徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

長野の美術館に立ち寄ってから、雪の湯田中渋温泉で宿泊

今日は長野に移動の予定

 翌朝は6時に起床、まずは朝風呂に向かう。ホテル内は暖房しているはずだがそれでも朝は結構寒い。展望大浴場の窓から見た諏訪湖は湖岸辺りが完全に凍結している。これは今年は御神渡りがありそうである。

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諏訪湖はかなり凍結が広がっている

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湖岸の氷も広がっている

 入浴して体を温めるとそのままレストランへ。朝食は充実したバイキング。とにかくガッツリと食べる。

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朝からガッツリバイキング

 昨日の転倒の後遺症かどうも首に痛みがある(頭を打ってはいないが、かなりの衝撃はあった)。軽いむち打ちのようなものになっているのかもしれない。

 部屋に戻ってテレビをつけると仮面ライダーを放送している。今度のライダーはドライバーという訳の分からないライダーだが、そこにやけに軽い新ライダーが登場。ドライバーの次はチャライダーか。プリキュアはプリキュアで彼氏とドツキ合いで愛情確認してるし・・・どうも最近の若い連中はよく分からん。

 9時頃にはホテルをチェックアウトする。今日は11時までに塩尻に車を返して特急しなので長野に移動する予定。まだ時間に余裕があるので北澤美術館に立ち寄る。

 

 

「ドーム兄弟-秘蔵の名作を一堂に公開-」北澤美術館で3/29まで

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北澤美術館

 北澤美術館所蔵品からドーム兄弟の作品を展示。

 その作品の生物的形態で異彩を放ったガレ、装飾的でありながらも素っ気ないまでにサッパリとしたところのあるラリックと異なり、ドーム兄弟の作品は形態的にはおとなしいものの、繊細な色つけや絵柄などに特徴がある。優美で精緻なのがドーム兄弟の作品であり、誰が見ても「美しい、好ましい」と感じるところがある。それだけに見ていて楽しい展覧会であった。

 北澤美術館はガラス工芸以外にも日本画の秀品を収蔵している。東山魁夷や小野竹喬、奥田元宋、上村松篁などのいかにもな作品があり、それらがなかなかに楽しませてくれた。

 

 外は身を切るように寒い。諏訪湖の湖岸は完全に凍り付いている。この調子で行けば全面氷結するのもそう遠くないように思われる。諏訪湖周辺は道路には全く雪はないが、各所に積雪の跡は残っている。

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湖岸は完全に凍結

 

 

諏訪大社下社に参拝

 北澤美術館に立ち寄ってもまだ時間に余裕があるので、諏訪神社の下社に立ち寄る。さすがにかなり立派な神社で参拝客も多い。お清めの水ではなくて温泉なのがさすがに諏訪湖温泉の地。

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巨大な鳥居

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神楽殿

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幣拝殿

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手水が温泉なのは流石

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巨大な御神木

 塩尻までは20分もかからない。ガソリンを満タンにして駅で車を返すと、特急しなので1時間ほどで長野入り。長野周辺には降雪の跡はあるが晴天である。駅前は工事中でてんやわんやだが、その中で北陸新幹線開通に関するイベントまで行われていて大混雑である。

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長野駅に到着するが

 長野駅からバスで美術館を目指す。善光寺前は観光客で大混雑の上に、善光寺周辺の駐車場待ちの車列で道路が渋滞してバスが動かない。善光寺大門前から善光寺北のバス停にたどり着くまでに異常に時間がかかってしまう。

 

 

「生誕百年 高橋節郎展」長野県信濃美術館で1/12まで

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 安曇野生まれの漆芸作家・高橋節郎の作品を展示。

 彼の作品については以前の安曇野訪問で初めて知ったのであるが、漆芸という伝統工芸の技法を駆使しながら、現代アート感覚の絵画的作品を多数制作しているのが印象的である。単にキャンバスに書き殴られただけだと安直なだけに見えるような現代アート的絵画でも、それが漆の光沢の元に図案として採用されると、独特の質感を持って魅力を帯びるということに感心する次第。伝統と現代的完成の融合が彼の独自の強烈な魅力となってこちらに大して強い印象を持って迫ってくる。改めて漆という素材の奥の深さを感じさせられた次第である。

 

 隣の東山魁夷館では冬にちなんだ作品を展示中。

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長野電鉄で湯田中へ

 美術館からバスで長野駅に戻ってくると、長野電鉄で湯田中を目指す。湯田中行きの特急は小田急のロマンカーを使用しているようである。列車は北斎ゆかりの地・小布施を過ぎてどんどんと山の方に向かっていく。山に近づくと降雪はないものの積雪の跡が見えてくる。

