徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

お知らせ

アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

渋谷の美術館に立ち寄ってから、チェコフィルのコンサートを聴きに行く

 新宿から次は渋谷に移動。まずは東口から出るとバスで次の美術館へ。ここはとにかくアクセスが悪いのが問題だ。

「村上華岳-京都画壇の画家たち」山種美術館で12/23まで

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 村上華岳の「裸婦図」が重要文化財に指定されたことを記念しての展覧会。

 とは言うものの、華岳の作品は「裸婦図」以外は大して展示されておらず、実体は京都画壇展であったというのが本展。竹内栖鳳から上村松園など京画壇の蒼々たる面々の作品を目にすることが出来る。

 華岳の「裸婦図」については、女性の肉体の柔らかさのようなものが描かれているにも関わらず、エロチックな感が全くなくて神々しさを感じさせるのが最大の特徴。これは華岳の観音図などに通じていくことになる。

 

 バスで渋谷に戻ってきた時点で3時半過ぎ。サントリーホールまでの移動時間を考慮してももう一カ所回れそうだ。近くの美術館となれば・・・BUNKAMURAに向かうことにする。

 

 

ハロウィンの渋谷はかなり「ウザい」

 しかしハチ公前出口を出たところでとんでもないことになっているのに気づく。どうやらハロウィンのせいで仮装をしたおかしな連中が大量に闊歩していて、道路がまともに歩けない状態。思わず「ハロウィンうぜえ」という言葉が口をついて出る。それでなくても以前からハロウィンのバカ騒ぎは不快に感じていたのだが、ここに至ってそれも極まれりだ。日本では金になるなら外国の行事を何でも取り入れようとする。どこの業者がこんな行事まで日本に仕入れたんだ?その内にイスラム教のラマダンなんかも始めるんと違うか。

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渋谷は若者でごった返している

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こういう意味不明な連中も出没

 

 

「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」BUNKAMURAで12/7まで

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 最初は風景画は絵画のジャンルとしては確立しておらず、宗教画などの単なる背景に過ぎなかった。しかし17世紀のオランダ・フランドル絵画などで独立した1ジャンルとして成立していくことになる。本展はウィーン美術史美術館が所蔵する風景画を展示した展覧会である。

 本展展示作も、当初は宗教絵画の背景から始まるが、それがやがて独立した絵画となり、今度は逆に人の姿を風景の一部として取り込んだ世俗画が登場することになる。本展では各月の農作業などの風景を現す絵画が展示されていたが、これは農業カレンダーとしての意味もあったという。当時の生活が垣間見えて面白い。

 風景画と言えば印象派というのが日本での一般的イメージだが、本展はウィーン美術史美術館所蔵品であることから、その遙か手前の時代まで作品ばかりである。その辺りが展覧会としては地味な印象につながっているように思われる。私も個人的には後で特別に印象に残った作品がなかったというのが本音。

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企画展連動の謎の像

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かなりシュールだな

 BUNKAMURAの見学を終えたところで5時前。サントリーホールに向かうことにする。夕食をどうしようか悩んだが、コンサートの開始が6時とやや早いので、夕食はコンサート終了後にすることにする。

 現地到着は開場時刻の10分ほど前だが、もう既に人だかりが出来ている。チケットは完売と聞いているが、確かに場内はほぼ満席であった。なお私の席は二階席の一番奥。本当はもっと良い席で聞きたいところだが、私の予算ではB席を購入するのがやっとだった。ここからだとステージがかなり遠い。

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既にゾロゾロとやって来ている

 

 

イルジー・ビエロフラーヴェク指揮 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 

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ピアノ:ダニール・トリフォノフ

曲目
スメタナ: 連作交響詩『わが祖国』から「モルダウ」 
ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番 op.18 
チャイコフスキー: 交響曲第5番 op.64 

 最初のモルダウを聴いたところで驚いた。いわゆるご当地オケのご当地プログラムというレベルの演奏ではなく、弦の響きなどが明らかにヨーロッパの一流オケのものである。ただおかげで「モルダウ」でなくて「ドナウ」に聞こえてしまう。

 ラフマニノフに関してはピアニストのトリフォノフの演奏は極めて甘美なもの。元々甘々のこの曲がさらに甘美なトロトロのものになっている。

 チャイ5については適度に抑制のかかった演奏。かなり洗練された音色の演奏であり、いわゆるロシアオケなど泥臭い演奏とは対極的な演奏となっている。これはこれで名演なんだが、果たしてチャイコらしいかと言えば難しいところもある。

 演奏全般にあまりチェコらしさを感じさせなかったチェコフィルなのだが、アンコールの「売られた花嫁」序曲はチェコらしさを炸裂させたなかなかの名演だった。やはり私の好みは少々泥臭いぐらいの演奏の方が良いのか。

 

 

夕食を摂ってから戻る

 何やかんやで終了したの8時半頃になっていた。今日はまだ夕食を摂っていないので腹が減って仕方ない。六本木一丁目まで戻ると、駅近くの「和幸」に閉店ギリギリに駆け込んで「牡蛎フライとヘレカツご飯(1250円)」を頂く。牡蠣フライが空腹に染みる。

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夕食は「和幸」に飛びこむ

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牡蠣フライが空腹に染み込む

 夕食を摂って人心地ついてからホテルに戻った時には夜の10時を越えていた。それにしても今日は疲れたと思って確認したら、今日一日で2万歩を越えていた。いつものことながら、私の東京遠征は下手な山城攻略よりも歩数では上回ることが多い。とりあえず足にかなりのダメージがきているので、入浴して足をしっかりとほぐしてから就寝することにする。

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