カプセルルームはやはりいろいろと大変
やはりカプセルはうるさいのが最大の難点。夜は比較的マシだったが、朝の5時頃からドタンバタンと大騒ぎする輩がいて一旦完全に起こされたせいで、8時前に起床した時にはやや睡眠不足のしんどさがある。耳栓でも持ってくるべきだったか。
起床するとまずは風呂。体を温めてほぐす。その後はバイキングの朝食。例によってドーミーの朝食は地方色もあって豊富。これをガッツリと頂いておく。
さて今日の予定だが、福岡に移動する前に長崎県立美術館で開催中のミュシャ展を見学するつもり。わざわざ長崎に来ておいて、何もせずに福岡に移動では馬鹿すぎるというわけである。
美術館開館は10時からなので、カプセル内でボケーッとテレビを見ながら時間をつぶすと10時前にチェックアウト。キャリーを引きずりながら美術館まで移動する。今日も良い天気で外は少々暑い。
それにしても長崎はやはり私との相性の良さを感じる。何てことない町並みに非常に魅力を感じる。私がここまでしっくりくる町は、長崎以外では、函館、金沢、松山などぐらい。やはりこういうコンパクトシティが私の中のイメージにある理想の都市像である。ああ、今回みたいなド短期滞在ではなく、改めてじっくりと腰を据えて長崎をプラプラしたい。
「ミュシャ展」長崎県立美術館で
長崎県立美術館では実に25年ぶりという大規模なミュシャの展覧会。国内の複数コレクションから作品を集めたようである。
今回の特徴はミュシャの図案デザイン集やら当時のポストカード、さらにはお菓子の缶包装やチェコで発行された紙幣、果てはミュシャが無名時代に手がけたレストランのメニューなど、所謂身近なシーンで展開していたミュシャのデザイン作品を多数展示していたこと。ポスターアートで有名なミュシャだが、もっと幅広く生活に密着した多数のデザインを手がけるほどに社会に影響を与えていたということが伺え、確かにミュシャは一つの時代を作ったのだということが納得できる。
当然ながら「ジスモンダ」などの有名どころのポスターの展示もあった。これらについてはもう何回見たか覚えていないほどだが、それでもやはり改めて見るとため息が出る。時代を超えて万人に「美しい」と言わせる物を持っている。
今回の展覧会では、あえて「ミュシャ」というフランス読み名でなく「ムハ」というチェコ読み名を多用していたのだが、そういう点は展示作品にも現れていた。本展ではミュシャのチェコへの想い、郷土愛のようなものが全編に溢れていたようである。
カフェで一息ついてから福岡へ
ミュシャ展の見学を終えると常設展の方も見学してから、カフェで一息つくことにする。運河の眺めも落ち着くが、抹茶のケーキがおいしい。「ああ、いいなぁ」という言葉が自然に出てくる。
今回の長崎での予定はこれで終わりなので、路面で長崎駅へ移動する。路面の窓から見える長崎の町並みがまたなぜか私の心を引き付ける。なぜこれほどまでにこの町に私が愛着を感じるのかは理論的には説明できない。同じ港町ということで私の生まれ育った神戸に似ているところがあるからだろうか? やはりいつかまた改めてゆっくりと滞在しに来よう。
長崎駅で帰りの乗車券と博多までの特急つばめの自由席乗車券を購入する。特急つばめは諫早までは山岳地帯を抜け、そこからは有明海沿いを走る。九州では長崎新幹線を建設するとのことだが、そのルートは大村経由になるとのこと。そうなるとこの路線はどうなるんだろうか? 第三セクター化? JRに残ったとしても特急は廃止されて鈍行だけのローカル線扱いになるだろう。そうなると肥前鹿島なんかは以前よりも不便になるような気がするのだが。
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