翌朝は6時半に起床。昨晩はウトウトしていた時に夢を見ていたらしく、詳細は覚えていないのだがかなり怒り狂った状態で目が覚めた。どうも諸々のストレスが溜まっているようだ。良くない傾向である。
起床すると昨日にイオンで買い込んでいたパンをとりあえずの朝食で腹に入れると7時半頃にチェックアウトして地下鉄とモノレールを乗り継いで大阪空港へ。
大阪空港に到着すると空港内のそば屋で朝食PART2。馬鹿混みの搭乗ゲートで荷物検査を受けることに。ところでこの検査、流れ作業でかなり大ざっぱな印象を受けるのだが、本当に危険物を完全排除されているんだろうか。
ANAで長崎へ飛ぶ
長崎行きのANA便はほぼ満席の模様。搭乗だけでも大混乱で、出発は予定より遅れる。長崎までは1時間ちょっと。例によって途中でフラフラとする飛行はあまり好きでない。
ようやく長崎空港に到着。着陸が終了して通信機器が解禁になった途端に、まず私がやったことはコンサートチケットの確保。今日の10時発売開始なので、飛行中に発売が始まっていた次第。チケットをとれるかどうかが心配だったが、何とか確保に成功。
飛行機が着陸してからドアが開くまでの時間にチケットの確保を済ませると、さっさと長崎へ移動である。幸いにして長崎行きのバスが既に待っている。これで長崎市街地までは40分程度。この辺りは何度もたどった行程。
長崎へ到着
長崎新地に降り立つと「ああ、やって来たな」という気になる。今日は天気も良いし気持ち良い。そしてやはり長崎の空気は私に合う。
しかしここまでやってきて一つ大事なことに気づく。そう言えば今日何をするかが全く考えてなかった。ノープランも極まれりである。とりあえず時間的には昼食を摂る必要があるが、その前に身軽になりたいので、まずはホテルに荷物を置きに行くことにする。今回宿泊するのはマリンホテル。今回は九周復興割の関係で航空券とホテルがセットになっているじゃらんパックで予約しており、そのホテルの中で大浴場付きで安いところを選択した次第。いつもならドーミーインになるところだが、ドーミーインが週末価格で高い上に人気で確保できなったために選んだホテルだ。
マリンホテルは築町奥のネオン街裏手の斜面にへばりつくように建っている。上と下に出入り口があるが、下の出入り口はまるでパチンコ屋のような印象を受ける。とりあえずチェックイン手続きを済ませると重たいキャリーは預けて町に繰り出す。
チャンポンの有名店で昼食にする
さて昼食だが、やはりチャンポンか。毎度のごとく京華園というのも芸がないので、今まで行ったことがない店に行ってみることにする。立ち寄ったのは大浦天主堂下にある「四海楼」。長崎チャンポンでは有名な店と聞いたことがある。今まで何度も前は通っているが、満席だったり、営業終了していたりで今まで入店したことはなかった。
近づいてみると「レストラン30分待ち」の看板が出ている。実際に5階のレストランに登ってみると大混雑。普段は食事のために並ぶという行動原理のない私だが、今回はどうせそもそも予定がないことだし待ってみるとこにする。
待ち時間は30分どころか1時間弱になる。店内は大混乱の模様でてんやわんやしている。席にはつけたものの、料理を注文してからまた待ち時間が・・・。メニューを見るとチャンポン以外にも一品料理があるが、種類は少な目。やはり中華料理店というよりもチャンポンの店のようだ。私はチャンポンとチャーハンを頼む。
しばらく待たされてからチャンポンが出てくる。ドッサリと具が入っているいかにものもの。驚くのは麺の太さ。チャンポンの麺は太めなものだが、ここのは特に太い。これがしっかりとした歯ごたえにつながっている。濃厚なスープにこのしっかりとした麺の取り合わせが良い。ただ一時間も待たされてまで食べるほど特別なものかと言えば、そこまでのものでもないというのが正直なところ。
次にチャーハンが出てくる。これも悪くはないのだが、明らかに軍配は京華園にあがる。やはりここは中華料理店ではなくチャンポンの店だ。
最後にデザートのマンゴープリンを注文して昼食を終了。確かにうまいチャンポンだったが、ここまで待たされるほどのものではなかった。次からは普通に中華街に行こう。
