朝からチケット獲得作業が
翌朝の予定はかなりゆっくりしている。今日は残りの美術館一カ所に立ち寄って、後はフェスティバルホールでのライブに参加するだけだから、チェックアウト時間の11時近くまでのんびりするつもり。そこで予定では9時頃まで朝寝するつもりだったのだが、部屋の壁が薄いので回りが活動を開始し始めるとバタバタと五月蠅いせいで7時過ぎ頃に目が覚めてしまう。ただし昨日のダメージが残っているのかとにかく体がだるくて仕方ないので、そのまましばしゴロゴロすることに。
9時頃にようやく起き上がると着替えと荷支度。ただチェックアウト前に用事がある。夏に参加予定のライブのチケット販売が今日の10時から。とりあえず10時前からサイトに接続するが、サーバがスローダウンしてしまっていて一向につながらない。ようやくサイトにつながるのに20分ほどを要する。あまり良い席ではないが、何とか座席は確保できた模様。
座席を確保できたところでホテルをチェックアウトする。今日の最初の目的地は大阪市立美術館。最初は地下鉄で行こうかとも思ったが、よくよく考えると地下鉄天王寺駅自体がかなり南で美術館から遠い。それならここから歩いて行っても大して変わらないということで歩いて行くことに。
「肉筆浮世絵-美の競艶」大阪市立美術館で6/21まで
浮世絵と言えば版画が一般的にイメージされるが、肉筆画を中心に活躍した浮世絵師もいるし、肉筆画には版画とは異なる魅力がある。そのような肉筆浮世絵の展覧会。
肉筆画が版画と異なるのは、非常に細かい精緻な筆使いが覗えるところ。また色彩の鮮やかさも際立っており、このような肉筆画を見ると浮世絵の重要な要素として女性が着ている着物の絵柄があることがよく分かる。また作家による絵柄の特徴というものもよく分かる。人物の顔の描き方には各人によってかなり個性が現れる。そのようなものを存分に堪能できる。
また本展では有機ELを用いた照明やアクリルのケースを通して作品を間近に見られるようになっていたことも作品鑑賞の上で非常に有効である。自然に近い色調で精緻な描き込みを間近に見れるというのは実に貴重な体験である。
昼食はMIOで洋食
これで今回予定していた美術館はすべて回り終えた。フェスティバルホールに移動する前に昼食を摂っておきたい。昨日MIOで夕食を摂った「青葉苑」の向かいにあった洋食屋「プチ グリル マルヨシ」が気になっていたので、そこに立ち寄ることにする。昨日は洋食の気分ではなかったのだが、今日はガッツリと洋食気分だ。注文したのは「ビフかつランチ(1380円)」。
ソースやドレッシングなどがなかなかに秀逸である。典型的な「洋食屋」のビフかつというイメージだが、ここはそもそもは阿倍野の老舗の洋食屋の姉妹店らしい。道理で昨日見かけた時からこんな場所の店にしてはそこはかとなく雰囲気を感じると思っていたのである(いわゆる「ポムの樹」なんかとは対極の雰囲気)。最近の私はまるで頭文字Dのキャラクターのように、うまい飲食店からはオーラが見えるようになってきたようだ。ちなみに看板メニューはロールキャベツだとか。また機会があったら食べてみたい。
昼食を終えるとまだ時間があるので、時間つぶしも兼ねて同フロアの「和カフェちさと」でお茶をすることに。ぜんざいが名物らしいので「ぜんざいと冷抹茶のセット(800円)」を頂くことにする。
ぜんざいを売りにしているだけあって小豆はなかなかうまい。もっとガッツリ食べたい向きには大きなサイズのぜんざいもあるようだが、さすがに今の私にはそれは不可。
昼食も終えてお茶でくつろいだところでそろそろフェスティバルホールに移動する。今回確保している席は三階席の前から2列目。席としてはまずまずの席なのだが、ここの三階席は思っていたよりも高いので、高所恐怖症のある私には恐怖を催す席。高所恐怖症だけでなく広所恐怖症の気もある私には、実は高い天井というのも苦手要素であるのでそもそもから大ホールは苦手なのである。それにしても高い位置の座席だ。しかも前の柵が異様に低いのがさらに恐怖感を募らせる。よくぞ1列目を確保しなかったものだ。それでもどことなく落ち着かず、心拍が平常時の1割増しぐらいになっているのが自分で分かる。
東京都交響楽団創立50周年記念大阪特別公演
指揮 大野和士
ピアノ 小山実稚恵
曲目
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番
チャイコフスキー:交響曲 第4番
小山実稚恵のピアノは先週の日本センチュリーに続いて2回目である。やはりやや音色に硬質さを感じるが、曲調との関係もあるのか先週のシューマンほどは気にならない。それよりもテクニックが前面に出た華麗な演奏がなかなかに映えている。
大野和士の指揮はなかなか熱の入った激しいもの。興が乗ってくると腕を振るのではなくてグルグルと回し始めるのが印象的。かといって馬鹿の一つ覚えのように大音量アップテンポで突っ走るという単純な演奏ではない。聴かせどころをしっかりと聴かせるなかなか熱演のチャイコの4番であった。
都響についてはかなりレベルの高さを感じた。チャィコの冒頭の金管からかなり聴かせるが、弦も非常に音色が美しくて乱れがない。そして全体のアンサンブルの精度が高い。私の感想は「うまいオケだな・・・」というもの。
どうも今回の遠征で私が今まで聴いた国内オケの一番と二番に当たったかなという印象。かなり満足して帰宅することが出来たのである。