徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

関西フィル第277回定期演奏会&「河合寛次郎」「真田丸」「大妖怪展」

 翌朝は8時に目が覚めた。7時半に目覚ましをセットしていたのだが、鳴っていたのに気がつかなかったようだ。今日は特に急いでいるわけではないので問題ないが、これは結構やばい。

 シャワーで目を覚ますとレストランで朝食。それにしても体が重い。結局は部屋でグダグダしているうちに10時頃になってしまう。

 ホテルをチェックアウトするとまず向かうのは京都駅。京都を離れる前に一カ所立ち寄る。

「河井寛次郎展」 美術館「えき」KYOTOで10/23まで

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 民芸派の代表的陶芸家である河井寛次郎の作品や愛した品々を展示。

 民芸派という言葉からは「素朴さ」というイメージが浮かぶが、河井寛次郎の作品については「素朴ではあるが決して地味ではない」という印象を受けた。釉薬を使用した独特の色使いが鮮やかな作品なども結構ある。また形態についてもかなり奇抜なものもあったりする。

 しかしながら「わざとらしい」ものはない。奇抜な形態をしていてもなぜかそれがしっくりとくる。その辺りの奇妙な魅力を感じさせられた。

 

 美術館を見学後は大阪に移動する。今日は午後2時からザ・シンフォニーホールでの関西フィルのコンサートを聴きに行く予定。まだ開演まで時間があるので先に博物館に立ち寄る。もう既に最寄り駅から真田の幟が立っていたり、どことなく堺雅人っぽい真田幸村の絵があったりなど、盛り上げに必死。「真田丸」はあまりにも人物描写がひどすぎて私などは2ヶ月で落ちてしまったが、世間的には人気があるんだろうか。私に言わせると、この作品で三谷幸喜は所詮は普通の人物の普通の心情は描けないドタバタ専門作家だということがハッキリしたと思ってるんだが。正直なところ、最高のネタを最悪の調理で滅茶苦茶にしたというのが今回の大河。時代劇チャンネルでの「真田太平記」の再放送を見ているとそれを確信した。

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駅の構内から既に真田祭

 

「真田丸」大阪歴史博物館で11/6まで

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 NHKの大河ドラマとの連携企画。真田家に祀る史料等を展示。

 もう少し真田丸関係の資料が出てくるかと期待していたのだが、真田丸関係の資料はほとんどなく、真田家に関するものが大半。真田幸隆の代まで遡って、強豪の間で翻弄されつつもしたたかに生き残っていった真田家を物語る数々の書状などが展示されていた。

 ただ、書状などは歴史資料的な価値はともかくとして、展示されていてもそう面白いものでもないし、肖像画の類いも今更目新しいものもなく、やはり大河ドラマに併せて無理矢理に展示内容を揃えたという感も無きにしも非ず。

 

 博物館を出てきた頃には1時前になっていた。予定よりも博物館で時間を費やしすぎたようだ。ホールに急ぐことにするが、福島駅に到着したのは開演の30分前。結局は昼食を摂る時間がないので、途中のローソンでおにぎりを一個買い込んで腹に放り込んでから入場。

 どうもザ・シンフォニーホールに来るのはかなり久しぶりの気がする。そう思って調べてみたら、前回は7/15の関西フィルの定期演奏会だった。その後、京都コンサートホールやNHKホール、地方の文化会館などの音響の粗末なホールばかり回っていたせいか、ザ・シンフォニーホールの音の良さを改めて認識できる。

 

関西フィル第277回定期演奏会

指揮&ヴァイオリン:オーギュスタン・デュメイ (*)
ピアノ:フリスティヤ・フージイ
トランペット:菊本 和昭 (★)

チャイコフスキー:ゆううつなセレナーデ 作品26(ヴァイオリンとオーケストラのための) (*)
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番 ヘ長調 作品102
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 作品35(ピアノ、トランぺット、弦楽合奏のための)(★)
チャイコフスキー:交響曲第2番 ハ短調 作品17「小ロシア」

 一曲目のゆううつなセレナーデはデュメイのバイオリン独奏がさえ渡る曲。情緒たっぷりでしっかりと聴かせる。

 二曲目、三曲目はショスタコのピアノ曲。厳めしい交響曲と違って、かなり軽妙で動きの激しい曲。特に2番の方はその傾向が顕著なのだが、それをソリストのフリスティヤ・フージイがこともなげに軽く弾きこなすのがさすが。1番はトランペットとの協奏曲のような雰囲気だが、これもなかなかに面白い。

