岩倉城のリターンマッチに臨むことにする
就寝が早かったせいで翌朝は5時に目が覚めてしまった。やや早い気がするが、今から寝直すのも中途半端なのでこのまま起床する。朝風呂で目を覚ますと朝食バイキングへ。ご当地ものもあるなかなか充実したバイキングで和食でガッツリと頂く。
さて今日の予定だが、基本的には福井ハーモニーホールで開催されるN響の演奏会に参加するのが一番の目的である。ただその開演が17時からなので、それまでに十分すぎる時間がある。そこでどうするか。普通に考えると美術館に立ち寄ることになるし、その予定も組んでいるのだが、福井周辺の美術館と言えば、市立美術館と県立美術館の二つしかない。金沢まで行けばいろいろあるが、さすがに金沢は遠すぎる上に市内は慢性の渋滞なので車で向かうのはリスキー過ぎる。
そこで立ち寄り先として考えたのが、今まで2回の攻略に失敗している岩倉城である。昨日の天候の様子では「これは無理かな」という印象だったのだが、今日になると曇ってはいるが雨はやんでいるし、天気予報を見ても東海地域は雨のようだが北陸地域は雨は降らない模様。もし岩倉城が無理そうならチェックアウト最終時刻の10時前まで部屋でゴロゴロするしかないかと思っていたが、これは決行可能と判断してホテルを8時前にチェックアウトする。
満を持してリベンジだ
北陸道を小松ICまで突っ走り、そこから国道360号をを東進する。岩倉城見学用の駐車場は用意されており、その場所はもう覚えている。先客が一組いたようなので、その横に車を置くと登山口に向かう。途中で山の方から来るカップルと遭遇。どうやら彼らが先客だった模様。軽く挨拶を交わす。(2021年時点での注: 私が最初にここを訪れた時は、案内看板は家の側に立っていたのでその背後の山と場所を間違えたのだが、今回最新のGoogleストリートビューを見たところ、看板の位置が立て替えられたようである。)
獣除け用のフェンスを抜けると登山道である。岩倉城の登山道は大体整備されているが、何カ所かトラップがあって、前回の訪問ではその一番最初のトラップで登山道からはずれてしまって断念したのである。
数カ所のトラップをくぐり抜けながら登山道を進む
その箇所まで差し掛かったが、今回は間違いようがない。前回訪問時は正規ルートの方があまりに鬱蒼としていた上に雨水がダラダラと上から流れてきている状態で、とても登山道とは思えなかったのだが、今回は軽トラによるものと思われる轍の跡も残っているし、下草もいくらか刈られたようだ。
そこをさらにしばらく登り続けると、またも分岐点。正面に向かうのは道のような道でないような微妙な道で非常に険しい。一方の右側には車が通ったような跡が見られる歩きやすそうな道が通っている。とりあえず体力に自信がないことからそちらの道を行く。
結局はこれで正解だったようだ。直進する道は本来の登城路で、こちらは地元民が山の管理に軽トラで登る道だと思われる。少々遠回りではあるがなだらかなこの道を進むと、途中で先ほどの道(と思われる)と合流、そこには軽トラ一台止められそうなぐらいのスペースも作ってある。そしてここからが本格的な山道登りになる。
以前ならそれほどでもないと思われるのだが、今年に入ってからインドア活動ばかりしていたせいで体が極限まで鈍りきっており、この登りがとにかく体に堪える。ヒーヒーという感じで登っていく。途中で「→さむらい道」という標識があったが、これは無視。先人によるとこれに従って進むと山を下りてしまうらしい。これもトラップだ。
屋敷跡らしき平地を抜けると本丸へ
ひとしきり登り切るとしばし平坦な道が続く。この辺りは家臣の屋敷などの城関係の施設があっても不思議でない地形なのだが、一面藪なので詳細は不明。ここをしばし進むと岩倉城跡と岩倉観音を示す標識に出くわす。ここは当然のように岩倉城跡を目指す。
ここからがまた再び登り。先ほどの平坦地に出たところで「もうこれで終わりか」という気持ちが起こっていたので心理的にキツい。「次の曲がりを越えたら頂上か?」という期待に何度も裏切られつつ、ようやくヘロヘロになって本丸にたどり着く。
一仕事してから(笑)本丸見学
本丸にたどり着いたところで一番最初に行ったのはスマホを取り出すこと。実は秋の京都市交響楽団の演奏会の優先予約が今日の10時からである。先ほどの登りの途中で10時になったのだが、あそこではさすがにスマホがつながらなかったので山を下りてからにしようかと思っていたのだが、もしかして山頂ならつながるかもと思ったら正解。見事に3Gでつながる。結局私はコンサートのチケットを山頂で確保したのである。
一仕事終えたところで城巡りの本題に戻る。本丸はそれなりの広さがあり、回りにはこれを守るべく土塁や帯曲輪なども巡らされている。また馬出などの構造もそのまま残っており、結構凝った縄張りである上に予想以上に保存状態も良い。
東口から出た先に出丸などがあるとのことだが、道がハッキリしていない。久しぶりの登山で脚にもかなりダメージが来ているし、無理はせず今回はこれだけで満足して下山する。
これで永らく心に引っかかっていた宿題も解決することが出来た。体にはかなりキツかったが、鈍りきっていた体のリハビリにはちょうど良かったろう。インドア活動がメインになった途端に体力の低下が著しかったから、今後はこの手の運動も意識的にやっていく必要がありそうだ。
福井に戻って昼食はソースカツ丼
宿題を終えると福井に引き返す。後は福井の美術館でも回って時間をつぶすつもりだが、その前に昼食を摂る必要はある。福井と言えば越前そばかソースカツ丼。久しぶりに「ヨーロッパ軒」に立ち寄ることにする。
コインパーキングに車を置いて店の前に行くと先客が二組ほど。昼時だしこのぐらいはありそうだ。しかしるるぶを片手にキャーキャー言いながら店の写真を撮っている連中を見ると、自分のことは棚に上げてすごく馬鹿っぽく見えてしまう。
客の回転が早いのですぐに入店できる。注文したのは「カツ丼セット(1080円)」。以前訪問した時にはこれに牡蠣フライをつけた記憶があるが、シーズンのせいか今回はメニューに見当たらなかった。
ウスターソースにくぐらせた薄手のカツ3枚をご飯にのせ、その上からソースをかけただけのシンプルなメニュー。しかしこの甘手のソースがなぜか絶妙に美味い。私は他のソースカツ丼についてはうまいと感じたことは一度もないのだが(加古川のカツめしなどはむしろまずい)、ここのソースカツ丼はやはりうまいと感じる。洋食でありながら妙に和風に感じられるところがまた良い。
満足して昼食を終えると、美術館攻略に取りかかることにする。
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