このホテルは朝食から豪華だ
翌朝は7時に起床。昨晩は寝床の中で三国志を深夜まで読みふけってしまったせいでかなりの寝不足。無理矢理に目を覚ますために入浴に出かける。浴場は昨日の岩風呂から今朝は桧風呂に変わっている。
入浴を終えると展望レストランで朝食。和食メニューだが、奈良らしい茶粥に朝から鍋付きと豪勢なもの。ガッツリと食べておく。
橿原神宮を見学
10時過ぎにチェックアウトするとそこにある橿原神宮を見学に行く。しかしキャリーをゴロゴロと引いてなので、砂利道を歩くのがツラい。
日本建国神話と密接な関わりのある神社だけに、随所からその手のイデオロギーの臭いが漂ってきて、正直なところ私としては苦手な雰囲気。神聖な場所と言うよりはやけに生臭い。
高野山方面へ向かう
橿原神宮の見学を終えると次の目的地へと移動することにする。次の目的地は高野山。とは言うものの、実のところは高野山を見学するのが目的ではなく、今日の宿泊ホテルにアクセスするための最寄り駅が高野山になるから。今日の宿泊ホテルは野迫川温泉のホテルのせ川なのだが、ホテルの送迎バスが出るのが高野山駅という次第。ホテルはここから車で50分もかかる山中にあるのだが、わざわざそんな山深い中まで繰り出す気になったのは一点大きな魅力があったからだが、それについては後で述べる。
橿原神宮前から古市まで戻ると乗り換えて河内長野まで移動。途中で宗教都市のトンデモ林こと富田林を過ぎると河内長野はすぐである。この駅では近鉄と南海のホームが隣接している。
高野山行きの南海電車は1時間後なので、その間に昼食を摂っておこうと考える。しかし駅前商店街は瀕死で飲食店がない。結局は駅前ビルの二階のパスタ店でお昼のランチメニューを頂く。ペペロンチーノ自体は悪くはないが、ランチ全体を見るといろいろな意味でイマイチ感のある内容。
高野山へ登る
昼食を終えると南海で移動、橋本で乗り換えになる。橋本駅のホームの向こうには以前に乗車したことがある天空の車両が見えている。しばらく待った後に到着した二両編成の車両で極楽橋に向かう。途中で九度山を過ぎるがこの駅は完全に真田一色になっている。そう言えば大河ドラマは今日からだった。
九度山を過ぎた辺りから傾斜がさらにきつくなって山岳路線となる。以前にも乗車したことはあるが、この辺りは本当に凄い風景である。つくづく高野山とは秘境である。
極楽橋に到着、隣のホームには六文銭仕様の「真田赤備え列車」が止まっている。今年一年は真田を前面に出して一儲け考えているんだろう。高野山でこの調子だと、上田辺りはさぞかし・・・などと想像する。
ここでケーブルカーに乗り換える。このケーブルカーがとんでもない急勾配を登るもの。これに匹敵するような急勾配ケーブルは私の経験した範囲では高尾山ケーブルしか知らない。
高野山駅に到着すると、ここからはバスでの移動になる。高野山駅に到着するのは送迎の集合時刻の1時間以上前になることから、高野山駅でなく金剛峯寺前で拾ってくれるようにすでにホテルには電話連絡している。送迎のバスが来るまでに金剛峯寺の参拝でもしておこうかという考え。
金剛峯寺などを駆け足で見学
千手院前の停留所で降りると隣が金剛峯寺。手早く参拝を済ませておく。祈るのは世界平和と日本が悪しき者達の手から解放されること。中に入るのは有料なのでパス。
金剛峯寺の参拝を終えると根本大塔などを見に行くが、これは以前にも見学しているのでザクッと回るだけ。
まだバスが来るまで時間があるので千手院前まで戻ってお茶にすることに。「甘党喫茶きく」で「ぜんざい(700円)」を頂く。甘さがホッとする。
ぜんざいでくつろぐとバスの時刻に合わせて金剛峯寺前に戻る。まもなく送迎バスが到着、私以外には後は奥の院前で2人の客を拾うだけとのこと。
ホテルは山奥の秘境
ここからはかなり深い山の中に入っていくことになる。高野龍神スカイラインはとんでもない山の中を走る道路で、冬期は積雪で通行止めになることがあるそうな。今年は暖冬の影響で路面に雪は全くない。