 チャイコの2番はあまり演奏頻度が高いとは言えない曲だが、CDなどで結構耳にしたことは多い曲。最初から一貫してドロドロのスラブ臭い曲なんだが、デュメイが演奏するとそのスラブ臭さが適度に中和され、むしろチャイコの後期交響曲につながる構造が浮かんでくるから不思議。結構クセのある所謂デュメイ節なんだが、それが嫌みにならずむしろ爽快であるのだからお見事。デュメイの細かい指示にオケが完全に追随しており、デュメイが完全にオケを掌握している感が伝わってきた。また今回はいつになく関西フィルの金管陣に安定性が見られてなかなかの名演であった。
 ショスタコのピアノ協奏曲が2曲という大型プログラムだったせいか、アンコールも含めて2時間半の熱演。なかなかの盛り上がりだった。

 

 コンサートを終えると大阪でもう一つ残っていた展覧会を見るために天王寺まで移動する。

 

「大妖怪展 土偶から妖怪ウォッチまで」あべのハルカス美術館で11/6まで

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 昔の人達が想像力を膨らませて多くの妖怪を生み出しているが、それらは単に恐ろしげなだけではなく、妙な愛嬌に満ちていたりする。そのような妖怪に纏わる絵画等を紹介している。

 テーマからして内容はかなりのゲテモノかと思っていたのだが、いきなり北斎の肉筆画なんかが登場して驚く。これ以外にも妖怪と言えばやはり河鍋暁斎なども登場したりなど、意外と「芸術性」の高い作品も登場する。

 その一方でやはり鳥山石燕の「百鬼夜行図」のような定番どころはしっかり紹介。あらゆる物が妖怪化している付喪神の類いはその想像力にむしろ唸らされる。また妖怪に関連して地獄図の類いも登場したが、これについては某マンガの影響でしっかり中身が分かってしまう自分に爆笑。十王の区別や補佐官殿の場所まで。

 最後には土偶やら妖怪ウォッチなどまで登場するが、これは明らかに蛇足。特に妖怪ウォッチは夏休みのお子様を意識したのが丸分かりでいささか興醒めである。

 

 美術館の見学を終えるとそのまま天王寺で夕食を摂ることにする。食べたいものが浮かばないのだが、あっさりと洋食にするか(笑)。いつものようにMIOに立ち寄ると「グリルまるよし」ランチAを注文。白身フライにシナモンコロッケ、チキンカツがセットになったメニュー。一見喫茶店のランチのように見えるが、中身はやはり本格的。シナモンの風味のコロッケなどは独特。ただ私自身はシナモンはあまり得意な香辛料ではないので、その点に若干のつらさがあり。

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グリルマルヨシ

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ランチA

 夕食を終えると神戸まで移動することにする。元々の予定はここまでだったのだが、計画設定後にロジェストヴェンスキーが来日して読響を振るとの情報を得たたため、急遽明日東京に飛ぶことになった。単に読響のコンサートなら大阪会員になっているからそれで十分なんだが、ロジェストヴェンスキーが来日して振るとなると、これは是非とも聴きたいと思った次第。ロジェストヴェンスキーは私がクラシックを聴き始めた30年以上前に既に巨匠と呼ばれていたのだが、それが未だに現役の巨匠であることに一番驚いた。来日すると聞いた時も、「えっ?まだ生きてたの!」というのが最初の正直な感想だった。滅茶苦茶ハードな日程になるなと迷ったが、実際にはロジェストヴェンスキー来日の情報を得てからすぐにチケットを手配している。

 明日はスカイマークで東京まで飛ぶ予定なので、宿泊は神戸空港に近いところにするつもりで、ポートアイランドのホテルパールシティを予約している。三ノ宮から送迎バスがでているのでホテルにはすぐに到着する。

 このホテルは宿泊客は500円で3階の大浴場を利用できるのでそこで入浴。浴槽が大きいのは良いのだが、贅沢を言えばもう少し水深が欲しい。

 風呂からあがるとしばし部屋でマッタリしてから早めに就寝。少々疲れがある。