徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

ハルカス美術館に立ち寄ってから、井上道義指揮大フィルのブルックナー7番

ホテルでゆっくりしてからハルカス美術館へ

 翌朝は8時過ぎまで爆睡。ここのホテルは少々うるさい(外国人が多いせいか?)ことと昇降式のベッドが寝返りを打つ度にギシギシと軋むのが難点である。もっとも昨晩は疲労もあって途中でそんなものは気にならなくなったが。

 シャワーで目を覚ますと、一階のレストランで朝食バイキング。和洋両用でたっぷりと摂っておく。腹が膨れるとテレビを見ながらしばしマッタリ。深読みで「最近の女性は痩せすぎなので、このままいくと将来不妊や骨粗鬆症が増加する」ということを放送している。そんなもの今更言うまでもなく以前から問題になっている。一番の問題は多くの女性がアホなファッション紙などで美意識を完全に破壊されていることである。多くの男性が「痩せすぎで女性としての魅力を全く感じない」と言う不健康なモデルなんかを「美しい」と間違った洗脳をされた結果である。男でああいうのを好むのはごく一部のガリガリフェチぐらいで、それと同じぐらい数のデブ専もいる。

 10時になると京都市交響楽団の秋の演奏会のチケットを押さえるためにHPに接続。しかしサーバがダウン気味で全くつながらない。ようやくつながったのは10分後、一応座席は確保できた。どうもここといい、PACといい、サーバがあまりに貧弱すぎるようである。

 チケットを押さえたところでホテルをチェックアウト。今日の予定だが、西宮で開催される大フィルのブルックナーを聴きに行くつもり。開演は3時からなので時間はかなりある。とりあえずは江坂から地下鉄で天王寺まで行き、そこの美術館に立ち寄る。

 

 

「昔も今もこんぴらさん」あべのハルカス美術館で7/12まで

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 古くから庶民の信仰を集めたのがこんぴらさん。往時には伊勢参りなどと同様に大いに賑わった。中にはこんぴら狗と言って、犬に代参してもらうという例もあったという。

 またこんぴらさんは代々の宮司が美術に関心が高かったこともあり、多くの美術品を所蔵することでも有名。中には日本の洋画界の先駆けとなった高橋由一の作品といった意外なものも含まれる。

 さらに円山応挙の襖絵や伊藤若冲による壁画など名作が装飾に用いられていることで知られている。本展ではそれらの襖が展示されており、間近でこれらの逸品を堪能することが出来る。

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こんぴら狗

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参拝風景

 こんぴらさんは数年前に訪問しており、その時にはあとで足腰がガクガクになったのを覚えている。襖絵などとはそれ以来なのだが、久々に円山応挙の「猫図」(正しくは「虎図」なのだが、私にはこの方がしっくりくる)を堪能した。どうも犬だの猫だのと、そっち系のマニアを意識したような展覧会である。

 

 

昼食は天王寺で洋食

 展覧会の見学を終えたところで昼食を摂ることにする。立ち寄ったのは以前にも訪問したことのある「マルヨシ」。ここの看板メニューでもある「ロールキャベツ定食(1600円)」を注文する。以前に来た時から気になっていたメニューである。

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MIO内のマルヨシ

 ここのロールキャベツは本店と味が変わらないように、本店で煮込み調理したものを持ってきているという。そのためか予想外に出てくるのが早い(多分温めてソースをかけるだけなんだろう)。さて料理だが、デミグラスとカレーの二種類のソースのツートンカラーとなっている。変化をつけて飽きるのを防ぐためと思われる。切ってみるとたっぷりのキャベツで細かいミンチ肉をくるんでいる。ミンチ肉は味付け程度で、キャベツを頂くメニューとなっているわけだが、このキャベツが美味。またソースが二色になっているのも思った以上に効いている。なるほど、確かにこのメニューはありだ。

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ロールキャベツ定食

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まさに丸ごとキャベツ

 昼食を堪能したら同じフロアの茶店で「抹茶寒天(700円)」で一服。さっぱりした抹茶寒天に黒蜜をかけて頂くのが美味。また小豆の味がなかなかに良い。

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茶店で一服

 さてこの時点で1時前。どうも時間が中途半端になってしまった。今から西宮に直行したら30分もあれば到着するので向こうでかなり待つ羽目になる。しかしどこかに立ち寄るにはちょっと余裕がない。当初予定ではハルカスではなく兵庫県立美術館に立ち寄るつもりだったのだが、あそこの駅からの坂道をキャリーをゴロゴロ引いていくのがしんどかったのでハルカスに切り替えたのである。今から兵庫県立美術館に行く気もしないし、それには少々時間不足だ。

