徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

新日フィルすみだ平和祈念コンサート2017&東京ニューシティ第111回定期&「ティツィアーノ展」「シャセリオー展」in 上野

 翌朝はゆっくりしようと思っていたのだが、サラリーマンの悲しい習性で7時に自動的に目が覚める。仕方ないので起き出すと、昨日に成城石井で買い込んでいたミートスパを朝食にする。

 さて今日の予定だが、上野地区の美術館をフラフラした後にトリフォニーでの新日フィルのコンサートに行くというザックリした計画しかない。とりあえず9時前まで部屋でゴロゴロしてから、東京都美術館や国立西洋美術館の開館時刻の9時半を目処に出かけることにする。

 それにしても最近は心身共に調子が悪い。昨夜横になった時に頭がフラフラしていたことに驚いたが、今日も体は絶不調。目眩が残っていて何となく頭がボーッとしている。風邪をひいたような気もするが、こちらに来てから花粉症の症状もかなり悪化しており、どちらが主原因なのかがハッキリしない。

 上野駅で美術館のチケットを買い求めると、まずは東京都美術館から立ち寄ることにする。現地到着は開館10分前で、その時点での待ち客は50人程度。まあ大体通常通りと言うところか。美術館内は大した混雑もなく、鑑賞には良いコンディションである。

 

「ティツィアーノとヴェネチア派展」東京都美術館で4/2まで

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 独立国家として繁栄していたヴェネチアでは、ベッツーニなどから連なるヴェネチア派と呼ばれる色彩豊かな新しい絵画が隆盛した。そのヴェネチア派を代表する巨匠・ティツィアーノ。彼に影響を受けたティントレット、ヴェロネーゼなどを中心として展示。

 さすがに初期の絵画はヴェネチア派と言えども中世を引きずったやや地味めのものに見える。本格的に色彩が爆発するのはティツィアーノ以降。本展の表題作とも言える「フローラ」はその肌の豊かな表現に圧倒される作品。

 展示作のレベルとしてはティツィアーノが群を抜いていて、それ以外で「あっ、これもなかなか」と感じたら、それがティントレットだったというようなところ。展示作品数はそう多くないのだが、実際にはティツィアーノの「フローラ」を見るためだけでも入場料の価値は十分にある。

 

 展覧会を終えると国立西洋美術館に向かうが、どうにも体がしんどくて仕方ない。そこで休養をかねて上野公園の「パークサイドカフェ」に入店して「和み」ラテを頂いて休憩。この原稿を打ちながらしばしマッタリする。

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パークサイドカフェ

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和みラテ

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公園を眺めながらマッタリ

 一息付いた後に美術館へと向かう。ここも最近になって急にル・コルビジェ絡みで脚光を浴びているところ。そのためか「無料観覧日には館内撮影禁止」との看板が立っていた。無料の日に押し掛けて写真を撮りまくる輩がいるのだろう。

 

「シャセリオー展」国立西洋美術館で5/28まで

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 シャセリオーは若くしてアングルに師事して画才を示すが、後にはロマン主義の洗礼を受けて、新古典主義を率いる師匠のアングルとは決別。ロマン的な独自の画風を確立して、後のシャバンヌやモローに影響を与えたと言われている。ただ37才と若くして夭折したためにその知名度は低かった。子孫に当たる人物が精力的に作品を集めて国に寄贈したことで再評価の機運が生まれたとのこと。今回は日本で初めての大規模な展覧会である。

 彼の代表作の一つが会計検査院の壁画作品だと言うが、残念ながらその建物は今はなく、壁画も失われてしまったという。本展で展示されているのは往事の壁画の記録や習作など。ただそこからもシャバンヌが影響を受けたというのはよく分かる。また油彩画作品についてはもろにモローの作品とイメージがかぶる。

 正直なところ、特別な個性を感じる画家ではないのだが、絵画史の1ページにおいて重要な働きをした画家ということは言えるだろう。

 

東京芸術劇場に向かう

 これで上野での予定は終了。さてこれからどうするかだが、新日フィルのコンサートは18時開演なのでかなり時間がある。そこで昨日調べたところ、東京ニューシティフィルのコンサートが東京芸術会館で14時から開演との情報を得ていたので、これを聴きに行くことにする。事前にチケットを入手していないが、恐らく当日券ぐらいはあるだろう。

