龍王山城はアクセスに四苦八苦する
椿尾上城を後にすると次の目的地は龍王山城である。ここは天理ダムの南の山中にあり、北城と南城の二つに分かれているという。龍王山は県道247号の西にあり、カーナビによると藤井町からアクセスできそうだったのでそちらに向かったが、結果としてこれはハズレ。途中で集落の中の道とも呼べそうにない道に誘い込まれてしまい、これ以上進んだら私のノートでさえ脱輪転落は確実という状態に追い込まれてしまう。道が狭すぎるせいで私の運転の腕ではとてもバック走行では戻れそうになく、近くの民家の空いていた駐車場を借りて這々の体でUターンする始末。正直なところこれはかなり恐かった。
正解は県道247号のもっと北のところに龍王山へ向かう分岐があった。最初に来た時にはこの標識を見落としたのである。ここからは幅は狭いが舗装された山道がずっと続いている。路面は結構荒れているが、先ほどの道と違って対向車が来ない限りは走行には不安はない道だ。もし対向車が来た場合は・・・その時は天を仰いで神に祈ろう。
まずは北城の攻略から取りかかる
しばしこの山道を進むと公園のような場所に出て駐車場まである。ここに車を置くと近くには案内看板まで立っている。また結構ハイキング客がウロウロしており、先ほどの椿尾上城と違って人の気配がかなりある。
まずは龍王山北城から見学に向かう。近くに「→北城本丸」との看板が出ているのでそこから登る。登り始めるとすぐに南虎口に到着する。ここは土塁で何重にも通路を遮っているところのようだ。今日では一部の土塁は消失しているが、それでも往時の構造は覗える。
そこを抜けると本丸の下に出る。本丸の脇には辰巳の櫓もあるが、ここは登ってみても鬱蒼としている。
本丸周辺の見学はしたが、その奥に進むのは断念
半分朽ちた梯子を気をつけながら急斜面を登ると本丸に出る。本丸はかなりの規模である。ここは下草も刈られて整備されている。
本丸から再び登り口まで戻ってくると、今度は看板のあったところの道沿いに奥に進んでみる。ここは太鼓の丸の南を抜けて時の丸にまで出ることが出来る。そこから進むと案内図には名前のなかった大きな曲輪に出るが、その先は下草が多い上に崖などで単独行では進むのが躊躇われる。案内図によるとこの下に井戸やら五人衆郭などがあるようだが、そこに行くのは諦める。
かなり規模の大きい城郭で、堀も深く土塁も高い。しかも車で近くまで来たから良かったものの、下からの比高はかなりある。これは難攻不落の山城だったであろう。
南城の見学に向かう
北城の見学の後は南城の見学に向かう。馬池のところから遊歩道があるのでそれを進んだが、結果としてはこれは失敗。この遊歩道というのは意味もなく上下するだけの道で、結局は林道と同じところに出てくる。自分を鍛えるという目的でもない限りは林道を進むのが正解である。
林道を進んで田龍王社を越えてしばし行った辺りに南城の入口がある。そこを真っ直ぐ進んでいくと本丸までたどり着く。途中で曲輪の脇を通過したようだが、特別な構造は見られない。
本丸は眺望は良かったが・・・
本丸は山頂で大勢のハイカーがたむろしていて気が抜ける。ここからはなかなか眺めが良いが、城の本丸と言うよりは展望台の雰囲気。奥から覗いてみると下の方に曲輪が見えるが、降りて行くには体力がもうそろそろ限界だし、鬱蒼としている雰囲気だったので南城の見学はこれで終わりにする。
南城は北城ほど凝った作りにはなっていないようだ。ただ北城と合わせると全山が大要塞ということになる。これは合わせ技で続100名城Aクラス相当であろう。
これで本遠征の全予定が終了した。ホッとしたところで気がついたのは異常に腹が減っていること。そう言えば今朝の朝食はスーパーホテルの粗食を食べただけだった。完全にガス欠である。結局は帰途で西名阪のサービスエリアに飛び込んでラーメンを食べたのがこの日の昼食と相成ったのである。
とりあえず織部展を見学しつつ滋賀・奈良地区の宿題を解決するというのが今回の主眼であったが、今回の城郭はいずれもかなり中身の濃いものであった。まだまだこんな城郭が隠れていたとは全くの不覚。ただいずれも本格的城郭だっただけに、後での体の負担も半端ないことになり、温泉でマッタリどころか温泉でグッタリの遠征になってしまったのである・・・。