徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

京都市交響楽団第630回定期演奏会&METライブビューイング「マーニー」

 翌朝は7時に起床するが、前日ほどではないにしてもやはりやや体には怠さがある。とりあえずレストランで朝食バイキングを頂いてから、シャワーで体を温める。今日は午後から京都市響の定期演奏会がメインのスケジュールだが、その前に10時からの映画(METライブビューイング)があるので、9時過ぎにはチェックアウトの必要がある。とりあえず何とかそれまでに体を目覚めさせる。

 ホテルをチェックアウトすると、とりあえず重たいキャリーは四条駅のコインロッカーに放り込み、京都での上映館MOVIX京都に向かう。映画館は京都市役所南の繁華街の中にある。METライブビューイングの上映は地下の劇場だが、オタクな風貌の若者がゾロゾロと地下に向かっていると思ったら、隣の劇場で「ラブライブサンシャイン」を上映中とのこと。私はこの作品のことは全く知らないが、ポスターを見ただけでどういう類いの作品かは想像が付く、どうも私が最も苦手にするタイプの作品のようだ。実際のところ、昨今のアニメ界がこの手の作品ばかり量産するようになったのが私がこの世界から距離を置くようになった最大の理由。

 METの方はこちらの作品の入場を締め切った後に入場が始まる。大分客層も違うが、客の人数の方もかなり違う。入場者は20人ちょっとと言ったところか。やはり新作オペラとなると従来のオペラファンにもやや敷居が高いか(私自身も昨年度「皆殺しの天使」だけは行ってないし)。やや寂しい感があるが、入場客にとっては他の客に煩わされない好条件ではある。

 

METライブビューイング ニコ・ミューリー「マーニー」

 ヒッチコックの映画にもなった作品を、METの依頼でニコ・ミューリーがオペラ化した新作である。

 作品の印象としてはやはりオペラと言うよりも映画。ニコ・ミューリーの舞台と一体となった音楽は、不協和音が多くてメロディラインのハッキリしないいかにも現代的な内容、さらには舞台のシーンを想定しての場面とのシンクロ性の高さ故に完全に劇伴になってしまっている。このことが余計に映画感を強くすることになる。しかしその一方で歌自身はかなり節回しの複雑なメロディが多いので、これは歌手には負担が大きい。

 しかも映画的である故に通常のオペラと違う重要事項としては、ヒロインに歌唱力だけでなくビジュアル面も求められるということがある。本作のヒロインのイザベル・レナードが銀幕女優並みの美女であるから作品自体が絵になるが、これがいくら歌唱力があってもガタイのごついおばさんではどうしても絵にならないという問題がある。彼女は歌唱力面、ルックス面で本作には申し分なく、それだけで本作の成功要因になったとも言える。そういうかなり特殊な作品である。

 心理劇の絡んだストーリーはかなり観客を引きつけるものがある。複雑なヒロインの内面心理をいかに描ききるかも主演に求められるところ。難しい歌唱に心理劇の演技力、さらには劇中で数十回に及ぶ衣装の早替えなどまで含めてとにかく主演に求められるものが非常に多いが、それを難なくこなしてしまったイザベル・レナードには驚かされた。

 なかなかに面白かったが、ただ本作がオペラとして未来に残る作品かと言えば疑問はかなりある。そもそも彼女以外に本作を演じられる歌手がいるのか? ニコ・ミューリー自身が彼女が演じることを想定して作ったという主旨のことを語っていたが、確かにあまりにそこに特化しすぎていて汎用性がないことを感じる。私自身の感想もオペラを堪能したという感覚でなく、面白い映画を堪能したという感覚になっている。

 

 上映終了は13時、この後の京都市響のコンサートは北山で14時半からだから時間はあまりない。とりあえず近くの大起水産で寿司を5皿ほどつまんでからホールへ移動する。

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大起水産で昼食

 

京都市交響楽団 第630回定期演奏会

[指揮]マルク・アンドレーエ

[Pf]ゲルハルト・オピッツ

ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調op.15

ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲「展覧会の絵」

 ブラームスのピアノ協奏曲は、いかにもブラームスらしいスケールが大きくて落ち着いた演奏である。オピッツのピアノは流麗で変な誇張はないオーソドックスなものであるが、十分に情感のある巧みなもの。バックのアンドレーエも非常に手堅い伴奏をする。

 展覧会の絵の方はそのアンドレーエの手堅さがかなり正面に出た印象である。変なハッタリや誇張などの下品さが全くない演奏なのであるが、この曲の場合はそれがいささか寂しさにもつながる。ラヴェルの派手派手なオーケストレーションを考えると、もう少し演奏に外連味があっても良いように考えるのだが、妙に生真面目な演奏に聞こえた。おかげで取り立てての難は全くないのだが、今ひとつ面白味も感じられなかったのが本音。

 趣味が下品な私からすると、いささか上品に過ぎる演奏だったきらいはある。

 

 さてこれでこの週末の予定は終了である。明日はまた大阪で仕事があるので、それに備えて今日は大阪で宿泊することにしている。ホテルはいつものように新今宮のサンプラザ2ANNEX。この界隈ではミドルクラスのホテル。

 

夕食は新今宮でつけ鴨うどん

 ホテルに移動してチェックインすると、すぐに夕食を摂りに新世界へ繰り出す。今日は串カツを食べるという気分でもないので、入店したのは「つけ鴨うどん 鴨錦」つけ鴨うどんの二玉(750円)を購入。うどんは普通、細うどん、きしめんを選べる模様。また温冷があるようだ。私は普通のうどんの冷を注文。

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新今宮の鴨錦

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つけ鴨うどん

 冷うどんと言っても冷やしうどんとは違って、付け出汁は温かいものである。これに冷やして締めたうどんがついてくる。温うどんよりもこの方が麺がしっかりするので私向き。出汁は見た感じは何も入っていないように見えるが、実は底に鴨の薄切り肉が多く沈んでおり、これが見事な出汁を出している。出汁の味付けとしては一緒に入っているレモンが意外と効いていて、濃厚だがサッパリしたもの。うどんの麺自体は特筆すべきほどのものではないが、鴨の味の良く出たつけ汁が見事でこれがすべて。なかなかに美味い。やはり鴨は偉大だ。

 

 夕食を終えるとホテルに戻り、この日も持参したBDでガッテンを見ながら暮れていくことに。明日はまた大阪で仕事だ・・・。