翌朝は7時半に起床すると朝食。今日は定山渓温泉に移動予定だが、ホテルからの送迎バスが札幌駅前から出るのは午後2時。ホテルのチェックアウトが10時なので4時間の余裕がある・・・のだが、今日は昨日以上に何の予定もない。
札幌テレビ塔はおっさんワールドだった
とりあえずキャリーはホテルで預かってもらっておいてからチェックアウト。で、もうこれで札幌で行くところと言えば後はテレビ塔ぐらいしか思いつかない。昨日駅ビルの展望台に行っておいて、今日はテレビ塔とは全く芸のない話ではある。何とかと煙は高いところに登りたがると言うが、そもそも私は高所恐怖症である。
地下鉄で大通りに移動すると地下づたいでテレビ塔へ。3階でチケットを買うが、事前に焼きコーン付きの割引券を入手しているのでそれを使用。
3階からはガラス張りのエレベータで展望台へ。しかしこれが結構怖い。また到着した展望台は「狭い」というのが正直な印象。その狭い室内に構造の鉄骨がむき出しなのでさらに狭さに拍車をかけている。また斜めになっているガラス窓が結構恐怖を引き起こす。
この塔は日本の塔博士こと内藤多仲の作品である。彼による塔六兄弟(ウルトラ六兄弟)の中で四男(帰ってきたウルトラマン)にあたり、別府タワー(ウルトラセブン)の弟で東京タワー(ウルトラマンエース)の兄貴になるそうだ。言われてみれば何となく思い当たる。
ところでテレビ塔のマスコットキャラが「テレビ父さん」というおっさんキャラ。何かどこかで見たことがあるような気がしていたのだが、全体から漂うおっさんムードがそのままサンテレビの「おっさんテレビ」を連想させることに気づいた。キャラデザインとしては全く類似してはいないのだが、雰囲気が類似しすぎということである。
テレビ塔の見学を済ませて降りてくると、大通公園の出店で先ほど受け取った焼きコーン券をハーフサイズの焼きコーンに引き替え。甘くてうまい。札幌で食うとただのトウモロコシでもこんなにうまいのか?
昼食後はオルセー複製画展で時間つぶし
この後は昼食を摂る店を探すことも兼ねてプラプラと散策。ただどうも今一つピンとくる店がない。結局面倒になってきたので「鳥一心」の昼食ブッフェに入店。焼鳥や寿司など一渡りを食べて30分ほどで出てくる。
札幌駅まで戻ってくるがまだ1時間ほど時間がある。大丸をのぞいたら7階でオルセーコレクションの複製画展があるというからそれをのぞくことにする。
所詮複製は複製なのだが、それでも近年はその技術がかなり上がっていることを感じる。特に色調の再現がかなり良くなっており、遠目に見たら一瞬では違いが分からないほど。さすがに間近で見ると絵に立体感がないので違いは一目瞭然ではあるが。ちなみに私は今まで「オルセー展」の類いにしょっちゅう出かけているせいか、本展展示作のかなりの部分は本物を見たことがあることに気づいた。結構今までいろいろな作品が来日しているようである。ちなみに私の一推しはやはりルノワールによるダンスシリーズである。これの本物を見た時の感動は今でも覚えている。
やはり本物には本物にしか呼び起こせない感動というものがあるが、地方の美術館などが有名画家のイマイチな作品を所蔵していたりするのに比べると、むしろこれら名画の複製の方がある種の感動を呼び起こせる可能性もあるかも知れない。場合によってはこういう展覧会もありだろう。
定山渓温泉に移動
展覧会をグルッと回ったところでそろそろバスの時刻が近づいてきた。札幌駅北口のバス乗り場へと移動すると、ホテルのスタッフが待ち構えている。大きなバスが一台止まっているが、結構乗客も多い。かなり大きなホテルのようだ。
定山渓温泉には50分ほどで到着する。今日の宿泊ホテルであるミリオーネはかなり巨大なホテル。先ほどのバスの乗客はすべて宿泊客であるが、これ以外にも日帰り入浴客も多数訪れているようだ。ここはサービスを簡略化してコストを抑えている最近多いパターンのホテルのようである。確かに過剰サービスのホテルもあるので、現代はこのぐらいの方が手頃だろう。
部屋は結構広いなかなかのもの。とりあえず荷物を置くと何はともあれ大浴場へ。大浴場は複数の浴槽のある大規模なものだが、源泉掛け流しと書いてある和風浴槽と露天風呂を中心に入浴。泉質はナトリウム塩化物泉とのことだが、ベタベタ感はあまりない。黒っぽい着色が見られるがマンガンによるものとのこと。なめてみるとしょっぱさよりも渋みの方がある。マンガンのためだろう。
風呂上がりにはご当地サイダーの河童サイダーを頂く。ご当地サイダーによくある素朴な味である。
温泉街を散策の後、夕食
一息ついたら温泉街の散策に出ることにする。定山渓温泉は川の両岸に巨大ホテルが林立する温泉街で、建物が断崖にへばりついている。この温泉は何やら河童と由来があるらしく、公園内には河童大王の像があるし、温泉街のシンボル自体が河童のようだ。公園からさらに西に進むと吊り橋があるが、これは鉄製のしっかりしたもので恐怖感は皆無。それはともかくとしてこの橋はどこを結んでいるのか目的がはっきりしない橋だ。渡った先の道は放置されて完全に崩れてしまっていて先に進めない。単なる観光橋?
温泉街を散策してホテルに戻ってきてしばらくすると夕食の時間。実際に歩いてみた定山渓温泉街は大型ホテル中心で飲食店が皆無であった。事前にグーグルストリートビューの調査でこの辺りは予測済みだったために夕食付きのプランを選んでいたのだがやはり正解だった。昨今は現地の情報収集の方法がいろいろあって助かるが、その代わりに新鮮な刺激は減るという副作用がある(ストリートビューなどはあまり見過ぎていると、初めて来た場所なのに一度来たことがあるような気がしてしまう)。ヴァーチャルの進化がリアルの感動を薄めることがあるということで、これは現代人病の一つの側面である。
このホテルは夕食はバイキングが基本なのだが、私は正直なところバイキングはあまり好きではない(ファミレスっぽい内容が多いために旅情を削がれることが多い)ので居酒屋夕食のプランを選んでいる。
居酒屋夕食と銘打っているが、何も飲兵衛メニューというわけでなく、いわゆる普通の旅館の和食夕食メニューである。やはり私はこちらの方が相性がよい。味もなかなか良いし、夕食を堪能するのである。
夕食を堪能した後はまた入浴してマッタリ。札幌をうろつき回って疲れも結構あるし、この夜は早めに就寝する。