ミッションである。こういう時はその関係の書物を購入するとか、その関係のセミナーに参加するなんてのが一般的らしいが、私はそもそもその手の本やセミナーを信用していない。必勝法の類なんかがあるぐらいなら、普通は一般に紹介なんかせずに自分で密かに実践して稼げば良いわけで、私としてはこんなものに費やす金があるなら、その分を貯金に放り込んだ方が生産的だろうという考え。
というわけなんで調査は主にネットの荒海を漂うわけだが(今ならジェミニ君とかに相談する手もあるが、この頃はまだAIは本格的に出てくる前)、この界隈を調査していると「S&P500、オルカン」という謎の呪文が各地で聞こえてくる。どうやらS&P500というのは、アメリカの主だった株に幅広く投資するもので、概ねアメリカの経済成長とリンクする。オルカンというのは「オールカントリー」の略で、それを全世界に広げたものだという(ただし半分ぐらいはアメリカ)。つまり前者はアメリカがずっこけない限りは成長、後者は世界が滅亡でもしない限りは成長するだろうという理屈で、初心者が何も考えずに金を託すには一番無難ということらしい。
そこでとりあえずつみたてNISAでS&P500とオルカンを買ってみることにした。とはいうものの私には未だに「株は博打」という我が家の家訓が身に沁みついており、「政府の甘言にのっかったら、ダマされて身ぐるみはがれるのでは」という不信感がある。そこで最初に投入したのはたったの3000円(そもそも手元に金がなかったこともあるが)。それでも最後の申し込みボタンを押すまでに逡巡があり、一晩頭を冷やしてから翌日に申し込んだというのが「石橋を叩き割って渡らない」と言われているビビリの私である。葛藤の末に購入申し仕込み翌月に見てみると、その3000円に数円の運用益が加わっていた。それを確認してから、私は順次投資額を増やし、最終的には月数万円のレベルまで積み上げることにした。
iDeCoもやっとかないと
またこれと併せて開始したのがiDeCoである。これは老後の年金を自分で用意するという趣旨の制度らしい。私は最初はこの制度はNISAと併用不可なのかと思い込んでいたが、実は併用可能だったらしい。なお私の会社の条件では積立額は月に1万2000円が限界だったので(後の制度改正で枠は増えたようだが)、定年までの年数を考えると、どう考えても自分年金などと言うのはおこがましい額しか貯められない計算となるが、その間の掛け金が所得から控除されるという税制面での優遇が最大のポイントである。なおデメリットとしては、満期まで引き出せないというのがあるらしいが、私のように手元に金があったら使い切ってしまう馬鹿旦那気質の者にはむしろ好都合である。
手続きとしてはNISAのために開設した楽天証券の口座から申し込むことになる。なお厚生年金の側の手続きも必要なので、そこの手続きは会社を通して行うことになった。私の放蕩ぶりを知っている事務の女の子は「一体何があったんですか!」と驚いていたが、「いや、流石に将来野垂れ死にするのが怖くなって悔い改めました」と答えた次第。なお、後にその子から「あの時に、私もiDeCoとか考えた方が良いんだろうと思った」と言われたので、余程インパクトがあったらしい。
なおiDeCoも具体的に何を買うかは自分で選択する必要があるのだが、外国株式に60%、海外REITに20%、外国債券に20%という配分にした。外国株の成長に期待(この時点の私は日本経済を全く信用していない)しつつ、リスク管理のための分散投資という原則に従って、最低限の保険をかけたということになる。
※本記事は筆者の体験談であり、特定の投資商品を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
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