途中でスカイラインをはずれるといよいよ車のすれ違いも難しそうな山道をバスはしばし走行する。これは雪が降らなくても車で来なくて正解だと思う。山城見学で山道は走り慣れているとはいえ、この険しい山道をこの長距離走行するのはゾッとしない。
50分ぐらいかかってホテルのせ川に到着。まさに谷間の秘湯の雰囲気である。ここにはキャンプ場などもあるようだが、冬期は完全にシーズンオフのようだ。チェックインを済ませて部屋に入ると、何はともあれ大浴場へと繰り出す。
ナトリウム・炭酸水素塩系のアルカリ泉のようである。肌当たりとしては最初はややベットリした印象で、後から肌がサラサラしてくる感じ。
このホテルを選んだ最大の理由であった夕食を堪能
入浴を終えると夕食の時間。実はここのホテルを選んだ最大の理由がこの夕食である。このホテルの夕食メニューは鴨・猪・雉の三種の肉を使った「かしき鍋(それぞれの頭文字を取っている)」が売り。元々ジビエ系が好きな私は鴨も猪も好物。また雉は食べたことがないので非常に興味があるところ。と言うわけでこの鍋に惹かれてわざわざこの山奥までやって来たというのが真相。
夕食は大広間で。宿泊客は全部で7組ほどのようだ。夕食のメインは鍋で、これに小鉢やアマゴの塩焼きもついているのだが、まずこれがうまい。アマゴは頭から丸ごと頂けるのが最高。
そうこうしているうちに鍋が煮えてきたので、野菜から入れてそれが煮えた頃に肉を入れる。猪はいかにも獣らしい味で、鴨は鳥にしてはコクのある強い味、そして初めての雉だが比較的あっさりした味であるが滋味がある。鍋が醤油系の味付けがされているのでそれがよく合っている。
ある程度食べたところで太麺や餅を加える。これがまたうまいが、一番美味だったのは締めの雑炊。肉の出汁が出て絶妙の味わい。
デザートは本葛を使用したという葛餅。黒大豆のきな粉かけである。これがさっぱりしていて抜群にうまい。
満足して夕食を終えると部屋に戻ってテレビを見ながらマッタリ。ダーウィンは申年特集で、育児放棄されていた小猿を自分の子供と一緒に育てているメスザル(カラオケという名前はなぜ?)の話を。最近は日本でも育児放棄や児童虐待が問題となるが、これは野生でもあるらしい。多分NHKはこの小猿が自立するまで密着取材するんだろうな。
ダーウィンの次は大河「真田丸」。昨年の吉田松陰の妹なんていうどうしようもない題材と違って、題材自体がよいから話はそれなりに面白いんだが、ただ明らかに現代劇になってしまっている上にコメディ路線というのが・・・先行き不安。堺雅人は完全にリーガルハイになってるし。しかも今回の十代演技はかなりしんどいものがあった。かの暗黒大河の「江ちゃん10才」を思い出して悪寒が。浅間山のドッカンは確かに三谷らしくて笑えたが、大河としてこれでいいのかというのは疑問はある。信繁の年齢が上がってくるこれからの堺雅人の演技が要注意か。私が懸念材料に感じていた大泉洋はそれなりに無難にこなしていた模様。まあ大河的観点からの見所は、いかにも戦国一の曲者らしさが遺憾なく表現されていた真田昌幸と、やるせないまでの悲壮感が漂っていた武田勝頼か。勝頼に関しては一話限りで退場なのは少々勿体ないぐらい。ただどうも最近はNHKでさえもまともに時代劇の演出が出来る人材がいなくなったようだなというのは痛感される。それと音楽がBGMも含めて結構ヘボかったのが気になるところ。とりあえず去年のや「コメディお江でござる」のように第一話で落ちるということはないだろうが、結構早いうちに落ちてしまう可能性もある。世間ではかなり評価は低かったが、「平清盛」とか結構良かったんだけどな、序盤は。(2021年時点での注: 結局は私がこの時に感じた嫌な予感は見事に的中し、この作品は10話ぐらいで見るに耐えなくなって落ちることになる)
大河が終わると暇になってくるので再び入浴、戻ってきたら布団に横になりながらiPadで持参した「暗殺教室」のビデオを見つつ就寝。
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