徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

福岡で「魔女の秘密展」を見学してから周辺観光

昼食を摂ると一旦ホテルへ

 2時間ほどで博多に到着する。さてこれからどうするかだが、まずは昼食を摂りたい。以前にも来たことのある博多駅の地下の「まるとく食堂」に入店。「ぶり尽くし御膳(1580円)」を注文。ガッツリと頂く。プリが美味い。

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博多駅近の「まるとく食堂」

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ぶりが美味

 ようやく遅めの昼食を終えると今後の予定について思案。これから福岡市博物館に行くつもりだが、まずは荷物を減らしたい。とりあえずコインロッカーにキャリーを放り込もうかと思ったが、近くのコインロッカーは満杯。もうそろそろ3時が近いし、ホテルにチェックインして荷物を置くことにする。

 今回の宿泊ホテルはルートイン博多南。本当はルートイン博多駅前を取りたかったのだが、塞がっていたのでこちらに変更。駅から少々距離があるのが難点。博多駅との間の送迎バスがあるとのことなのだが、残念ながら運行は17時から。仕方ないのでキャリーをゴロゴロ引きながらの移動。10数分を要してようやくホテルに到着する。

 

バスで福岡市博物館を目指す

 部屋に入って荷物を置くとホッとするが、ここで休んでいるわけにはいかない。すぐに出かけることにする。と言ってもあの距離を再び駅まで歩くのもしんどい。調べたらホテルの近くのバス停から博多行きの西鉄バスがあるようなのでそれに乗車、博多駅に到着すると東側のバスターミナルに移動してそこから福岡タワー行きのバスに乗車する。

 このバスは路線バスだが都市高速を経由するらしい。都市高速は一応は高速道路でなくて自動車専用道路という扱いなので、これは高速バスではなくて路線バス。そもそもそうでないと吊革を持って立っている乗客を乗せるわけにはいかなくなる。とは言うものの、法的にはそれで良いのかもしれないが実際に事故った時には洒落にならんと思うが。

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前方にはヤフードーム

 都市高速から降りるとまもなくヤフードームが見えてくる。なかなかに大きな建物だ。これを過ぎたらすぐに終点の福岡タワー。福岡市博物館は終点の福岡タワーの南。ここに来るのは二回目だが、大きな建物である。

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福岡市博物館

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内部は広い

 テーマがテーマだけに会場前にはほうきにまたがっての記念写真コーナーなんかがあるし、会場のお姉さん方もみなさん魔女帽着用。しかしこれではまるでコスプレショー。ちなみに次回は「アマゾン展」とのことだが、その時は仮面ライダーアマゾンの顔出しパネルでも置くんだろうか・・・ってまさかこれはないな。

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さすがにこれにまたがって写真撮る勇気はない

 

「魔女の秘密展」福岡市博物館で5/29まで

 ファンタジーの代表のように言われる魔女だが、中世ヨーロッパではその存在が信じられており、疫病や天災などが魔女の仕業とされて魔女狩りの嵐が吹き荒れ、多くの無実の者が犠牲となった。なお魔女と言われるが、その対象は女性に限らずに男性や子供なども含まれたという。このような魔女にまつわる資料を展示。

 序盤は魔除けの御守りなどの類の無邪気なものなのだが、寒冷化による天候不順やペストの流行などで社会の不安が増してきた頃から世の中がおかしいことになり始める。この頃からこれらの原因が魔女とされ、魔女狩りが行われるようになる。この魔女審問の再現や、自白を得るための拷問道具の展示などがあるが、これが凄惨極めるもの。

 しかしようやく科学の進歩などと共に魔女の存在が否定されて、魔女はファンタジー世界の住民に変わっていく。終盤はそういう魔女のイメージにまつわる美術品など。最後の最後には日本での魔女に関する展示だが、これは所謂魔法もの系のコミック作品の展示になっていて、その辺りはいかにも日本的。

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魔女の取り調べ椅子でしょうか

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牢獄もあります

 正直なところ趣旨が不明な展覧会だったのだが、意外に面白かった。それにしても魔女狩りなどは今から見れば愚の骨頂だが、当時はこれを本気で組織的に行っていたのだから恐ろしい。審問なんて最初から結論が決まっていて、強引にその結論に持って行くための単なる手続き。これは明らかに血に飢えているとしか見えない。この辺りはキリスト教が内在する攻撃性が顕著に現れているように思える。そもそもの魔女の発端は土着の地域信仰や風習の類だったように思えるが、キリスト教は各地でこの手のものを邪教と見なして暴力的に破壊してきている。いわゆる魔女狩りもその一環だったように思われる。しかしそれが無知蒙昧な民衆の暴力性を引き出すことになり、多くの無実の者が嫉妬や時には狂人の妄想などで魔女として告発されて処刑されることになったのだから、実に罪深い話である。今も昔も忌むべきは無知と狂信である。

