徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

姫路交響楽団の定期演奏会のために姫路市街に出向いたが・・・

無料コンサートのために出かけるが・・・

 今日はアクリエひめじで開催される姫路交響楽団のコンサートを聴きに行くことにした。今まで何度かコンサートに出かけたアマオケである。そのついでに近所の美術館を訪問しようとやや早めに車で姫路に向かう。

 最初は姫路市美術館を訪問しようとするが、美術館手前からやけに車が渋滞している。嫌な予感がしたがそれが的中。美術館の駐車場が大行列で数台の待ちがいる状態。そもそも美術館専用駐車場でなく、姫路城の駐車場であることが災いしたようだ。GWが直撃である。岸田の「自分達の利益のために庶民には徹底的に貧困になってもらう」政策のために庶民にとっては遠出など高嶺の花になっているせいで、近場にちょっと出かけるというのが増えているのではと思われる。

 車が止められないのでは話にならないので、姫路市美術館はパスして次の目的地に向かう。次に立ち寄ろうとしたのは三木美術館。ここはビルに専用駐車場がついているはず・・・なのだが、いざ現地を訪問しようとするとタワー式の駐車場が故障とのことで他の駐車場に行くように言われる。しかしどうせどこも一杯だろうし、何よりもこの辺りの駐車場は姫路でも非常識に相場が高いのが常。結局はここもパスすることにする。

 結局は目的にしていた美術館を2カ所ともスルーという悲惨な状況になってしまった。そもそも車で来たのは、アクリエ姫路が駅から嫌な距離がある上に美術館とは全く別方向なためだが、結果としては車で来たことが祟ったことになる。

 

 

 仕方ないので昼食を摂ることにする。立ち寄ったのは大昔に一度利用した記憶のある「お食事処てつや」。確か昼には日替わり定食の類いがあった記憶があったのだが、GWのせいかそれはなし。しかも団体予約が入っている模様で、メニューも限定されるようである。仕方ないので「トンカツ定食」を頼む。

御食事処てつや

 まあ普通の定食である。ただトンカツ専門店などとは違い肉は薄いしそんなに良くもない。一番の問題は町の定食屋のメニューとして、これが最大で1000円までなら問題ないが、これで1700円+税ということ。CPが悪すぎて話にならない。これでは再訪はないと断言できるレベル。

これが1870円とはcpが悪すぎ

 ちなみにここのところ、飲食店のCPの悪化が急速なんだが、これは間違いなく政府が放置している円暴落の影響だろう。我が家の毎日の食事代も食品価格高騰の影響でランクを落とさざるを得なくなっているように、飲食店も同様に大幅値上げか材料の質の低下が進んでいるようである。国内で暮らす限り円安なんて関係ないと自民党のアホウが言ったらしいが、公費での料亭通いで飲食費など考えたことのない世襲のバカ政治家らしい発言である。ああいう無能を政界から追放しないと、庶民はいずれ餓死に追い込まれかねない。

 

 

 今日は出だしから散々である。美術館についてはいずれ日を改めてJRで再訪するかどうかは微妙なところ。姫路は車社会のくせにその車が使いにくいというどうしようもない町である。

ホールに到着したものの

 これでは今日はもうどうしようもないので、諦めてさっさとホールに向かうことにする。まだ開場の30分前ぐらいなのだが、既に駐車場は多くの車が停まっており、ホール入口前にも長い行列が出来ている。入場料無料なので、やはり貧困化した市民は金のかからないこういうイベントに殺到する模様。また子供連れが多いのは、子供達に安上がりに「教養」を身につけさせようという親御さんが多いのか。

早速この行列に並ぶことに

 30分ほど待った後にゾロゾロと入場。ホール中央後方のまずまずの席を陣取る。ホールは時間の経過と共に観客が増え、一階席は開演15分前には前方席を除いてほぼ満席、二階席などにもかなり入っている模様。そして開演直前になった頃には前方席もほぼ塞がった。

まずまずの席を確保する

 姫路交響楽団は1974年に創立したという歴史あるアマオケであるが、コンサートは無料というのがポリシーとのこと。まあ確かにそれが幸いしてアクリエの大ホールが一杯になるぐらい集客している。

開演前にはほぼ満席

 

 

姫路交響楽団第91回定期演奏会

指揮:黒田洋/永井孝和

バーンスタイン 「キャンディード」序曲(指揮:永井孝和)
チャイコフスキー バレエ「白鳥の湖」作品20 より(指揮:黒田洋)
ラフマニノフ 交響曲第2番 ホ短調 作品27(指揮:黒田洋)

 一曲目はバーンスタインの華々しい曲。姫路交響楽団は編成が大きい(16型)ので、そのパワーを活かしてブイブイと元気に演奏していた。永井の指揮は細かい制御は省いて思い切り鳴らさせたという印象のもの。いささか粗さも見られたが、まあノリで押しきった感がある。

 二曲目は指揮者が交代しての白鳥の湖。大編成のパワーで押し切れる曲ではなく、そこで細かい制御が必要なのであるが、強音はよくても弱音が完全に弱音になりきれないところがあるのはアマオケではありがちのところ(プロオケでも難しい場合がある)。それにこれだけロマンチックな曲になると、単に音を鳴らすのではなく聴かせる技が奏者に必要になるのだが、そこはどうしてもアマチュアの限界がある。管楽陣など演奏におけるしでかしはなかったのであるが、情緒や味わいで聴かせるというところまでどうしてもいけない。また弦楽陣もビブラートが不安定な奏者も混ざっているようで、どうしても音色がビブラートとノンビブが混ざったような感じになり、いささか音色が痩せる傾向がある。それがどうしても曲調から顕著に目立ってくる。

 そういうわけでアマオケの演奏としては取り立ててダメな演奏なのではないが、どうしても観客に聴かせるという点ではもう一押し欲しいところがあったのは事実。まあそこをしっかり聴かせられるレベルになれば、プロとして金を取って客を入れることが出来るのであるが。

 ラストは最近とみに演奏機会が増えてきているラフマニノフの交響曲。いささか暴走気味のパワー溢れる楽章と、第三楽章などのような情緒タップリの音楽が対比的な振幅の多い作品である。

 決して簡単な曲とは思えないのだが、この曲の方が奏者の練度が高いのを感じられた。先ほど見られたような不安定さや今一歩のまとまりのなさは影を潜めて一丸となって曲を進めていく印象である。味わいを見せるべきところではそれなりの表現も出来ており、まずまずのラフマニノフであったように思われた。

 大拍手に答えてのアンコールは白鳥の湖より小さな白鳥の踊り。ユーモラスで軽快なこの曲でこのコンサートを締めたのである。

 

 コンサートが終了すると、一斉に観客が駐車場に走る。もうこのホールでの定期演奏会も回数を重ねているので、この後に駐車場が車を出すのに大混雑が発生することを観客も十二分に知っているからだろう。これは明らかにこのホールの設計の大馬鹿さのせいだが、二台しかない事前精算機には大行列が出来、それを見て見切りをつけた客の一部が事前精算をせずにゲートでの精算に走る結果、2つしかないゲートが大混雑して延々駐車場の中で待たされることになるのである(駐車場から出るのに1時間近くかかることさえある)。そのためにこれを避けるべく、コンサートが終わると精算機まで走るか、それとも完全に諦めてしばしホールで時間をつぶしてからゆっくりと出るかに二極分化する次第。私はいつまでもホールで時間をつぶすような暇もないので、結局この競争を抜けてとりあえずホールを10分ぐらいで後にすることに。それにしても今日は異様に暑くて疲れた・・・。