エキナカで朝食を摂ると西洋美術館へ
翌朝は8時に起床すると9時頃にホテルをチェックアウトする。今日は上野の美術館に立ち寄ってから鬼怒川温泉まで移動する予定。今日だけはどこもコンサートがないようなので、鬼怒川温泉まで足をのばしてゆったりしようと考えた次第。鬼怒川温泉は以前に一度だけ宿泊したことがあるが、あの時のホテルが悪名高い伊東園ホテルだったため、鬼怒川温泉自体にあまり良い印象が残らない羽目になってしまった。そこで今回リターンマッチという次第。
昨日と同様に上野駅の駅ナカで朝食を済ませると国立西洋美術館へ。なおチケットは、森アーツギャラリーで開催中のエジプト展との合わせ技チケットを今朝ネットで購入している。
「黄金伝説展 古代地中海の秘宝」国立西洋美術館で1/16まで
古代ヨーロッパの伝説では黒海周辺は黄金に纏わる伝説が多いというが、約40年前に黒海沿岸で大量の金製の副葬品を収めた墓地が発見されるに至って、これらが単なる伝説ではないということが明らかになってきた。
この6千年以上前の黒海沿岸の世界最古の黄金文明から3千年後、イタリアでは精緻な金細工技術を持つエトルリア文明が華咲く、そしてこれらの技術はその後のヨーロッパの文明とつながっていく。
このようなヨーロッパで栄えた黄金文明について紹介するのが本展。美術品の展示などもあるものの、展示品は基本的にはキンキラキンの黄金製品の連発である。時代が下ってくるにつれて加工技術が向上し、非常に精緻な細工品が現れるようになる流れが面白いと共に、いかに黄金が多くの人々を魅了してきたかということに思いを至らせることになるのである。
歴史背景云々よりも、とにかくキンキラキンの展覧会であった。あぁ、私も黄金の鍋を一つ欲しい(笑)。
特別展見学後は常設展を一回りする。現在本館の方は耐震工事中とかで別館の方のみの展示である。ここの展示品は何度も見ているが、やはり圧倒的にクオリティが高い。
鬼怒川温泉まで東武の特急で一気・・・のはずだったが
展覧会の鑑賞を終えると北千住に移動する。とりあえず東武の特急きぬのチケットを購入してから昼食にする。時間が30分ほどしかないので、さっさと済ませられるところで駅前の「かつや」で昼食。吉野家の牛丼なんかは食べる気がしないが、ここのカツ丼は結構利用している。
昼食を終えると駅に入って特急ホームに向かう。しかしなにやら様子がおかしい。なんと東武は昨日の北越谷付近での踏切障害事故の影響とかでダイヤが滅茶苦茶になっているのだとか。特急列車も全く到着しておらず、私が乗る予定だった列車はいつ到着するやら分からない状態とのこと。これではどうしようもないが、日光なら東武を諦めてJRを使用するという選択肢もあるものの、鬼怒川温泉となれば東武を使わないわけにはいかない。仕方ないのでとりあえず一本早い時間の特急列車に振り替えてもらってホームで到着を待つことにする。
ホームで待つこと1時間、列車は予定よりも1時間半遅れて到着した。さぞや車内は満員であろうと予測していたのだが、予想に反してガラガラである。振り替えやら何やらで大混乱しているのだろう。
何とか無事に列車は北千住を出たものの、そこからがまた大変である。何しろダイヤが全面崩壊している状態。前の列車につかえたりでトロトロ運転しかできない。それでなくてもそもそも遅い特急きぬがさらに徐行運転。少し走ればすぐにスローダウンで遅れは段々と拡大していく始末。東武動物公園をすぎるまでに遅れはさらに30分以上拡大した。
最終的に鬼怒川温泉に到着したのは3時半だった。当初の予定通りに行っていたら鬼怒川温泉に到着するのは1時半のはずだったのだから、2時間遅れたことになる。列車に乗るのに1時間待ち、列車に乗ってから1時間遅れた計算だ。なお私は列車を30分早めてのこの結果であるので、列車自体は2時間半遅れたことになる。さすがに遅れすぎということで、鬼怒川温泉駅で特急料金が払い戻しとなった。