 そう言えば昔「奥様は魔女」というアメリカのコメディドラマがあったが、これで魔女狩りがネタになっていた記憶がある。どういういきさつかは忘れたが、ヒロインのサマンサが記憶喪失になって中世の魔女狩りの時代に飛ばされる話で、彼女はふとしたことから魔女裁判にかけられることになる。彼女は魔女であることを否定するが、最初から結論が決まっている裁判なので火炙りにされそうになる。しかし彼女を追っかけてきたダーリンのおかげで彼女は記憶を取り戻す。その後が痛快で、彼女は自分が魔女だと認めるとあっさりと拘束具を消してしまって「魔女をこんなもので捕まえることなどできないし、本当の魔女はこんなところから逃げ出すのなんて簡単だから、火炙りなんかにされるわけがない。」と言ってその場からパッと消えてしまう次第。裁判に参加していた一堂がポカーンとする中で、ポケーッとしていた裁判長が「裁判はこれで終わりにします。なお今後このような裁判は二度と行わないこととします。」と宣言して終わりというハッピーエンドである。

 本当は特別展だけでなくて常設展の方も見学したかったのだが、特別展を見終わったところで閉館時刻になってしまった。前回にここを訪問した時にも同様の状況で常設展を見学していない。そもそもの原因はこの博物館が辺鄙にあるために来るのに時間がかかること。この宿題についてはまたいつか解決したい。

 

福岡タワーを見学するが・・・

 ここまで来たついでに福岡タワーに登っていくことにする。入場料は800円だが、先ほどの「魔女の秘密展」の半券を持っていたら2割引とのこと。

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まさにそそり立つイメージ

 福岡タワーは1989年のアジア太平洋博覧会(通称よかトピア)の際に建設され、高さは234mあり、テレビ塔として使用されているという。展望台は123mの高さがあるとのこと。

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エレベーターは鉄骨の間を抜けていく

 確かになかなかの高さだが、それより何より、このタワーの構造はなぜか私の高所恐怖症を刺激する。おかげで足下がフワフワした感覚がして落ち着かないことこの上ない。最上階の展望台が5階ということになっていて、その下の4階がレストラン、その下の3階も展望台で帰りはここからエレベーターで下りることになっている。2階は下にあるので、要は2階と3階の間が100mほどあるということになる。

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確かに見晴らしは良いが

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高い、とにかく高い

 それにしてもこの3階展望台、いきなり「恋人たちの聖地」なんて書いてあって、オッサン一人の私には強烈なアウェイムード。しまった、この手の場所はこういうのが常だったというのを思い出す。足下はフラフラして落ち着かないし、こんなところはさっさと退去するに限ると思うが、なぜかエレベーターがなかなか来ずにしばし待たされる羽目に。

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独身50男を遠ざけるための結界

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これはキツい・・・

 

一旦ホテルで入浴してから再び夕食に繰り出す

 福岡タワーを降りてくるとバスで博多駅に戻る。このまま駅周辺で夕食を食べていけばよいのだが、昼食が遅めの上にかなりガッツリ食べたので、正直なところまだ腹がそんなに減っていない。そこで送迎バスで一旦ホテルに戻ることにする。しかし駅周辺は人通りも車通りも多くて大混乱、おかげで送迎バスは予定時刻よりも遅れて到着する。

 ホテルに戻るととりあえず入浴することにする。ラジウム人工温泉の大浴場でゆったりとくつろぐ。やっぱり入浴は大浴場に限る。

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ルートインポンタのお出迎え

 部屋に戻ってからしばし休息をして、それから改めてバスで博多駅まで送ってもらってから夕食を摂ることにする。博多の地下街をうろついて「百菜旬」なる店を見つけたので、ここで「カツ丼」と「ざるそば」を注文。どうも最近はカツ丼づいている。味については取り立ててどうこう言うところもなく、支払いは2点で1187円だから価格も妥当。博多は東京のような大都市で苦手だが、東京と違ってまともな価格で美味しいものが食べられるのはありがたいところだ。

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夕食も博多駅地下で

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カツ丼とざるそば

 夕食を終えると再び送迎バスでホテルへ。部屋に戻ってテレビをつけると舛添が政治資金に関して苦しい言い訳をしているニュースが。それにしても本人が「政治活動だ」と言い張れば、家族の宿泊費まで政治資金に出来るとは何というザル法。と言うことは、私も都知事になれば毎回の遠征がすべて政治活動ということになるのか? まあ桝添の週末ごとの湯河原詣でに比べたら、日本の地域振興はいかにあるべきかの現地視察を兼ねている私の遠征の方が余程まともな政治活動だ。何にせよ、こんなザル法は根本的な法改正が必要である。なるほど、舛添都知事は自ら身を張って現在の政治資金規制法の不備を証明してくれたわけか。それにしても猪瀬といい、石原といい、都知事というのは私腹を肥やすための役職か? しかもこんな輩ばかりを選挙で選ぶ都民って?(2021年での注:都民はその後、無能な小池知事を選択し、やはりどうしようもない民度の低さをさらにさらけ出している)

 何だかんだでこの日も一万二千歩ぐらい歩いている。疲労は結構ある。この夜は23時頃に就寝する。

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