徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

ティム・バートン展を見てから、初めて関西フィルの演奏を聞く

新装なった大阪駅は老人に優しくない

 今日は大阪方面のライブ及び展覧会に出かける。新装なった大阪駅はかなり複雑になって分かりにくい。今日の展覧会会場は大阪駅北のグランフロントなるビルの中にあるらしいが、変に洒落て作っているビルのせいでとにかく構造が分かりにくい上に、案内看板も実に見にくい。妙なところをデザイン優先にしてしまったダメダメ設計の見本のようなビルになっている。

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広くなった大阪駅

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とにかく天井もエスカレーターもデカイ

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ここから陸橋でグランフロント大阪へ

 

 

「ティム・バートンの世界」グランフロントイベントラボで4/19まで

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 独特のイマジネーション溢れる映画作品で有名なティム・バートンのイラストや映像作品などを集めた展覧会。

 彼の描くキャラクターはキモカワとでも言うのか、グロテスクで悪趣味なのだが、なぜか妙に愛嬌がある。この独特の感性は好き嫌いの分かれるところである。ただ基本的には典型的なアメリカンの思考だという印象を受ける。会場内では彼の映像作品である「ステインボーイ」を上映していたが、典型的なアメリカンナンセンスグロギャグアニメからギャグの要素だけを抜いたような作品だった。

 なお彼のデザインした宇宙生物的な謎生物の造形などもあったが、私の脳裏をよぎったのはあさりよしとお氏の「宇宙家族カールビンソン」。なぜか感性に似通ったところがあるように思われた。

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これなんかまんまカールビンソンに出てきそう

 

 

昼食はラーメン

 どこかで昼食をとも思ったが、とにかく建物が分かりにくい上に飲食店がどこにあるのか分からない(地下にガラガラのビアレストランはあったが)。それにもし見つけたところで高そうな気がしたから、さっさと移動することにする。工事中の梅田の貨物駅の地下を横切って天空回廊のビルを抜けて進むと目的のザ・シンフォニーホールが遠目に見えてくる。大体場所を確認したところで、まだ開演まで1時間あるので昼食を摂っておきたい。目についたラーメン屋「まこと屋」に入店する。

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ホールが遠目に見えてきたところで

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見つけたラーメン屋「まこと屋」

 注文したのは鳥醤ラーメンと並盛り炒飯のセット(1040円)。炒飯は極めてオーソドックスなもので可もなく不可もなく。ラーメンは意外とあっさりとしたラーメンで味は悪くない。また結構野菜が入っているのが面白い。

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ラーメンと炒飯のセット

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麺は細麺

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炒飯

 昼食を終えるとホールへ。このホールに来るのは何年ぶりだろうか。前に来た時には私はまだ学生だった気がする。考えてみれば、社会人になってからライブとはかなり遠ざかっていた。

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ザ・シンフォニーホール

 今回は私はかなり安いチケットを買っているので、席は3階の一番端っこ。ステージは半分しか見えないし、椅子も固定式ではなくて臨時のパイプ椅子である。それにここは結構高さがあるので、高所恐怖症がある私としてはどうも落ち着かない。

 

 

関西フィルハーモニー管弦楽団 第263回定期演奏会

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[指揮]飯守泰次郎(関西フィル桂冠名誉指揮者)
[ヴァイオリン]清永あや
[管弦楽]関西フィルハーモニー管弦楽団

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調

 座席が悪いせいでオーケストラの聞こえ方のバランスが悪い(バイオリンが遠くて、金管がやけに近くに聞こえる)ので、オーケストラの技量が云々と判断できるような条件ではなかったので、そちらはよく分からない。清水あや氏のバイオリンに関しては非常に流暢な演奏という印象を受けた。ただ流暢であるが故に力強さは今ひとつ感じられなかった。
 メインのブルックナーについては私はあまり詳しくなく、5番についてはじっくり聞いたのは初めてなのだが、分厚い管楽器のメロディーの下でうねるような弦楽器を重ねる重層的な音色構成に面白さを感じた。ただとにかく長いので、指揮者も前振りで「半分ウトウトしながら聞かれるのが良い」と冗談交じりに言われていたが、確かに気が緩むとウトウトしかねないような曲である(実際にウトウトしている者も少なからずいた)。その長大な曲をなかなか退屈させずに聞かせるような充実した演奏であったと感じた。

 

 久しぶりのザ・シンフォニーホールだが、やはりここの音響は抜群であることを再認識した。やはり先の兵庫県立芸術文化センター大ホールとは音響の質が違う。残響2秒のふれこみは嘘ではなく、この3階席でも十二分な響きが伝わってきた。心地よく音楽に身をゆだねることの出来るホールである。

 久しぶりに良いホールで大作を堪能すると満足して家路についたのである。