 結局はかなり早めに西宮に向かうことになった。というわけで、現在この部分はホール前のベンチでポメラで打っている(笑)。そろそろ開場時刻になったのでホールに入場することにするか。

 

 

井上道義指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団 大ブルックナー展 第2回


指揮  井上道義  
ピアノ  関本昌平  
管弦楽  大阪フィルハーモニー交響楽団  

モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番(ピアノ:関本昌平)  
ブルックナー:交響曲 第7番 〈ノヴァーク版〉  

 1曲目のモーツァルトはオーソドックスなもので特別な印象はない。小編成のオケにしていたのでまとまりは良いのだが、その点に関しては昨日の山形交響楽団の方が上を行っていた。またソリストもややクールなタイプの演奏で、特に問題点はないのだが強烈な印象に欠ける。もう少し歌っても良いように感じた。

 メインのブルックナーだが、こちらはメリハリの効いた演奏で退屈しない。何しろブルックナーになると何かとウツラウツラしかける私が全く眠気が起こらなかったのだから大したもの。16:14:12:10:8の大規模編成の弦楽から繰り広げられるサウンドが圧倒的で、何も考えずに多層的な旋律の渦に心を委ねることができるような印象。相変わらず管には時々危なっかしいところが垣間見えたが、それが致命的にはならなかった。ホールの音響の悪さも力業でねじ伏せたというところである。ブルックナーを面白いと感じたのは初めてかも。

 

 なかなかの名演を堪能できたが、演奏以外で一つだけ気になったことが。以前からこのホールはとかく観客のマナーが悪いと言われることがよくあるのだが、ステージ上にオケのメンバーが揃っているのに大声で独り言を呟いているオバハンが。「何だ?」と思って見てみたら、目つきを見ただけで明らかに関わらない方が良い類の相手だと一発で分かる。彼女は演奏が始まった後も終始落ち着かないように体を動かしたり手でゴソゴソと何かを触ったりと、一瞬たりとも体が止まらない。その挙げ句に飽きてきたのか途中から独り言をボソボソ言い始めた様子。私のところからは若干距離があったので、視界の端にゴソゴソしているのが引っかかる程度で実害はなかったが、席が近くの者はあれではたまらないだろう。一見してそれと分かるタイプなので最初から入場させないでほしいところだが、病状は人によって様々なので、演奏中に静かにしていられる者なら入場を拒否すべき理由もないので難しいのだろう。治療の一環として音楽を勧める医師もいるようだが、勧めるならコンサートでなくてCDにして欲しいところ。

 

 

奈良に移動して宿泊する

 演奏にはなかなか満足したので、とりあえず12月に開催されるブルックナーの4番のチケットを購入してからホールを後にする。この後は明日に備えて奈良まで長距離移動である。大阪に戻ると大和路快速で奈良へ。奈良に行くのは久しぶりだが、改めてこうして来るとやはり遠い。それに知らない間に大和路快速が途中の王子で一部切り離されて4両編成になるというダイヤ改悪もなされているので心理的にも遠くなっている。

 今日の宿泊ホテルはJR奈良駅から直接接続してあるスーパーホテルLOHAS奈良。以前に一度宿泊したことがあるが、楽天トラベルから予約したその時は内向きの窓幅10センチの部屋をあてがわれてたまげものだが、今回はちゃんと窓のあるまともな部屋に当たった。JR奈良駅がすぐそこに見える部屋である。

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夜の奈良駅

 部屋に荷物を置くとすぐに夕食に繰り出す。昼食がキャベツ主体で消化が良かったのか、かなり腹が減っている。とは言うものの、店を探しに町中に繰り出していくのもしんどいし面倒。昼が洋食だったせいか、気分的にはあっさりとしたいところ。いっそのこと駅内のマックスバリュで寿司でも買うかと思ったが、なぜか寿司は置いてなかった。仕方ないので同じく駅にある「三条坊」でうどんを食べることに。うどんは腰があってまあまあだが、出汁の方がいかにも安直でやや残念。それにしてもこの駅内はやよい軒とか魚民とか使い物にならない店が多すぎる。駅のデザインも日本を代表する古都の駅としてはあまりにお粗末すぎるし。

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駅内のうどん店

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うどんの定食を夕食にする

 夕食を摂って帰ってくると大浴場で入浴。ここは温泉大浴場があるのが特徴。だからこそここを選んだのである。ナトリウム塩化物泉の湯で体をゆったりと温めて疲れを抜く。今日は江坂から天王寺、西宮、奈良と移動が長距離だったのでかなり疲れている。それにしても年のせいか、こういう移動がかなり体に堪えるようになってきた。今では昔みたいに青春18切符で走り回るのは無理である。

 風呂から上がって部屋に戻ってくるとしばし原稿書きをしていが疲れがどっと出てきたので早めに就寝する。