徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

岡山の小山城(国吉城、小笹丸城)を見学してから美星町天文台へ

とんでもない山道を抜けて国吉城へ

 完全に鈍りきった体をボチボチとリハビリ的に動かしているところだが、この日曜は近場の山城を訪問することにした。と言ってもハードな山城だととても体がもたないので、車で近くまで行ける比較的楽なところ限定ではあるが・・・。

 朝から出発すると、岡山方面に向かって高速を突っ走る。岡山JCTで岡山道に乗り換えると賀陽ICまで。最初の目的地は高梁市街よりもさらに西の川上町にある国吉城。

 国道313号から県道299号に乗り換えるとひたすら山の中へ向かって進む。途中で右に分岐する道があるのでそちらに入るのだが、これが山間の住宅の間を抜けていく狭い道。この狭い道を進んでいくと途中で急カーブがあって、それが国吉城に向かう道。しかし最初は看板が裏向きだったせいもあって通り過ぎてしまう羽目に。途中で気がついて引き返してくる。

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道はこの調子

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ここを右

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かなりひどい道を進む

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ここを左なのだが看板が裏返しで分からない

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引き返してきたら看板が見えた

 分岐からしばらく進むと手前に城山公園の大きな駐車場があるが、車はまだ先まで進める。その内に周囲が城内めいてきたと思うと、城門よろしく石柱が立っているのでその手前に車を置く。

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左に駐車場があるがまだ進める

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ここがどん詰まり

 

国吉城を見学

 国吉城は三村元親の備中松山城の支城であり、1574年には小早川隆景率いる二万の毛利軍に攻められ、激戦の末に落城したという。関ヶ原合戦後に毛利が移封になってからは城主が何度か変わったが、1611年に幕府直轄領となった際に廃城となったとのことである。

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城門から先に進む

 ここから少し歩くとすぐに削平地にたどり着くが、ここが主郭のようである。ここの南端には国吉神社が建っている。

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削平地が見えてくる

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国吉神社

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かなりの高度がある

 主郭の南部から3段下まで小曲輪が段々につながっている。なお私が事前に調べた時にはこの3段目に木造の櫓のような建造物が建っている写真を見たのであるが、私の訪問時には老朽化によって撤去されたのか、土台の跡しか残っていなかった。

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数段の曲輪が続く

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三段目には櫓の土台跡が残っている

 4段目からは降り口のようなものも見えるが、その先は急な上に鬱蒼としており、しかも今日は昨夜の雨のせいか足下がぬかるんで滑るので、とても進んでみられる状況ではなかった。

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四段目の曲輪

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進めるかもしれないが降りる気はしない

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後を振り返って

 公園となっている割には人気もなく寂れムードが濃厚である。また桜の木が生えているのだが、今ひとつ元気のない木が多くて花はあまり咲いていない。どうも春には花見も出来る城跡公園として整備したのに、利用があまりなくて放置されている雰囲気である。目下のところは下草は刈られているようだが、下手すればいずれはここも藪に埋もれてしまう可能性もあり得るように思える。

 

小笹丸城へ向かう

 何やらもの悲しさの漂う国吉城を後にすると、次に目指すのは小笹丸城。美星町にある中世の山城である。戦国期の地方領主クラスの詰めの城と考えられ、築城年代は明確ではないが、1575年には竹野井常陸守氏高・竹野井又太朗春高が居城したと伝えられているとのこと。

 案内看板の場所

Google マップ

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この左に案内看板があり、車を停められる

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案内看板


 小笹丸城があるのは山間の住宅地の裏山。車は入れないので手前の方の案内看板のところにおいて、住宅の間を登っていくのだが、これが意外に疲れる。やがて山が近づいてきたところで、山の東側に登る道があったのでここを進んだのだが、これは失敗。結局は東側からの登るルートを見つけることが出来ず、城を一回りすることになる。

