深大寺城の見学を終えると八王子のホテルに移動する。宿泊ホテルはサンホテル八王子。八王子駅近くの駐車場を持つホテルである。大浴場がないのだけが私の好みとはズレる。
ホテルに到着したのはチェックイン時刻の前だったが、駐車場が空いていたのでチェックイン手続きだけはして車は置かせてもらう。車を置いたところでJRで東京に向かうことにする。最初の目的地は新宿の美術館。ただ今日はまだ昼食を摂っていなかったので、新宿の「ぜん」で出汁茶漬けをかき込んでから美術館へ向かう。
「フランスの風景 樹をめぐる物語 -コローからモネ、ピサロ、マティスまで-」損保ジャパン日本興亜美術館で6/26まで
樹木をモティーフとして、ヨーロッパ絵画の変遷を探るという展覧会。
樹木と言えばやはり最初はバルビゾン派から始まるが、この頃はかなり緻密に葉などを描き込んでいるのが、印象派辺りになるとザックリとしたイメージで樹木を描くようになり、それ以降になると完全に一体の塊としての描き方になる。
こうやって見ていると、この間の絵画の流れが果たして進化なのかどうかに疑問も湧いてくる。初期の印象派の絵画に浴びせられた「未完成な稚拙な絵」という罵倒が意外と的を射ているような気さえしてくるから不思議でもある。
新宿から原宿経由で乃木坂に移動。それにしても原宿駅は異常な混雑である。歩きにくくて鬱陶しくて仕方ない。
「オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展」国立新美術館で8/22まで
オルセー美術館及びオランジュリー美術館から貴重なルノワールの作品を集めて展示。
最大の目玉はルノワールの最高傑作とも言われる「ムーラン・ ド ・ ラ・ギャレットの舞踏会」。多くの人物がみっちりと描き込まれた大作で圧倒される感がある。これ以外でも一般的に馴染みのある作品が多数展示されているが、オルセー展は今まで何度も開催されている関係で、どこかで見たことがあるという作品が意外と多い。
珍しいところではルノワールの風景画が多数展示されていること。この辺りはいつもの女性を描いているルノワールとはかなりタッチも違う。
有名どころ作品も結構あるが、全体としての印象は意外と渋いないようだなというもので、結構マニアックとも言える。それはそれで面白いのであるが。
国立新美術館を後にするとここからサントリー美術館まで歩く。
「原安三郎コレクション 広重ビビッド」サントリー美術館で6/12まで
歌川広重と言えば大抵は東海道五十三次で始まるところなのであるが、あえてそれではなくて江戸名所百景や六十余州名所図会を中心に展示しているというところがマニアックな展覧会である。
共に広重の晩年の作品であるので、東海道五十三次の頃から見られていた広重独特のデフォルメや浮遊する視点、さらに巨大な前景越しの描写(俗に実相寺アングルなどとも言うが)などの特徴がさらに拡大深化されている。そういう点でより濃密な広重らしさを感じることができ、なかなかに興味深い展覧会となっている。
なかなかに面白い展覧会であった。ただ城跡巡りの後での美術館三連荘はいささか疲れたのも事実。そこで美術館の見学を終えたところで「加賀麩不室屋」で麩あんみつで一服。甘さが体に染みいる感覚。生麩ってこんなにうまいんだね。
夕食もヒルズで済ませて帰る
深大寺で歩きすぎたせいでもう既に一万歩を越えている。長距離ドライブもあったし、既に体力は完全に限界に達しているので、もう今日はこれでホテルに戻ることにする。ただその前にここの地下の「平田牧場」で夕食を食べていくことにする。「とんかつ定食」を頂くことに。内容には不満はないが、やはり場所柄CPはやや厳しいものがあるが、今はそんなことを言っている余裕がない。
ようやく八王子のホテルに戻った時にはグッタリと疲れていた。この日はシャワーを浴びると早めに就寝する。
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