食事を終えるとここの2階の長崎チャンポン博物館を一回り。ここの店は単に有名なチャンポン店というわけでなく、そもそもは長崎チャンポンを最初にメニューとして開拓した創始店のようだ。中国出身のここの店主が、日本在住の貧しい中国人青年達が気軽に安価で栄養十分の食事を取れるようにと開発したメニューらしい。なるほど道理で具だくさんのはずである。またチャンポンと並ぶ名物の皿うどんも、元々はチャンポンのバリエーションとしてここの店主が開発したものだとか。皿うどんにはパリパリのタイプと軟らかいタイプがあると言うが、これから行くと本来の皿うどんは軟らかい方か。確かにあの皿うどんの麺を軟らかくすると汁のないチャンポンの雰囲気になる。するとそこからあのパリパリの皿うどんが誕生するところでのイノベーションがまたあったはずだが、それはここの店とは別のところなんだろう。
土産物を購入しながら長崎散策
昼食の後は大浦天主堂近くの店を散策。前回にグラバー園下の「フルーツガーデン・アズタイム碇商店」で買った琵琶ゼリーがうまかったので10個ほど仕入れる。さらにカステラ研究のために清風堂のカステラを3種購入。
孔子廟の見学
土産物を購入して荷物が重くなったが、それをぶら下げたまま孔子廟・中国歴代博物館を見学に行く。孔子廟は日本のあちこちで見かける(例えば岡山の閑谷学校)が、日本風にアレンジされたものではなく元々の中国風。入り口前にズラリと文官像が並んでいるのはいかにも中国的演出。王宮を連想させ、ここで政変でも起こりそうだ。孔子廟の奥が中国歴代博物館で清朝の陶磁器を展示していた。かなり鮮やかな大作が多数で見応えあり。
東山手を見学
ここまで来たついでに東山手の洋風住宅群を見学。以前にオランダ坂のついでにザクッと見学したことはあるが、今回はもう少し丁寧に見学。しかし重い荷物を背負っての急斜面の登りはかなり足にくる。なおここの洋風住宅は、形は洋館なのだが屋根が瓦葺きなのが面白い。
浦上天主堂の見学
下まで降りてくると路面で浦上方面に移動する。ついでだから浦上天主堂を見学しておくかとの考え。と言うか、もう長崎で行くべき場所はそれぐらいしかもう知らない。
松山町で路面を降りると、藤山一郎の「長崎の鐘」を口ずさみながら徒歩5分ほどで浦上天主堂に到着する。内部の見学も出来るが撮影は禁止。大浦天主堂に比べると普通の教会という印象だが、江戸時代に建設された大浦天主堂と違い、戦後に再建されたのだからそれも至極当然。ここには本来は明治時代に建設された教会が建っていたのだが、長崎に落とされた原爆によって完全に瓦礫となり、多くの信徒が犠牲になったのである。被爆したマリア像などの原爆遺物も展示されいる。キリスト教国のアメリカが、教会を狙い撃ちしたのだから神をも恐れぬ悪行と言うべきで、天罰を受けてしかりの暴挙だろう。そもそも町を焼き尽くす劫火は神の領域の所行であり、人間ごときが振るって良い力ではない。もっとも現在のアメリカは戦争ばかりして、さらにテロなどで常に脅かされていて安寧とはほど遠い国になっているのだから、ある意味では既に天罰を受けているのかもしれない。しかも馬鹿大統領を自ら選んだことで、いよいよ破滅も近いのかも。願わくは破滅するなら自分たちだけでするべきで、世界を巻き込まないでくれ。
これで長崎ですることは特になくなった。疲れも出てきたので、一旦ホテルに入ることにする。部屋は見晴らしの良い結構広いツインルーム。建物の外観は若干古びた感じがあったが、内部は綺麗にしてある。
部屋で一休みしてから大浴場に入浴に行く。ここのホテルは小さいながらも大浴場がある。木を使った大浴場はなかなか落ち着く雰囲気。ただ入浴しようと思ったら、湯が熱すぎて熱湯CM状態。シャワーで浴槽に水を放り込んで冷ましてから入浴する。
長崎の繁華街でイワシ料理を堪能
入浴を終えると夕食のために外出することにした。夕食を摂る店を探して繁華街をウロウロ。何しろこのホテルは繁華街(と言うか、歓楽街の方が正しいか)のど真ん中にあるので、こういう店を探すのには困らない。以前に一度行ったことがある「はくしか」を覗いたのだが、残念ながら満席で入店できず。結構疲れていて他の店を探し回るのも面倒なので、隣の「いわしや」に入店することにする。
ジンジャーエールを頂きながら食事メニューを注文。まずは刺身の盛り合わせ(いわし有)。なかなかに鮮度の高い刺身でうまい。次はカキフライを頼もうかと思ったが、鳥の唐揚げがあるとのことなのでそれをそのままもらう。これもまずまず。次が鰯の蒲焼き。これがなかなかの絶品。臭みもないし実にうまい。最後は鰯茶漬けで締め。まずまずの内容である。以上で4000円弱という支払いは妥当なところ。やはり鰯という魚は鮮度さえ良ければうまい魚だ。長崎の食も侮れないようだ。
食事を終えてホテルに戻ると疲れが出てくる。持参したブルーレイなどを見ていたのだが、途中で眠気がこみ上げてきてかなり早めに就寝することにする。