 山手線で池袋まで移動すると、東武百貨店の飲食店街で昼食を摂る店を探す。入店したのは「赤坂うまや」「親子丼(1200円)」を注文。

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赤坂うまや

 鶏肉自体はなかなか良いし、丼の味付けも関西人の私が抵抗を感じないまずまずのもの。難点は価格とボリュームか。私の常識で判断するとやはり妥当な価格の1.5~2倍ぐらいになっている。いわゆる東京価格というものでCPは悪い。ややボリュームが少な目なので、これでこれからの長丁場が持つかどうかが若干心配。

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親子丼

 昼食を終えるとホールへ。ホールに向かう人波がいつになく多いから、ニューシティってこんなに人気があったっけ?と思っていたら、下のホールで開催されるイベント(演劇か何か?)の観客だったようだ。コンサートホールの方は結構ガラガラ。

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芸術劇場へ向かう

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多くの客は下のホールへ

 当日券販売には10人ほどが並んでいたが、ザッと見た感じでも結構チケットは余っているようだった。私が購入したのは3000円のB席の三階席。ちなみに隣の窓口はポンパレ様と書いてあり、ニューシティは半額チケットをばらまいているという噂を以前に聞いたことがあるのだが、このことか。この窓口にも大量にチケットが積んであった。

 三階席はかなり上からステージを見下ろす印象で、結構距離が遠い。会場の入りは5~6割程度というところか。

 

東京ニューシティ管弦楽団 第111回定期演奏会

内藤 彰(Cond) 東京合唱協会 東京ニューシティ管弦楽団

モーツァルト/歌劇「魔笛」序曲K.620
       交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」
       レクイエム ニ短調 K.626(ロバート・レヴィン版)

 残念ながらあまりうまいオケではないのはすぐに分かる。管楽器の鳴らし方が雑な上に音色が濁る。全楽器が斉奏するとゴチャゴチャして音が濁りまくる。また内藤式ピリオド奏法も特に音楽的な意味を感じず、貧弱な弦楽器の音色をさらに痩せさせる効果しか出ていない。

 前半のオケ曲は万事その調子で、全く精彩を欠くモーツァルトになってしまった。平板で盛り上がりに欠ける内容である。ジュピターなどは演奏の平板さもあって退屈する。ここまで退屈なモーツァルトは初めて。

 メインのレクイエムもいきなり管がずっこけてヒヤッとさせられるが、その後はかなり合唱に助けられた印象。何とか無難に伴奏に徹して最後まで持たせたというところか。

 ニューシティに関しては事前に芳しからぬ噂をいくつか耳にしていたが、こうして実演を聴いてみると、ネットの噂にはかなりの誇張があるとは感じたものの、あまり上手なオケではないということには完全同意である。今後はよほどのことがない限り、あえて聴きに来ようとは思わないだろう。

 

 これで東京の主要オケは最低一度はその演奏を聞いたことになるが、私の印象でのランキングを言えば N響、読響、都響>新日フィル、東響>日フィル、東フィル>>シティフィル>>>ニューシティ というところである。

 ニューシティのコンサートを終えると直ちに錦糸町に移動する。

 

すみだ平和祈念コンサート2017《すみだ×ベルリン》
上岡敏之指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団

上岡敏之[指揮]
新日本フィルハーモニー交響楽団

マーラー/交響曲第6番 イ短調「悲劇的」

 上岡のマーラーは例によってのかなりあくの強い個性的なもの。メリハリの強い演奏でかなり劇的表現が強い。オケの方も激しく変化する上岡の強弱指定やテンポ指定に何とか従っており、緊張感のあるなかなかの熱演。

 新日フィルの細かい演奏技術にはまだ若干の問題もあるし、上岡の演奏は明らかに好みの分かれるタイプの演奏であるとは思うのだが、全編を通しての理念のようなものが通っており、私的にはなかなかの名演であると感じた。

 

 不思議なもので新日フィルの熱演で興奮すると体調の悪さがやや紛れていた。この勢いでそのまま夕食に繰り出すことにする。気分としてはガッツリと肉が食いたいということで、立ち寄ったのが北千住の「いきなりステーキ」リブロースの300グラムをガッツリと平らげて帰る。

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300グラムのリブロース

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焼き方はレア

 しかし体調の悪さはホテルに戻ってから再来した。また今日はスケジュールが目白押しだったせいで疲労も強い。コンサートを連チャンしたせいで、美術館訪問したのが数日前のような感覚になっている。何をする気力も起こらないのでこの日は早めに就寝する。