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この道を進んでいく

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自動車進入禁止の看板

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住宅の奥に見える小山が小笹丸城

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ここを登ったのだが、これは結果としてハズレ

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左手に登り口はなく、結局城を一周することに

 城の西に回り込んだところで登れる道を見つけたので進んだのだが、結果としてはこれも間違いだった模様。かなり荒れた道を足下を気にしながら慎重に進んだものの、実はこのさらに南にキチンと整備された歩きやすい正規ルートが整備されていることを知ったのは帰り道であった。

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西側でこの道を見つけたが、結局はこれもハズレ

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もうちょっと進んだ先にこんな立派な道が

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こうなってるらしいんだが

 

内部はかなり荒れている

 たどり着いたのは遠藤周作記念碑と案内看板が立っている曲輪4。しかしかなり藪化が進行していて歩くのが困難である。この城は複数の曲輪が山頂の主郭をグルリと取り囲んでいるシンプルな構造である。この曲輪から主郭に登るルートがあるのだが、これがかなり藪化していてこれも歩くのが難儀。

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たどり着いた曲輪4もかなりひどい状態

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草に埋もれた遠藤周作の歌碑

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主郭への登り口もわけが分からん状態

 主郭はそう広くはない曲輪で、何やら祠が建っている。ここには桜の木が数本生えているようだが、ここもかなり下草が茂っている。

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何とか登った主郭も下草がひどい

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案内表示が折れている

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洞の背後にわずかに土塁があるような

 ここから今度は北に降りると虎口構造をもった曲輪に出る。ここは竪堀の脇に虎口などの構造が見られるというこの城で一番複雑な構造をした部分。いわゆる大手口はこちらだったんだろうと考えられる。

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反対側の曲輪2に降りる

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これが竪堀

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下の曲輪7には井戸が見える

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曲輪6の虎口

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左手に見えるのが曲輪6の土塁

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曲輪6の奥の一段下に曲輪5

 小さい城であるが、意外と面白い構造をしていた。惜しむらくは整備状態の悪さか。冬でこの有様なら、夏場になると惨憺たるものになるのでは。定期的に下草刈りとかはされているんだろうか? 周囲の集落にあまり人の気配がなかったのが気になるところである。

 

美星天文台に立ち寄る

 次の目的地を目指す前に、ここまで来たのだから近くにある美星天文台に立ち寄ることにする。美星町はその名の通りの美しい星空で知られている町で、天文台を所有しており、一般にも開放しているという。

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中世夢が原

 

 美星天文台がある一帯は中世夢が原という中世の建物を復元したテーマパークになっているようで、なかなか面白げなのだがこちらに立ち寄っている余裕は今日はない。またいつか再訪の機会があれば立ち寄ることにして、まずは天文台へと向かう。

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美星天文台の観測施設

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公開されているのはこちらの施設

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101センチ望遠鏡

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天文台は美星町を代表する施設である

 美星天文台のドームの中には101センチ望遠鏡が設置されているが、これが一般に公開されているもので、天文観測会なども開催されているという。ドームから外に出て風景を眺めたが、回りはひたすら高原の風景で住宅のようなものは見えない。これは確かに天文観測には好条件だろう。

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天文台ドームからの眺め

 なお天文台では天体映像の上映なども行っているようだが、これも今回は見ている余裕がないので次回にすることにする。

 

昼食にそばを摂る

 天文台の見学を終えると夢が原内のそば屋「夢味庵」に立ち寄って昼食を摂ることにする。注文したのはそば会席の「星膳(1200円)」。そばも天ぷらも味はまずまずなのだが、全体的にややボリューム不足。正直なところそばぐらいはもっとガッツリ食べたい気分である。

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夢が原内に蕎麦屋がある

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夢味庵

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星膳

 美星町は天文台を中心として、この辺りを観光拠点にしていると考えられるのだが、私の訪問時には観光客らしき人影は皆無であり、今ひとつ観光開発が軌道に乗っていない雰囲気があるのがやや気がかりである。

遠征の続きの記事

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