今日は中部フィルを聞きに行く
翌朝は8時前に起床するとまずは目覚ましの朝風呂、次はホテルで朝食。このホテルの朝食は結構メニュー豊富でなかなか良い。デザートにわらび餅があるのが気に入った。
今日の予定だが、小牧市市民会館で開催される中部フィルハーモニー交響楽団の演奏会を聴きに行くだけ。時間にかなり余裕があるのでチェックアウト時刻ギリギリの10時までホテルでゴロゴロするが、それでもまだ時間が余る。この後、ネカフェに場所を移すというのもイマイチなので思いついた美術館を訪問することにする。
「ルネサンスからルオーまで 聖なる風景」ヤマザキマザック美術館で2/28まで
岡崎美術博物館と三重県立美術館の収蔵品を中心に、キリスト教に纏わる絵画を展示。
作品は様々。いかにも古くさいタイプの宗教画もあるが、グリマルディの作品のように宗教画を口実にして実質的に風景画を描いているもの(かつては風景画はレベルが低い絵画と見られていたのでこういう手を使う)など様々であった。しかしやっぱりムリーリョは何回見ても圧巻である。技術、存在感共に傑出している。
この美術館はロココ絵画から印象派などまで幅広い絵画を収蔵しているが、特にロココのコレクションが優れている。音声ガイドを聴きながらソファでくつろいで絵画を眺めている内に、気がつけば2時間近くをここで費やしていた。途中で時間に気がついて慌てて小牧に移動することにする。昼食をどこで摂るか悩んだが、小牧でも食べるところぐらいあるだろうと移動を急ぐことにした。しかしこの見通しは甘かったことは小牧に着いてから痛感することになる。
小牧に移動するが昼食に苦労することに
30分ほどで小牧駅に到着するが、駅の回りに飲食店と呼べるものが皆無であることに唖然とする。小牧駅の回りは大きなビルは結構あるのだが、飲食店は見当たらない。そもそも通行人をほとんど見かけないことから、完全に名古屋のベッドタウンとなっていて昼間人口が少ないのだろう。と言うことは飲食店を開いても経営が成り立たないか。地方都市を侮っていた。
市民会館まで歩いて行く間にも飲食店は皆無。当の市民会館内も喫茶さえもない模様なので、やむなく向かいに見かけたサイゼリアに行くことに。しかしこの周辺で飲食店はここぐらいしか見当たらないためか大混雑で待たされる。どうもコンサート客が多いようで、開場時刻になった途端に一斉に客が減る。私はとりあえずあまりうまくもないパスタを頂いてからホールへ向かう。
小牧市市民会館は典型的な地方の文化会館。以前に訪れた犬山市民文化会館や前橋市民文化会館など内部は区別がつかないぐらい個性がないホールである。ただ観客は結構やって来ている。中部フィルは意外と人気はあるようだ。
中部フィル第50回定期演奏会
指揮/秋山 和慶
ピアノ/務川 慧悟
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.18
ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調Op.27
この一年で何度目になるか忘れたぐらいのラフマニノフのピアノ協奏曲第2番である。務川のピアノは最初はやや硬さを感じられたが、曲が進むにつれて柔らかさが現れてきて曲調にあった演奏になった。ただこの曲ももっと甘美な演奏の方が合うだろう。
二曲目は同じくラフマニノフの2番といっても交響曲の方。決してメジャーとは言いにくい曲であるが、随所にロシア調の旋律が現れる楽しめる曲。秋山の指揮は殊更に奇はてらわないオーソドックスなものであるが、オケの方も比較的手堅い演奏をしていたように感じられた。
例によって中部フィルはそんなにうまいオケではないが、それでもなかなか熱の入った楽しめる演奏をしていたように感じられた。
小牧でのコンサートを終えると今日はそのまま帰途へ着いたのである。
今回はオケ三連荘であるが、セントラル愛知交響楽団も中部フィルハーモニー交響楽団も決して上手なオケではないが、それでもコンサートとしては楽しめるものであったし、固定ファンもいる様子であった。各地方のオケが今後も地域に根ざして活性化していければ良いのであるが・・・。観客層が明らかに高齢者中心であるのが最大の懸念である。