ようやく到着した鬼怒川温泉駅では美少女の立て看板がお出迎えしてくれる。こんなところにまで萌えが・・・。何やら最近は日本中が聖地化してきた印象で、どうも肩身が狭い。
予定がかなり狂ったのでホテルに直行することに
当初予定では、早めに鬼怒川温泉に到着すると荷物をホテルに預けて温泉街の散策でもするつもりだったのだが、もう既にホテルのチェックイン時刻を過ぎているので直ちにチェックインすることにする。ホテルは駅から結構遠く、重たいキャリーをゴロゴロと引きずりながら10分ほど歩くことになる。途中には以前に宿泊した伊東園ホテルもある。
今回の宿泊ホテルは大江戸温泉物語グループのホテル鬼怒川御苑。大江戸温泉物語のホテルは以前に下呂温泉で宿泊して食事などが結構良かった記憶があることから選択した次第。夕食がバイキングというのが気になるが、伊東園ホテルのものとは根本的に違うという噂を聞いている。人気があるらしい上に私のようなお一人宿泊は条件が難しく、今までなかなか予約が取れなかったのだが、今回は平日前日ということで予約が取れた次第。こういうことがあるのは飛び石休のメリット。もっとも飛び石部分で休暇が取れなかったら万事休すだが。
10分ほどかかってようやくホテルに到着する。なかなか大きなきれいなホテルである。なお伊東園ホテルもホテル自体は大きいのだが、あそこは施設を使いつぶすだけで清掃をろくにしておらず小汚い印象があった。しかしここのホテルは、サービスは簡素であるが施設も綺麗し部屋もキチンと清掃されている印象がある。これは幸先が良さそうだ。
夕食は5時からとのことなので、それまでに入浴することにする。ここの風呂は地下に大浴場と離れたところに露天風呂があるという。まずは露店風呂から次は大浴場をはしご。鬼怒川温泉はアルカリ単純泉だが、ヌルヌル感などは強くなく、特別な浴感はない。ただ広々として川を見下ろせる見晴らしの良い浴場は快適。また浴場にも伊東園ホテルのような薄汚さはない。
夕食はバイキングで
風呂から上がってしばしマッタリしたところで夕食時間になるのでレストランに行く。バイキングは品数も多くて豪華。寿司に焼きたてのステーキ、揚げたての天ぷら、和洋中にデザートまでありとあらゆるものがそろっている。そして何よりも味がよい。これは伊東園ホテルの給食以下の夕食とは同一次元で比較すること自体が失礼と言うものだ。伊東園ホテルのレストランには殺伐とした空気が流れていたが、こちらには穏やかな明るい空気が流れており、子供などの喜ぶ声も聞こえてくる。ああ、これが正しいバイキングの姿だよなと感心することしばし。ただここのバイキングの最大の問題点は「ダイエットの敵である」という一点。実際に私も途中で早めに切り上げたにも関わらず明らかに食べ過ぎた。
さらに一つ計算違いが起こったのは、時間を早めにガッツリ食べてしまったから腹時計と実際の時間に時差が生じたこと。腹時計はそろそろ10時過ぎと言っているにも関わらず、実際の時間は8時半という次第。夜中に腹が減らなければよいが。
もう一度入浴した後は、NHKのクラシック音楽館のハイティンクの演奏をBGMにしながらこの原稿の入力。ベートーベンのピアノ協奏曲第4番が放送されていたが、ここでもペライア節は炸裂していたようだ。かなり装飾過剰気味の、ベートーベンには聞こえないベートーベンであった。
放送の終わった頃にはかなりの疲労が出てくるので就寝する。
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