第2回 茨の道を爆走する還暦前男

とりあえず第一歩は踏み出したが、ここで留まれない
それまでの放蕩三昧の生活を反省し、老後の野垂れ死にを防ぐべく「金の亡者になる」との目標を掲げて投資の海に漕ぎ出した私。とりあえず積み立てNISAとiDeCoは開始し、投資生活の第一歩を踏み出すことになった。ここで満足して「私も投資をやっている」と終わりにするのも手であるのだが、こちとら巳年の蠍座。執着心と探求心は東洋占星術と西洋占星術の両方からのお墨付きである。「金の亡者になる」とまで掲げたからにはこれで終わるわけにもいかない。
なお全くの余談になるが、私の探求心は学生時分に占いに興味を持った時には、手相から始まり、トランプ、タロット、易、算命占星術、西洋占星術など一渡りの占いを研究・習得し、自らホロスコープを描き、手相を読み、コインを使って易をするなんてことをやっていたぐらいである(他のクラスから占いの依頼なんかも来ていた)。まあそういうベースがあるから、細木数子の大殺界を聞いたときに、大昔に流行した天中殺のアレンジだということはすぐに分かったのだが、これは完全なる脱線である。いずれ別の機会にこの辺りの話も披露するかも。
つまりはそんな「巳年の蠍座」の私としては、一歩足を踏み込んだ以上は一渡りの投資手法について調査・体験をしてみようという流れに自然にたどり着いたのである。ただし正直なところこれは茨の道でもあった。以下に還暦前男のその迷走記録を残す。もしこれが地雷を避ける指針に役立ったくれたら幸いである。
まずは軍資金がないことには始まらない
投資をするにあたって何が一番必要であるか、それはまずは軍資金である。先ほどのつみたてNISAとiDeCoは給与天引きなので(実際は給与から直接引かれるのでなく、毎月クレジットや銀行振り替えで落ちるのだが)、安定した勤め先さえあればいつでも可能だが、それ以外の投資となるとやはりいわゆる種銭が絶対に必要である。
しかしそれはコロナ渦という異常な社会状況の中で思いがけず簡単に出来上がった。まず相次ぐコンサートの中止により、事前にチケットを手配していたオケのコンサートがことごとくキャンセルとなり、それらの料金が一斉に私の手元に返ってきたのである。さらには今まで私のボーナスは、積もり積もった支払いを埋めるために常に目の前をF1カー並みのスピードで一瞬にして右から左に通り抜けていた。しかし今はおこもり生活のために消費がほとんどなく、ボーナスがキチンと目の前で停車してくれたのである。結局はそんなこんなを組み合わせると、自然に100万円弱の軍資金が出来上がっていた・・・一体今までどれだけ浪費してたんだと、正直愕然としたんだが。
投資と言われているものをザっと調べると実に多彩である。一番身近なところでは銀行預金なんかも大きな意味での投資ではある。さらに外貨預金、NISAで行った投資信託、一攫千金のチャンスがあると評判のFX、さらにビットコインなどで人気爆発の暗号資産、REITなどの不動産投資、そして王道はアメリカ株や日本株などの個別株投資である。とりあえず体験してみないと分からないと、これらを一渡り手を出してみることにした。ただしとにかく素人である。基本的な投資額は各々10万円がメド。これだと万一全額すっても痛くはあるが致命傷ではない。とにかく私は「石橋を叩き割って渡らない」と言われている人間なのである。
外貨預金 高金利は魅力ではあるが・・・
まず最初は外貨預金。日本のメガバンクなんかに預けていても金利は小数点以下無限に0が並ぶレベルでほとんど0に等しい(一回のATM手数料にさえ及ばない)。しかしアメリカなど外国の銀行の場合、数%といったまともな金利が付いている。ここに預金しようというわけである。なお退職金を得た場合、取引先銀行などから「安全な投資」としてこれを進められる事例が多いと聞く。
私も実際にどんなものか10万円ほど突っ込んでみることにした。実際にやってみると分かったことは、円からドルに両替して外国の銀行に預金することになるので、為替リスクをしょい込むことである。つまりは預けている期間に為替が変動して円高になったりしたら、預金自体はドルベースでは価値が変わらない(元本に金利が付く)が、それを円に持ってきた場合には元本割れリスクもあるということである。しかも銀行の定期預金であるから満期までは動かせない(金利を捨てるなら解約は可能であるが)。そのために「あっ、今円が下がっているから今の内に円に戻してしまおう」というような柔軟な対応は不可能である。
さらに一番の落とし穴は、円とドルの両替の度に安からぬ手数料がかかること。しかも円からドルに換えて預金し、満期後ドルを円に換える際に往復で手数料がかかることになり、まさに往復ビンタを食らうことになる。
つまりはこれが適するのは外国にドルベースで投資などをしていて、常に手元でドルを動かしているような人物である。私のように円をベースにしている人間には向かないということが良く分かったのである。実際に銀行の言うがままに退職金を突っ込んだ者も、満期を迎えたら円高で元本割れに愕然としたという例が少なくないらしい。確かに勧める銀行側にしたら、ノーリスクで手厚い手数料を確保できる安全でおいしいビジネスである。
結局私は10万円を1か月ほど突っ込んでみたが、手数料分を損をするという形での撤退を余儀なくされた。これも勉強料である。
※本記事は筆者の体験談であり、特定の投資商品を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
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