徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

お知らせ

アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

山形交響楽団大阪公演を聴きに行く

山形交響楽団のコンサートに出かける

 さて、つい昨日に読響のコンサートに出かけたところだが、この週末はさらにコンサート三連発ということになっている。まず第一弾の金曜夜はいずみホールで開催される山形交響楽団の演奏会である。

 いずみホールは初訪問。最寄り駅は大阪城公園で、そこからそこそこ距離があるようだから、ザ・シンフォニーホールよりは時間がかかると見ておく必要があるだろう。金曜の仕事を早めに終えると慌ててJRに飛び乗る。しかしこういう時に限って何かあるものだ。信号機事故があったとかで列車が予定よりも遅れてしまい、それでなくても余裕がないスケジュールがさらにタイトに。

 こうなると夕食をどうするかが問題。さすがに空きっ腹を抱えてのコンサートはキツイ。一番安全なのはホールの近くで夕食を摂ることだが、どうもホール近辺は飲食店がなさそう。隣に高級ホテルがあってその中に飲食店があるようだが、そんなもの私の予算に合わないのは調べるまでもなく想像がつく。京橋から歩けば京橋周辺には飲食店は多数あるようだが、私は京橋の土地勘が全くないのでそこからホールまでにどれだけかかるかが全く読めないし、京橋でこれという店がすぐに見つかるかも疑問。結局は大阪で済ませるかということになり、駅に近くてとりあえずすぐに食べられる店と考えた時に私の知っている店は「ミンガス」しか浮かばなかった。こんな時に限って券売機のトラブルとかでいつになく待たされたのだが、それでもロースカツカレーを10分ほどでさっさとかき込んでホールへ向かう。

 大阪城公園駅からは思っていたよりも近い。ただ今日は雨が降っているので、キャリーを引きずっての移動が嫌だ。

 ホールの収容人数は800人ぐらいとのことで、ザ・シンフォニーホールなどと比べると一回り小さい。箱型(いわゆるシューズボックス型と言うんだろうか)で、ステージと客席が感覚的に近いホールである。

f:id:ksagi:20211017135617j:plain

ステージとの段差も少ない

f:id:ksagi:20211017135631j:plain

そう大きくはないシューズボックス型ホール

 

 

山形交響楽団 さくらんぼコンサート2015 大阪公演

飯森範親(指揮)、上原彩子(p)

モーツァルト:交響曲 第1番 変ホ長調 K.16
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調o p.15
モーツァルト:交響曲 第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」

 山形交響楽団は弦8:8:6:5:3の構成の小規模な楽団。トランペットやホルンなどの管楽器に古楽器を用いているのが特徴。指揮者の飯盛氏によるプレトークによると、古楽器を用いるメリットはアンサンブルのバランスが良くなるのだとか。現代式のトランペットだと楽器としての性能が良すぎるので、普通に吹くとトランペットが弦をかき消して飛び出してしまう(実際に今まで何度もそういう演奏を体験している)のだが、古楽器だとそういう心配がなしに思い切り吹けるんだとか。

 さてモーツァルトの交響曲1番はつい最近にN響の演奏で聴いたところである。第一楽章は非常に良くできている印象だが、それに比して第二、第三楽章がおまけに聞こえてしまうところがある曲である。とは言ってもこれを作曲した時のモーツァルトは8才とのこと。確かに神童だ。

 山形交響楽団の演奏は、とにかくアンサンブルのまとまりが良いなというのが印象に残る。古楽器を用いた管はどうしても音程が不安定になりがちだが、それでもアンサンブルのバランスという意味では確かに指揮者が言ったとおりの効果は上げている。

 ベートーベンのピアノ協奏曲1番は残念ながら私にはやや退屈な曲。ただ演奏の方はソリストの技術もしっかりしており、バックのオケとも息が合っていてなかなかのものだった。

 ラストのジュピターは実に気持ちの良い演奏。アンサンブルのまとまりの良さがひときわ映える。モーツァルトを堪能したなという印象の演奏である。

 頭を振り回してややオーバーアクション気味の飯森の指揮は、モーツァルトにはややビジュアル的にうるさい感はあるが、演奏としてはメリハリをつけたなかなかにうまいもの。指揮者とオケがツーカーな関係のようで、オケがよく指揮者の意図を汲み取って演奏に反映していたようである。山形交響楽団は飯盛の手兵という印象であり、飯森の本領はこの規模のオーケストラのコントロールの時の方が発揮されているようにも感じられた。

 

 

 なかなかに楽しめるコンサートだった。なおこのコンサートは多分に山形の観光紹介も兼ねており、ロビーでは山形の名産の販売なども行われ、山形の謎のキャラクターもやってきていた。帰りにはおみやげにサクランボが配布され、抽選で当選者にはさらにサクランボが1パック配られたようだ(残念ながらくじ運の類を全く持ち合わせていない私はハズレである)。このサクランボは後でホテルで頂いたが、さすがになかなかうまかった。

f:id:ksagi:20211017135708j:plain

謎のゆるキャラ

f:id:ksagi:20211017135727j:plain

おみやげさくらんぼ、なかなかに美味し

 今日は大阪で一泊である。この晩の宿泊ホテルは先週も利用したジーアールホテル江坂。駅から微妙な距離があるのが、こういう雨の日には結構嫌である。

 ホテルに到着すると、途中のマックスバリュで仕入れた夜食を頂いてから入浴。一息ついたところで就寝する。