第4回 投資の王道・株式購入に挑戦する還暦前男

ここまで諸々の投資について研究し、一部は挑戦もした(結果としては見事に惨敗しているのだが)私であるが、ここでいよいよ満を持して投資の王道ともいえる株に挑戦してみることにする。と言っても正直なところ「株は博打だ」と今まで避けてきていた身としては証券関係の知識は皆無(いわゆるチャートとかを見て○○ラインがいくらとか、ヒゲがどうこうというような専門的やり取りは完全にポカンである)。とりあえず考え付くことを試して見て体験学習するしかないというスタイル。
アメリカ株 知識不足で読みを外して大失敗
とりあずは絶好調という話のアメリカ株に手を出してみる。とはいうものの、リストを眺めたところで知っている企業がほとんどない。つまりは選択の材料がないのである。そこでいくらか聞いたことのある企業であがりそうだと見込んだものをいくつか数万円単位で仕込む。
まずP&G。これは私も聞いたことのある大企業。紙おむつなどの日用品を広く手掛けているだけに手堅いだろうと見込んで買ってみたのであるが・・・結果は確かに手堅い。というか全然上がらずにむしろ微減傾向。結局はあまりにパッとしない。
株式投資で一番難しいのは売るタイミングだという。読みに反して下がった時にはどこまで下がった時点で損切りをするか。これを失敗するとズルズルと損失を拡大してしまう。そこで私もいわゆる損切りラインというのを設定していた。10%が要警戒ライン、20%が損切りラインというものである。結果としてP&Gは要警戒ライン近辺をウロウロする冴えない株となり、いわゆる塩漬け状態になってしまったのである。
次に買い込んだのはエクソンモービル。これはその内にウクライナ戦争が決着したら、反動で高騰するのではと読んだのであるが、ご存じの通りウクライナ戦争は泥沼化。結局はダラダラと下がり続けて、損切りラインの手前でウロウロとというこれも塩漬け株第二号になってしまった。
このほかにもデルなどにも投資したものの、これもダラ下がりで低迷ということで結局損切り。私のアメリカ株投資は知識不足のために数万円の損失と2つの塩漬け株という惨憺たる状況で終わってしまったのである。
日本株 いよいよ満を持しての挑戦だが
アメリカ株は対象企業のイメージさえ浮かばないことから困難。となると名前を知っている企業も多い日本株の方が投資としてはやりやすいということがある。また日本株を円で売買する限りは為替リスクもないし、やはり何だかんだと言っても投資の王道という感はある。
ただ株式投資はオルカンなどの投資信託と違い、「その一社が倒産すれば株は紙切れとなって投資金は雲散霧消する」というリスクがある。そのために当たり前であるが投資対象は「社会的に必要性があって、少なくとも当面は倒産などの危機は考えられない」企業に限る。
なお私が最初に日本株でなくアメリカ株に手を出したのは、1株から購入できるアメリカ株に対し、日本株は100株の単元という単位が最小になっていたからである。恐らくこれは総会屋対策としてなされたものであると思うが、そのために数千円~数万円単位で投資できるアメリカ株に対し、日本株は最低数十万円レベルのまとまった資金が必要というのが一般投資家のハードルを上げていた。しかしこれは昨今の一般投資家の市場への参入を促す(株価を上げるための政策だが)という目的の元、ミニ株といって1株単位からの購入をできる銘柄が増えてきた。そこでまずはこれから始めてみることにする。
最初に購入したのは最近好調と聞いていた信越化学と、パワー半導体で将来性があると聞いていたローム。共に10株ほど購入したのであるが、これは見事に目論見が外れた。信越化学については株価が伸びるどころか徐々に下落、ロームの落ちっぷりはその上を行っていた。価格下落の際に株を買い足して購買単価を下げることで価格上昇に転じた時の利益を大きくするというナンピン買いにも手を出したが、価格は反転どころかさらに低下、むしろ損失を拡大するだけとなった。その内に要警戒ラインとして設定していた10%のマイナスラインに達したので、1万円程度の損失を出して損切りすることとなった。またこの際に手元資金を作るために価格のパッとしない信越も同時に売却、こちらはわずかに損失という結果に。
このようにいきなり手痛い市場の洗礼を受けることになった。そこで次に取ったスタイルは「株は安い時に買って、高くなったら売れ」という大原則に従って、下落した株を狙うという方法。ただし、もう業績悪化で倒産が見えてきていている企業などの株は問題外である。そこで一応はその企業の評判などを調べ、特に決定的な悪要因のない「謎下落」である時を狙うというスタンスを取って、日経の下落リストからいくつか選抜して購入してみた。
結局この方法はトータルでは勝率3割程度で、結果として数万円のマイナスということになった。私の目論見通りに購入後に価格が反転して数千円の利益を生み出した株もあったが、逆にそのままズルズルと下がり続けて反転の見込みのないまま損切りをした株が半分以上となった。
それにこの方法について考えると、これはまさにデイトレーダーなどが実践している方法に近く、それを本業としてつねに株式市場に張り付いている彼らと違い、本業があって時間をそちらにとられる副業投資家には向かない方法である。デイトレードにはまって仕事中に抜け出してトイレに籠っては取引をしている、デイトレーダーならぬ「トイレーダー」なんて言葉もあるようだが、そんなことをしていたら職務怠慢で解雇にさえつながりかねない。こちとらもう将来のキャリアは見えていて今更出世する見込みもその気もない人間であるが、人事評価が下がるぐらいならともかく、さすがに解雇につながる危険はまずい。
またそんなこんなをしている時に「落ちるナイフはつかむな」という証券格言に出会うことになる。下落株は様子を見てすぐには手を出すなという意味らしい。私はまさに落ちるナイフをつかみまくって手をボロボロにしていたのである。
以上、実に惨憺たる結果であるが、一番重要なことは「ここで私は損失を負ったものの、致命的な損失を受けてはいない」ということである。いずれの投資も大体数万円単位で実施しており、損失も数千円~数万円の積み重ねである。つまりは「痛いな」とは感じても「終わった」というレベルではないということ。また「石橋を叩き割って渡らない」私としては、元手を完全に失う可能性のある投資(FXなど)には手を出していないということである。まあ株も失敗すると全額を失う可能性はあるが、だからこそ倒産危機に瀕している会社のマネーゲームとかには参加していない。こういう経験を重ねている内に見えてきたスタイルが「とにかく大勝を狙わずに着実に利益を上げることを目的にする」という鉄板スタイルであり、これが次の現在の体制につながることとなる。
※本記事は筆者の体験談であり、特定の投資商品を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
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