三度目の正直で有賀城に挑む
大熊城の見学を終えたところで、いよいよ今回の遠征の主目的の一つである有賀城のリターンマッチに挑むことにする。今までは2回江音寺からのアクセスを試みて断念しているが、今回は県道50号からのアクセスを試みることにする。こちらの方がかなり高度を稼げるはずである。
県道50号の脇に道路がやや広くなった部分があってそこに車を置ける。ここから木橋をわたって進むと、なんちゃって冠木門があって有賀城の看板も出ているので、それに沿って登っていくことにする。
足下はしっかりしているのだが、例によってすぐに息が上がる。久々に自分の心音が聞こえてくるような状態。それでもヨタヨタになりながら登っていくと大きな竪堀のところに出る。
不動明王にたどり着き背後の尾根を登っていくが・・・
ここから南側に尾根を登ると不動明王の像があって背後に堀切が切ってある。そこをさらに進むとダラダラした尾根を登っていくことになる。
息を切らせながら尾根を登り続けると高圧電線の鉄塔らしきものが見えるが、道はさらに上に続いている模様、そこでさらに登ったところ二つ目の鉄塔のある削平地に出たのだが、ここで何かがおかしいことに気づく。どうも城跡らしい構造が見つからないのである。先ほどの尾根筋もひたすらダラダラと登るだけで曲輪の加工もなかったし、ここの平地も曲輪のイメージではない。
慌ててネット検索。有賀城の縄張り図のようなものが出てくるが、どこにも鉄塔の記載がない。おかしいと思ってさらに調べると「本丸の奥の一番はずれにお不動さんの像が」の記述が。「やってしもた!」と思わず大声が出る。私は城域をはずれて無関係の背後の尾根をひたすら登ってしまったらしい。それでなくても体力不足でヘロヘロだというのに、無駄な体力を消耗してしまった。登城路を登った時、ずっと南側に尾根筋が延びているのを目にしていたので、てっきり本丸はその上だと思いこんでいた。事前調査が甘すぎたようである。慌てて足下に注意しながら再び尾根を降りていくことになる。
無駄に体力を浪費して再び降りてくることに
改めて不動明王像のところまで戻ってくると、確かにここの二重の堀切は背後の尾根からの攻撃を防ぐための構造であり、さらに北側の大堀切が完全に敵を妨げる構造になっている。ここから北側に回り込むと、本丸にたどり着いた。
有賀城本丸は背後からの攻撃を防ぐためにかなり高い土塁を築いており、東と西は急斜面である。南側には五段の曲輪が築いてある。
いずれの曲輪もそれなりの面積があり、一番下の曲輪からは江音寺方面に通じると思われる道が見える。
なかなかの規模の上に見応え十分の城郭であった。わざわざここまでやってくる価値を感じさせるものだったが、無駄に体力を費やしてしまったのは計算違いだった。鈍った体を立て直すと言っても、これは少々キツすぎた。
有賀城も武居城と同様に、尾根筋の背後を断ち切って城郭にするというパターンの城郭である。背後の山上ではいかにも高すぎるということだろう。しかしあの山上には曲輪にできそうな地形もあったし、赤松氏のような高山好き?なら、あの山上に城郭を築いたかもというような気もする。
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