徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

山梨県立美術館に立ち寄ってから夕食は郷土料理三昧

美術館の前に甲府の名物ほうとうを昼食に

 重伝建見学の次は山梨県立美術館の見学である。甲府市まで再び長距離のドライブとなる。今日も結構な距離を走っている。

 美術館が近づいてきたが、美術館に入館する前に昼食を摂っておきたい。甲府と言えばやはりあれか。美術館近くの「甲州ほうとう小作」(2021年時点での注: この店舗は残念ながら2020年度に閉店となった模様です)に入店する。この暑いさなかに熱々のほうとうはという気もあったが、さすがに店内は冷房を効かせてあり、すぐに冷たいお茶が出てくる。そこで「鴨入りほうとうのセット(2100円)」を注文する。

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甲州ほうとう小作

 鴨肉入りのほうとうに小さなウナギ飯とデザートのわらび餅がついている。ほうとうはお約束通りにカボチャを初めとする野菜がたっぷり。もっちりした麺が何とも言えずうまい。やはり甲府と言えばこれに限る。かなり久方ぶりのほうとうを堪能したのである。

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ほうとうのセット

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このもっちりした麺がたまらない

 腹も膨れて満足したところで向かいの美術館に入館する。この美術館も久しぶりだが、結構私の好きな美術館である。

 

「ルネサンスの巨匠 ミケランジェロ展」山梨県立美術館で6/12まで

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別名ミレー美術館ともいわれる山梨県立美術館

 彫刻のみならず、絵画から建築まで幅広い才能を示したルネサンスの巨人・ミケランジェロだが、本展では主にその建築に重点を置いた紹介をしている。

 ミケランジェロ本人は「自分はあくまで彫刻家であり、画家の真似などできない」と言っていたらしいが、教皇からの命令で有無も言えずに不本意ながら取り組んだのがシスティーナ礼拝堂の壁画であるが、結果としてこれが彼の絵画の才能をも証明することになったのは皮肉ではある。

 建築に関しては、最初は建築の装飾を手がけていた関係で建物本体の設計にも携わるようになり、書物などを参考にして取り組んだとのことである。しかし後には装飾のないシンプルな建築物の設計にも取り組んでおり、彼がこの分野の能力をも有していることを証明することになった。

 本人はあくまで本業である彫刻のみに専念したかったようだが、周りからの無茶ぶりに対応している内に才能を広げていったようである。何とも奇妙なキャリアアップ法に見える。

 

 特別展の鑑賞後は常設展の方も鑑賞していく。ここはミレー美術館と言われるぐらい、国内ではミレーの作品が多いことで有名であるが、以前に何回も見た名作が展示されている。落ち穂拾いや種播く人が目玉である。またミレー以外でも牛のトロワイヨンなどバルビゾン派の名品がそろっていて見応えがある。

 

 美術館の見学を終えたところで一息つきたくなった。向かいの文学館内の喫茶でパフェを頂いて一服。

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パフェで一服

 

ホテルでくつろぐと夕食に出かける

 これでもう今日の予定は終了だ。3時を回ったことだし、早めだがホテルにチェックインしてしまうことにする。今日の宿泊ホテルはドーミーイン甲府。最近人気の高級ビジネスホテルである。最近はやけに価格が高騰したせいでなかなか泊まれなくなっていたが、甲府のドーミーはまだ比較的価格がマシだったのと、元々私の贔屓のホテルであることから少し張り込んだ次第。

 ホテルにチェックインすると早速最上階の温泉大浴場へ。やや褐色の湯が浴槽に満たされていて実に快適。久々のドーミーはいいな・・・。

 風呂に入ると着替えの洗濯などをして時間をつぶす。TVをつけると鉄拳が「こんな笑点はイヤだ」とかやっている。「昇天」ってのは誰でも考えるネタか。

 6時過ぎになったところで夕食のために町に繰り出す。ドーミーイン甲府は甲府銀座なる繁華街の中にあるのだが、この繁華街が見事なまでのシャッター街である。ただ私が目当てにしていた店は営業していたのでホッとする。立ち寄ったのは「銀座江戸屋」。山梨の郷土料理の店だが、店名には山梨らしさは全くない。

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私の行きつけの江戸屋

 注文したのは、まずは甲府名物の「鳥の肝煮」と「馬刺」。さらに「ドジョウ鍋」と「ホッキ貝の刺身」を追加。鳥の肝煮は相変わらずクセがなくてうまい。また馬刺もよい。ドジョウ鍋については浅草の老舗には負けるのは仕方ないか。ホッキ貝の歯ごたえが心地よい。

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鳥の肝煮

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馬刺し

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ドジョウ鍋

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私の好きなホッキ貝

 さらに「砂肝」を追加したところで一大決断。実は前々から気になっていたメニューが一つ。それは甲府名物の「煮貝」。アワビを煮た郷土料理だが、素材が素材だけに価格が高く(この店でも税抜き1980円)、今までパスしていた次第。しかしこのままではもしもの時に悔いが残りそうである。というわけで今回は清水の舞台から紐なしバンジーでこれを注文。

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砂肝

 アワビの貝殻に盛られて出てきた料理は見た目も豪華。シコシコした身が美味いが、やはり抜群なのはアワビの肝。コクがあってうっとりするような旨味がある。この値段でなければ毎週でも食べたい料理だ。

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煮貝はさすがに抜群に美味かった

 最後は締めでサケ茶漬け。今回は山梨の郷土料理を堪能したが、支払いはアワビが響いてトータル6480円。やってしもたというところだが、もうこうなると開き直るしかない。

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締めの鮭茶漬け

 ホテルに戻るとテレビを見ながらマッタリ。「真田丸」が始まったので見るが、完全に現代劇になってしまっていて見ていても面白くない。しかしそれ以上に致命的に耐え難いのが、登場人物が明らかに頭のおかしな奴ばかりでまともな普通の人物がいないこと。NHK大河ドラマも、切り札とも言える真田をネタにしてこんなものを作ってるようならもう先がないわ。おかしな連中のおかしなドタバタ劇は描けるが、普通の人物の普通の心情を描けないという三谷幸喜の限界が露骨に現れている。明らかに脚本家の選定で失敗したと言うべきだろうな。やっぱり今はまともな脚本書ける奴がほとんどいないということか。多分、その手の職業に就く連中にオタク的な連中が増えて、人間をよく知らない輩ばっかりになったんだろう。そう言えば三谷幸喜もかなりの人見知りだと聞いたことがある。

 夜にもう一度入浴すると、ドーミー名物の夜鳴きそばを頂いて一服。とにかく疲労が強いのでこの日は早めに就寝する。

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