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湯田中までは小田急のロマンスカーだ

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車内風景

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運転席にはハシゴで登る

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進むにつれて雪は深くなっていく

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湯田中に到着

 湯田中駅に到着。ここから宿泊旅館まで移動。当初は歩いてとも思っていたが、どうも雪もある中を歩いていけるような距離ではない模様。大型ホテルの宿泊客はホテルバスが迎えに来ているが、私の予約しているのは小旅館なので送迎がない。最悪はタクシーかと思ったが、調べてみたら渋温泉を通る路線バスがまもなく発車するとのこと。それに乗車することにする。渋温泉まではバスで10分弱。やはりキャリーを引きずって歩くのは少々無謀な距離だったようだ。

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湯田中駅

 

 

渋温泉に到着する

 渋温泉はいかにも古くからの温泉地というなかなかに風情のある町並み。また観光客も結構来ていて、鄙びた風情はありつつも意外と活気もあるようだ。黒川温泉ほどキャピキャピせず、杖立温泉ほど寂れてはおらずといったところ。

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渋温泉に到着

 私が予約している旅館は「いかり屋」であるが、旅館に入る前に昼食を摂っておきたい。途中で見かけたそば屋「やり屋」ざるとろろそば(750円)を頂く。

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やり屋

 腰が強くて歯ごたえのあるそばが私好み。やはり信州はそばがうまい。もっともこれが続くと二日で飽きるのではあるが。

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とりあえず野沢菜が出てくる(これが美味い)

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腰のあるとろろそば

 遅めの昼食を終えると町並みを散策しつつ旅館へ。途中で共同浴場をいくつか見かける。渋温泉郷は野沢温泉郷などと同様に共同浴場が多々あるらしい。そこを抜けていくとようやく今日の宿泊旅館である「いかり屋」に到着する。

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青い旗が出ているのが「三番湯」

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町並みを散策

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二番湯

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一番湯

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なぜかお猿の温泉

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いかり屋に到着

 かなり鄙びた雰囲気の旅館だが、ちょうど真向かいに非常に趣のある建物が建っている。これが国登録文化財になっているという金具屋。私の宿泊する部屋は正面に面した部屋で、窓からこの金具屋がまともに見える。

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部屋からは向かいの金具屋が正面に見える

 

 

散策兼外湯巡りに

 部屋に荷物を置くと散策兼の外湯巡りに繰り出すことにする。渋温泉には9つの外湯があり、旅館の宿泊者にはこの外湯の鍵が貸し出されるとのこと。泉質はナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩泉の弱アルカリ泉とのことで、しっとりした印象の湯。寒い地域らしく結構温湯だが、野沢温泉ほどではない。

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まず「九番湯」

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ここが「八番湯」

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温泉旅館の間をプラプラ

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七番湯

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ここで入浴していく

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六番湯

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五番湯

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四番湯に到着した頃には雪が

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温泉街には饅頭は付きもの

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雪がかなり激しくなってきた

 

 

旅館に戻ると入浴と食事

 外湯を周りながら散策を続けるうちに雪が降り始める。その内に雪の量が半端なくなってくるので、途中で温泉饅頭を仕入れて旅館に戻ってくる。次は旅館の風呂で冷えた体を温める。なお旅館の風呂も基本的には同様の泉質だが、微成分に違いがあるのか、こちらは酸性泉との表記がある。渋温泉は源泉数が非常に多く、それぞれの浴場で微妙に泉質が異なるとのことである。なおここの湯はややベットリした感覚がある。掛け流しだが、おかげで浴槽内がかなり熱く、やむを得ず水で冷やすことになる。それにしても源泉を惜しげもなく使用しており、沸き出す湯の半分ほどはそのまま捨てている。源泉数といい、渋温泉はかなり湧出量が豊富なようである。信州の山岳の賜物か。

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向かいの金具屋も雪に覆われてきた

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金具屋の庭園

 入浴すると夕食までしばしマッタリ。外はいよいよ雪が激しくなってきている。その内に夕食の時間になるので別室に案内される。夕食はすき焼きを中心とした懐石。とろろ芋につけて食べるすき焼きが独特。ホイル焼きの中身はリンゴと何かの魚。いずれもなかなかうまい。

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夕食の膳

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鍋はすき焼き

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すき焼きはとろろで頂くらしい

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茶碗蒸しに

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リンゴと魚のホイル蒸し

 この日はもう一度入浴して、それから早めに床につく。それにしても最近はテレビで何も見るものがないから夜が長い。

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夜の金具屋

 

 

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