徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

カーテンコールで山形交響楽団ライブ配信を聴く

 本日の7時からカーテンコールで山形交響楽団のライブ配信があったのでそれを聞いた。ちなみにカーテンコールは今まで音量が極端に小さすぎたり、マイクのセッティングに難があったり、映像がぎこちなかったり、配信自体が不安定だったりなどの問題があったのだが、今回はカメラの台数も増やして質も向上させたようであり、カメラワークについては大幅な改善が見られた。またマイクのセッティングなども検討したのか音質面にも向上が見られている。今回を見る限りでは例えばNHKクラシック音楽館や読響シンフォニックライブなどと比較した時に違和感や見劣りがあると言うものではなかった。

 ただ未解決の問題は配信の不安定さ。時々細かく音声が途切れることがあったが、さすがにオリンピックファンファーレのクライマックスで中継が途切れて矢印がクルクルと数分間回りっぱなしになったのには、もう見るのをやめようかと感じたぐらい。放送が再開されたのは次の曲が始まってからだった。

 なお前回山形交響楽団がライブ配信した時も指揮者は阪哲朗氏だった。これで阪氏はライブ配信の達人になったか?(笑) なお今回は未だにソーシャルディスタンスが言われている時期であり、小編成の山形交響楽団といえどもフル編成でステージに乗るのは厳しいのか、それを逆手にとって金管と木管と弦楽陣をそれぞれ分けて演奏するという奇策に出た。いつものオケとは違った趣向で、いつもは取り上げないような曲を演奏するという試みである。

 ちなみに今回の配信は6/13に山形テルサで行われるはずだった第286回定期演奏会の変形。阪氏の指揮でシェエラザードが演奏されるはずだった。なおこれと同じプログラムで大阪及び東京でも公演がある予定だったが、それはかなり早い時点で中止となっている(私も大阪公演に行く予定だったんだが・・・)

 

山形交響楽団ライブ配信

指揮:阪 哲朗・村川千秋

〈金管&打楽器ステージ〉
・J.ウィリアムズ:オリンピック・ファンファーレ 
・ブルックナー:正しき者の唇は知恵を語る WAB 30
・H.リンドバーガー編:セルからモースへの結婚行進曲
・H.リンドバーガー編:悪魔のギャロップ

〈木管ステージ〉
・R.シュトラウス:セレナード 変ホ長調 Op. 7

〈弦楽ステージ〉
・チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調 Op. 48  
・シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ JS 34b 

 

 金管ステージ(山形交響楽団ブラスバンド)の演奏は華々しいオリンピック・ファンファーレで始まる。全体的に元気があり力強い演奏である。ややしっとりとしたブルックナーの珍しい曲を間に挟んで、最後は再び華々しい曲で締めている。

 木管ステージはR.シュトラウスの実にチャーミングな小品。それを山響の木管陣がしっとりしたアンサンブルで聞かせた。

 弦楽ステージ一曲目はチャイコの有名な「オー人事」こと弦楽セレナード。この曲の冒頭は今までは悲しげな曲に感じていたのだが、本公演ではメンバーの心情を反映してか、美しくて明るい曲となっていた。最後までしっとりと美しく聞かせる。最終楽章などはその軽快さも良し。

 二曲目は山形交響楽団の創立名誉指揮者で御年87才の村川千秋氏が指揮棒を握ってのアンダンテ・フェスティーヴォ。しかしこれが度肝を抜かれた。山響の弦楽陣の音色が一変してさらに深く染み渡るものになったからだ。これはやはりオケと指揮者の特別な関係を反映してのものなのだろうか。久しぶりに魂を揺さぶられる演奏であった。

 

 コロナの異常事態を受けてのライブ禁断症状が出ている観客を癒やすかのような見事な演奏。今後もこのような試みは行って欲しいところだが、実のところはそれよりも早く普通にホールで音楽が聴ける事態が訪れることの方を強く祈るところである。

 

6/14追加 山響ライブ第2弾が配信

 6/21PM3時から山響ライブの第2弾配信がカーテンコールであるもようです。

[指揮]阪 哲朗・村川千秋
[ピアノ]三輪 郁
・村川千秋編:山形県民謡「最上川舟唄」 
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15
・ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調「田園」Op.68

www.yamakyo.or.jp